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2015-08-11 09:31:33
日本の原発が本日8月11日から、再び具体的に動き出す。安倍政権は原発再稼働の地ならしを着々と進め、まず九電の川内原発1号機に続き、10月中旬には2号機も動き出させます。原発再稼働の政権として、その実績を歴史に残すことになりました。
原発は、単に日本に電力を供給する巨大装置というだけではありません。日本の権力勢力にとっては秘めたもっと大きな意味を持つものです。原発がたどってきた戦後70年間の歴史を振り返ってみます。
原発は中曽根康弘、正力松太郎という政治家と経済人とがタッグを組み、アメリカの意向を受けて導入したいきさつがあります。ヒロシマ、ナガサキの民間人大虐殺からくる日本人の「原子力アレルギー」をそのままにしておいてはアメリカの影響力行使に重大な支障を及ぼすとの懸念から、「原子力の平和利用」というイメージをすり込むことにし、エネルギー不足に悩む日本に「夢のエネルギー源」として原発を導入させることにしました。その時のアメリカの“代理人”として白羽の矢を立てたのが、中曽根、正力というタヌキたちでした。
日本での原発による最初の電力は、45年前の1970年、大阪万博の会場に関西電力によって供給されました。その後は、次々に原発が建設され50基を優に上回る「原発大国」となったのでした。しかし、原子力の根幹はいまも完全にアメリカに握られたままで、日本には「自由」がありません。原子力は、アメリカのもとで厳重に管理され、植民地のもとでの原子力という状態です。それでも、日本の権力者の奥の院では、「日本もいずれは『核保有国』になる」という野望の炎が揺らめいています。
原子力というものは、日本国内で特殊な「原子力ムラ」を形成しているだけでなく、アメリカの植民地という性格を帯びた微妙で機微に触れる複雑怪奇な「ムラ」なのです。
ローマ法王は、最近の世界の情勢について、「『新しい植民地時代』がはじまったといえる」と言いました。その例として、EU(欧州共同体)におけるギリシャを暗に例示しています。事実、ドイツやフランスなどの強い国が、財政基盤の弱いギリシャなどを借金漬けにし、借金返済の形で搾り取る方式が世界の人が見ている前で堂々と行われています。
日本は、辺野古にアメリカ軍のため最新鋭の基地を造って差し上げます。日本人の税金を使って造ります。安倍政権は、「中国の脅威に対抗し日本の安全を守るために必要」といいますが、アメリカにとっては、アメリカの太平洋の防波堤を日本に果させることが一義的に重要な戦略です、日本が中国ともめたときは、「日本独自で解決しなさい」という考えであることはアメリカ自身が繰り返し言明しています。
安全保障問題ばかりでなく、日本の政治、経済の根幹はアメリカの強い意向によって左右されています。戦後70年も経ったいまですら、「日本は本当の独立国ではない。アメリカに追従する『属国』だ」と、世界から見られています。
日本にとって重要なことは、安保条約に基づく「地位協定」と、それによって具体的に運営されている月2回の日米合同委員会で決められます。日本側各省庁のその会議への出席者が、その後栄進して日本の中枢の権力を握るシステムが定着しています。
日本は占領政策に終わりを告げるサンフランシスコ講和条約によって、表向き独立した形をとってきました。しかし、沖縄に象徴されるようにその後もずっとアメリカの属国であり続けました。冷戦下では当時のソ連など東側からの楯とされ、安全保障面からばかりでなく、経済面でもアメリカの紙切れに過ぎない「米国債」を買わされ続け、莫大なカネをアメリカに貢いできました。
日本は財政に苦しんでいるのだから、溜め込んだ米国債を売却してカネを捻出すればいいようなものですが、その売却はアメリカさまがお許しになりません。ただ、金庫の中で積み上げられたまま、何の役にも立たないのです。日本の為政者たち(官僚を含む)は、日本人が稼いだ金を、植民地の宗主国アメリカさまに「年貢」として収めることをよしとしているのです。
これが戦後70年の節目に明らかにせざるを得ない「日本が誇るべき姿」の実態です。
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