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2015年 08月 10日
昨日8月9日は長崎原爆の日。長崎も、広島と同じく原爆投下から70年を迎えた。(・・)
広島市長は、やや保守系であるためか、平和宣言で、安保法案などに触れることは避けたのであるが。
長崎の田上市長は、市民からの要望の応えて、昨年の平和宣言では、7月に安倍内閣が集団的自衛権行使を認める憲法解釈の変更の閣議決定を行なったことを批判。
今年は、安保法案に関して言及し、「日本国憲法の平和の理念が、今揺らいでいる」との懸念を示して、慎重な審議を求めた。(**)
また、被爆者代表の谷口稜曄さん(86)も「平和への誓い」で安保関連法案に反対し「被爆者をはじめ平和を願う多くの人々が積み上げてきた核兵器廃絶の運動、思いを根底から覆すもので、許すことはできない」とアピール。
式典後、被爆代表は、安倍首相に会って、改めて安保法案を撤回するように訴えたものの、議論がかみ合わなかったという。(-_-;)
この記事には、式典や市長、被爆者の訴えに関する記事と、長崎市長の平和宣言(全文)をアップする。(++)
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『長崎は9日、米軍が原爆を投下してから70年の「原爆の日」を迎え、長崎市の平和公園で平和祈念式典が開かれた。田上富久市長は平和宣言で、国会で審議が進む安全保障関連法案に言及し、政府と国会に「慎重で真摯(しんし)な審議」を求めた。一方、安倍晋三首相は、広島の式典で触れなかった非核三原則について「堅持する」と述べた。
式典には被爆者や遺族ら約6800人が出席。過去最多となる75カ国の代表も出席し、米国からはガテマラー国務次官が政府高官として初参列した。出席者は原爆投下時刻の午前11時2分から1分間、黙とうをささげた。
田上市長は、平和宣言で「日本国憲法における平和の理念は、つらく厳しい経験と戦争の反省の中から生まれ、長崎にとっても、日本にとっても、永久に変えてはならない原点」と強調。被爆体験だけでなく、空襲や沖縄戦、アジアの人々を苦しめた戦争の記憶を語り継ぐよう訴えた。安保関連法案については「70年前に心に刻んだ誓いが、今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっている」と指摘した。
また、各国首脳に被爆地訪問を呼びかけ、日本政府には核抑止力に頼らない安全保障の検討や被爆者援護の充実、被爆者健康手帳が取得できる被爆地域の拡大を求めた。
被爆者代表の谷口稜曄(すみてる)さん(86)も「平和への誓い」で安保関連法案に反対し「被爆者をはじめ平和を願う多くの人々が積み上げてきた核兵器廃絶の運動、思いを根底から覆すもので、許すことはできない」と語った。(毎日新聞15年8月9日)』
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『安倍晋三首相は9日、長崎の被爆者5団体と長崎市で面会した。平和祈念式典で田上富久・同市長が述べた「平和宣言」に続き、ここでも安全保障関連法案への強い懸念が被爆者団体から示された。安倍首相は「戦争を未然に防ぐためのもの」と従来通りの見解を述べ、議論はかみ合わないままだった。
式典は面会に先立ち、同市内で開かれた。田上市長が平和宣言で、政府や国会に安全保障関連法案の慎重な審議を求めると、参列者から拍手が起きた。被爆者代表の谷口稜曄(すみてる)さん(86)が法案を「許すことはできない」と述べた場面でも、拍手が続いた。
昨年の平和宣言でも田上市長は、集団的自衛権の行使容認について「不安と懸念が、急ぐ議論の中で生まれている」と指摘し、こうした声に耳を傾けるよう政府に強く求めた。(朝日新聞15年8月9日)』
『 安倍晋三首相は9日、長崎市で記者会見し、田上富久市長が平和宣言で慎重審議を求めた安全保障関連法案について「戦争を未然に防ぐためのもので、国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくために必要不可欠なものだ」と強調した。
同時に「外交を通じて平和を守っていくことが重要なのは言うまでもない。今後とも積極的な平和外交を進めていく」と説明。一方で日本をめぐる安保環境が厳しさを増しているとして「万が一への備えを怠ってはいけない」と理解を求めた。新たな安保法制の整備が戦争につながるとの指摘については「私たち日本人は、誰ひとりとして戦争など望んでいない」と反論。(共同通信15年8月9日)
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『長崎平和宣言全文
昭和20年8月9日午前11時2分、一発の原子爆弾により、長崎の街は一瞬で廃虚と化しました。
大量の放射線が人々の体をつらぬき、想像を絶する熱線と爆風が街を襲いました。24万人の市民のうち、7万4000人が亡くなり、7万5000人が傷つきました。70年は草木も生えない、といわれた廃虚の浦上の丘は今、こうして緑に囲まれています。しかし、放射線に体を蝕(むしば)まれ、後障害に苦しみ続けている被爆者は、あの日のことを1日たりとも忘れることはできません。
原子爆弾は戦争の中で生まれました。そして、戦争の中で使われました。
原子爆弾の凄(すさ)まじい破壊力を身をもって知った被爆者は、核兵器は存在してはならない、そして二度と戦争をしてはならないと深く、強く、心に刻みました。日本国憲法における平和の理念は、こうしたつらく厳しい経験と戦争の反省の中から生まれ、戦後、我が国は平和国家としての道を歩んできました。長崎にとっても、日本にとっても、戦争をしないという平和の理念は永久に変えてはならない原点です。
今、戦後に生まれた世代が国民の多くを占めるようになり、戦争の記憶が私たちの社会から急速に失われつつあります。長崎や広島の被爆体験だけでなく、東京をはじめ多くの街を破壊した空襲、沖縄戦、そしてアジアの多くの人々を苦しめた悲惨な戦争の記憶を忘れてはなりません。
70年を経た今、私たちに必要なことは、その記憶を語り継いでいくことです。
原爆や戦争を体験した日本、そして世界の皆さん、記憶を風化させないためにも、その経験を語ってください。
若い世代の皆さん、過去の話だと切り捨てずに、未来のあなたの身に起こるかもしれない話だからこそ伝えようとする、平和への思いをしっかりと受け止めてください。「私だったらどうするだろう」と想像してみてください。そして、「平和のために、私にできることは何だろう」と考えてみてください。若い世代の皆さんは、国境を越えて新しい関係を築いていく力を持っています。
世界の皆さん、戦争と核兵器のない世界を実現するための最も大きな力は私たち一人ひとりの中にあります。戦争の話に耳を傾け、核兵器廃絶の署名に賛同し、原爆展に足を運ぶといった一人ひとりの活動も、集まれば大きな力になります。長崎では、被爆2世、3世をはじめ、次の世代が思いを受け継ぎ、動き始めています。
私たち一人ひとりの力こそが、戦争と核兵器のない世界を実現する最大の力です。市民社会の力は、政府を動かし、世界を動かす力なのです。
今年5月、核不拡散条約(NPT)再検討会議は、最終文書を採択できないまま閉幕しました。しかし、最終文書案には、核兵器を禁止しようとする国々の努力により、核軍縮について一歩踏み込んだ内容も盛り込むことができました。
NPT加盟国の首脳に訴えます。
今回の再検討会議を決して無駄にしないでください。国連総会などあらゆる機会に、核兵器禁止条約など法的枠組みを議論する努力を続けてください。
また、会議では被爆地訪問の重要性が、多くの国々に共有されました。
改めて、長崎から呼びかけます。
オバマ大統領、核保有国をはじめ各国首脳の皆さん、世界中の皆さん、70年前、原子雲の下で何があったのか、長崎や広島を訪れて確かめてください。被爆者が、単なる被害者としてではなく、“人類の一員”として、今も懸命に伝えようとしていることを感じとってください。
日本政府に訴えます。
国の安全保障は、核抑止力に頼らない方法を検討してください。アメリカ、日本、韓国、中国など多くの国の研究者が提案しているように、北東アジア非核兵器地帯の設立によって、それは可能です。未来を見据え、“核の傘”から“非核の傘”への転換について、ぜひ検討してください。
この夏、長崎では世界の122の国や地域の子どもたちが、平和について考え、話し合う、「世界こども平和会議」を開きました。
11月には、長崎で初めての「パグウォッシュ会議世界大会」が開かれます。核兵器の恐ろしさを知ったアインシュタインの訴えから始まったこの会議には、世界の科学者が集まり、核兵器の問題を語り合い、平和のメッセージを長崎から世界に発信します。
「ピース・フロム・ナガサキ」。平和は長崎から。私たちはこの言葉を大切に守りながら、平和の種をまき続けます。
また、東日本大震災から4年が過ぎても、原発事故の影響で苦しんでいる福島の皆さんを、長崎はこれからも応援し続けます。
現在、国会では、国の安全保障のあり方を決める法案の審議が行われています。70年前に心に刻んだ誓いが、日本国憲法の平和の理念が、今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっています。政府と国会には、この不安と懸念の声に耳を傾け、英知を結集し、慎重で真摯(しんし)な審議を行うことを求めます。
被爆者の平均年齢は今年80歳を超えました。日本政府には、国の責任において、被爆者の実態に即した援護の充実と被爆体験者が生きているうちの被爆地域拡大を強く要望します。
原子爆弾により亡くなられた方々に追悼の意をささげ、私たち長崎市民は広島とともに、核兵器のない世界と平和の実現に向けて、全力を尽くし続けることを、ここに宣言します。
2015年(平成27年)8月9日 長崎市長 田上富久』
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長崎からだけでなく、日本全国から「ピース・フロム・ジャパン」を世界に訴えて行くためにも、安保法案を潰さなければと、改めて強く思うmewなのだった。o(^-^)o
<今月中に安倍内閣の支持率を20〜30%台に、不支持率を50〜60%にできれば、かなり流れが変わると思うんだけどな〜。(・・)>
THANKS
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