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2015-08-09 08:52:19
長崎市長の田上富久さんは本日の平和宣言で、安倍首相を目の前に安保法制に触れ、「平和の理念が揺らいでいる。国民の声に耳を傾け、慎重審議を」と、厳しく注文をつけました。世界の人の前で、安倍政治の根幹を難詰したことになります。田上市長の宣言は、語り継ぐことの重要性を強調したものでもあります・
安倍首相は今月8月14日に、「安倍談話」を公表しますが、伝えられるところによると、「お詫び」というキーワードは意識的に使わないそうです。安倍氏にしてみれば、「先の大戦はやむを得ず起こさざるを得なかったもので、日本が悪いわけではない。むしろ、欧米列強のくびきからアジアの国々を解放する“正義の戦争”だった。お詫びする必要はない」というところでしょう。
つまり、東京裁判を否定し、「日本は正しかった」という主張です。「お詫び」しないということは、東京裁判の結果を引きずってきた歴史をひっくり返す狙いがあります。この「修正史観」がまかり通れば、これからの教科書では、しだいに「日本は正義の戦争をした。アジア諸国を欧米列強の植民地支配から解放した」というように改められるのは間違いないでしょう。
安倍氏は、「安保法制は日本人の生命や安全、幸福追求の権利を守るために必要」と繰り返しています。その実、アメリカの尻にくっついて、地球の裏側まで軍隊を派遣することを狙っています。
なぜか。軍事増強と武器弾薬の費消が、これからの経済活性化の肝になると財界筋から強く要望されているからです。経団連をはじめとする日本の主力企業は、資本主義が成熟し、今では利益を上げにくくなってきたことに危機感を持っています。つまり、アメリカがすでに進んできた道を、日本も通らざるを得なくなったという判断です。
それがさらに進めば、日本も「核武装」という選択すら現実化しかねません。
核廃絶と、現在の安倍政権が強引に進めようとしている安保法制は、表裏一体のものです。だから、核廃絶を主張するなら、戦争準備法案廃絶とセットで主張すべきはずのものです。
本日の平和祈念式典で、田上・長崎市長は、「安保法制によって、平和の理念が揺らいでいる」と指摘します。松井一実・広島市長は、平和宣言の中で安保法制には一語も触れませんでした。松井市長は、明らかに政権寄りであり、政権に都合の悪いことはできるだけ触れないようにするという自己規制というか、「忖度(そんたく)」があると言えます。そうした、自ら言論の自由を狭める行為がいま、どれほど世論をミスリードしていることか。
世界の人の前で、安倍首相の安保法制を批判することこそが、「言論の自由」を身をもって示すことであり、日常的に「言論の自由」を生かすことと言えないでしょうか。
たとえ、安倍首相が世界の人の前で恥をかくとしても、それは身から出たサビです。
*お断り : 本日のブログは午前9時の発信です。平和式典自体はこの後、10時半からだから、記事には一部先行部分があります。
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