http://www.asyura2.com/15/senkyo190/msg/427.html
Tweet |
不起訴の根拠は「お粗末な数値」 政府が東電をかばい立て?〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150810-00000011-sasahi-soci
AERA 2015年8月17日号より抜粋
福島第一原発事故を巡って告訴・告発された東電関係者に対し、東京地検が2度も下した「不起訴処分」の決定。科学的裏付けのない数字を根拠にしていた。
「想定を大きく超える津波だった」
ブルーの作業着姿で記者会見した東京電力の清水正孝社長(当時)は、そう言い切った。福島第一原子力発電所で1号機が爆発した翌日の2011年3月13日、まだ調査が十分でない段階でのことだ。以来、東電はずっとそう主張し続けている。
だがそれは、本当なのか。先月31日、東京第五検察審査会は、東電の勝俣恒久元会長と、原発を担当していた武藤栄、武黒一郎の両元副社長の3人を、業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴すべきだとする議決を公表した。大津波は東電社内で想定されており、事故を防ぐことはできたというのだ。東京地検が2度にわたって「犯罪の嫌疑は不十分である」と不起訴にした判断を覆した。
福島第一原発事故は、10万人以上の人々を故郷から追いたてた世界史に残る「公害事件」だ。発生から4年以上も経過したいま、事故の責任が初めて刑事裁判で問われることになる。
勝俣元会長らを告訴・告発していた福島原発告訴団の弁護士らは、「不起訴に終わったら、福島第一原発事故の真の原因が永久に闇に葬られたと思う」としたうえで、こう話した。
「事故のあと、東電をかばい立てする動きが政府にも検察にもあった。それを明らかにする刑事裁判になるんじゃないか」
「かばい立て」とは一体、どういうことなのか。
検察審査会は、くじで選ばれた市民11人が、検察が不起訴と判断した事件について、本当に不起訴でいいのかどうか、弁護士の助言も得て市民の視点から判断する。今回の強制起訴については、理詰めで不起訴とした検察による「プロの判断」を、市民が「感情論」で覆した、ととらえた人も多いようだ。
しかし、それは誤りで、むしろ検察審査会の判断のほうが理にかなっている。
大きな争点の一つは、政府の地震調査研究推進本部(地震本部)が02年に「福島県沖を含む日本海溝で発生する」と予測した津波についての考え方だ。
東電は08年には、このタイプの津波が従来の予測5.7メートルを大きく超える15.7メートルになると計算していた。一方で、敷地の高さ(10メートル)を超える津波が襲来する確率は10万年から100万年に1回で、とても低いという計算もしていた。
東京地検のプロたちは、「確率は低い」という東電の計算を信じていたらしい。不起訴の際は、この数値を具体的に示して「回避する義務があったとは認められない」と説明している。「わずかな可能性を考えたらきりがない」「万が一に備えよというのは酷だ」と考えたらしい。
この確率が「本物」ならば、検察の言い分もわかる。ところがこの確率には、実は科学的な裏付けがない。「地震がどこで起きると考えるか」「規模はどのくらいか」などを、主に電力会社の社員らにアンケートした結果をもとにした数値だからだ。この方法には、アンケートを実施した土木学会内部でさえ「地震学者以外は、専門的知識がベースになっていないのでは」と批判があったことが土木学会の部会議事録に残っている。
東京地検の「不起訴」は、そんなお粗末な数値を根拠の一つにしていたのだ。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK190掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。