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2015年08月08日
SEALDsといい、世界水泳の渡部香生子、星奈津美といい、日本の女性は、本当に賢く、根性があり、忍耐強く、それでいて勇気がある。「勇気」と云う日本語は“死語であり、「勇気」の”勇ユウ“はとは「マの下に女」と書く変えたいくらいである。「女気」は芯が強いが、「男気」は空威張りが多いことからも、「勇気」の漢字から、男は除く方が漢文的に正しいような昨今だ。普通の人が、恐怖、不安、躊躇、あるいは恥ずかしいなどと感じる事を恐れずに信念を貫き向かっていく積極的で強い心意気のことだと思うが、権力者が、恐怖も躊躇いもなく、妄念を貫くのは「勇気」とは言わないだろう。
戦争法案で騒がしい永田町、戦争法反対運動で盛り上がる議事堂周辺。なんとも言えない、不穏な出来事の予兆が交錯している時代は、意外にも歴史を振り返った時、現在の安倍政権下で“闇の仕事人”である霞が関組織が、思う存分に、思い上がった法案を通過させたり、“闇の仕事人”の親戚組織を通じて、プルトニウム温存に舵を切ったようだ。安倍のノータリンを良いことに、悪事の限りを尽くしているようで、「刑事司法改革の関連法案」が忍者のような音なしの構えで、オーエルの『1984年』世界の実現を目指している。あきらかに、霞が関は「警察国家」を目指している。
この「警察国家」の延長線上に「戦争法案」もあるだろうし、おそらく「徴兵制」も、次の延長戦なのだ。既に、相当数の自衛隊退職者が出ている模様だ。安倍政権になってから、防衛と名は借りているが、「人を躊躇なく殺す訓練」を隠密にスタートさせたようだし、話題になった、“戦死を想定した“遺書”の強制や家族連絡カードへの記入の義務化”が決定している。安保法制成立後、直ちに「軍事行動」のミッション(アフガン、イラク、ソマリア)への海外派兵が視野にまであるようだ。
安倍二次内閣以前から、自衛官の応募状況は振るわなかったようだが、安倍二次政権の発足と戦争法案の閣議決定で、退職者も増加傾向を見せており、「自衛官不足」は危機的状況の入り口にある。この既に起きている自衛官不足は、現役の一人一人の自衛官の業務負担が日増しに増加し、更に、退職者の増加が危ぶまれている。象徴的には、防衛大卒業生の任官拒否者が、俄然増えている事実だ。ネット上で、高校生対象の自衛官説明会資料が一斉送付され、「赤紙が来た!」と話題になった記憶もある。広告会社が絡んだイメージ戦略も盛んで、AKB48や檀蜜起用で、安倍並みの若者がいるに違いない作戦が展開されている。
それでなくても、3Kやブラックバイト仕事は、ニートになっても、避けようとする本人、無職でも食うくらいは大丈夫の親世代がいるのだから、まだまだ、アメリカ並みの格差社会の構築が完全ではない日本は、最終的に、もっと明確な格差社会の実現に知恵を絞る。食うや食わずにならないと、平和ボケの日本の若者を自衛官にさせることは出来ないと判断している。安倍が口にする「津々浦々」は滴り落ちる樹液(受益)ではなく、実は貧困がその配るプレゼントと云うことだ。
上記の自衛官募集の中身も、経済的メリットの羅列で、無知な高校生や若者を狙っている。家賃も食費も光熱費も只だ。10年後給与は34万円以上。挙句に、奨学金延滞者のインターンシップ制度導入まで画策。借金払えないのなら、身体で払えって考えのようだ。徴兵制度を廃止した国は、総じて、貧困層の増産に熱心だ。アメリカが典型的だが、自己決定権で入隊したように誘導する社会状況を醸成する方法を取っている。しかし、これらを安倍や、その取り巻きたちが考えたと云うのは冗談で、全部霞が関が絵図を書いている。この点も、我々は見逃さないようにしたいものだ。
徴兵制度は、「自由と民主主義」を標榜する国家にとって、盾と矛の関係にあるのだから、何とか、自発的に「国民が自分の国を守るのは義務だ」と云う、反自由主義的感覚を薄め、自主性を強調する方が受けがいい。その為には、貧乏人の量産が、イコール入隊希望者増に繋がる。これは、一見、自由の意思決定で、「自由と民主主義」に親和的だ。つまり、徴兵的強制を伴わないようにするには、格差社会の醸成は、官僚たちにとって、一つの目標でもある。まあ、現状は、その官僚らの思う壺な方向で進捗している。
今回の安倍晋三の「戦争法案」の社会に与える影響は、単に日米安保、自衛隊、海外派兵、戦争、徴兵と云うイメージのほかにも、衣の下には、色んな色の鎧が見え隠れしている。筆者は、安倍は、自衛隊の海外派兵だけを目標に、その妄信の実現に邁進しているが、その妄信を利用して、もっともっと、怖ろしい国家の形を描いている連中がいることを、忘れるべきではない。それが、霞が関の組織だ。彼らは、如何にも安倍の要求通りに事を運んでいるような顔をして、実は、自分たちの描く国家像に向かう方向の法案や条文や条項を埋め込んでいる。
これは、あまりに多岐にわたり、余程の研究者でも、総体的な霞が関好みのシステムの再構築がなされているのか、おそらく究明しかねるだろう。無論、筆者に出来る筈もない。ただ、肌感覚で、この法案も「臭いな」と云うものを、常にウォッチするのが関の山だ。その中で、形が自衛官の補充方法と同様に見えてきている、「警察国家法案」が衆議院でドサクサまぎれに通過した“刑事司法改革の関連法案”だ。これを説明する気力はないので、ビデオニュースドットコムの解説記事を引用しておく。
≪ 焼け太りの盗聴法改正に待った!
1999年、すったもんだの末に何とか可決に漕ぎ着けた盗聴法という妖怪が、16年の年月を経て、再び永田町、霞ヶ関周辺を跋扈し始めている。
集団的自衛権をめぐり大きく揺れる国会の陰で、警察の盗聴権限を大幅に拡大する盗聴法の改正案の審議が進んでいるのだ。
そもそも今国会で審議されている刑事訴訟法の改正案は、村木厚子・厚労省雇用均等・児童家庭局局長(当時・現在は厚労事務次官)に対する証拠改ざん事件や、志布志事件、布川事件、足利事件などの冤罪事件が相次いだことを受けて、警察や検察の取り調べの可視化を進める必要があるとの共通認識の元で議論が始まったものだった。
民主党政権下で設けられた「検察のあり方検討会」には、元検事の郷原信郎氏やジャーナリストの江川紹子氏らが委員として参加し、取り調べの可視化の必要性を強調する報告書がまとめられていた。ところが、検討会の議論を引き継ぐ形で設置された法相の諮問機関である法制審議会の特別部会には「新時代の刑事司法制度特別部会」などといった名称が与えられ、取り調べの可視化と並行する形で、盗聴法や司法取引といった警察や検察により強い捜査権限を与える施策が議論されるようになった。
最終的に肝心要の可視化の方は裁判員裁判の対象事件と検察の特捜部が取り扱う事件に限定されることになった。これは刑事事件全体の2〜3%程度でしかない。97%の刑事事件では依然として弁護士の立ち会いもない状態の下で密室の取り調べが続くことになった。
可視化が極度に限定されたものにとどまる一方で、その交換条件のような形で出てきた捜査権限の強化は、盗聴権限の拡大と司法取引の導入がしっかりと刑事訴訟法の改正案に含められ、今国会に提出されている。審議日程上、微妙なところもあるが、1999年の盗聴法導入時と比べ、主要マスコミに法改正の問題点を指摘する報道がほとんど見られないことや、市民社会の目が安保法制の方に向いていることなどから、法案は今国会で可決する可能性が高い。
刑事訴訟法の改正案が謳う盗聴権限の拡大は、盗聴対象となる犯罪の種類をこれまでの4類型から13類型に増やすことと、これまで警察が令状を得た上で実際に盗聴を行うためには通信事業社に出向いていく必要があったところを、改正案ではネット回線を通じて全国の警察署に居ながらにして、通話の盗聴が可能になる点に集約される。
具体的にはこれまで薬物犯罪、銃器犯罪、集団密航、組織的殺人の4種類の犯罪のみが盗聴の対象だったところに、窃盗や詐欺など新たに9種類の犯罪を加えるとしている。また、警察署内からの盗聴が可能になることで、これまで盗聴の現場で要求されていた通信事業者の職員の立ち会いが不要になる。警察署の中で、警察官だけが知るところで盗聴を行うことが可能になる。
形式上は盗聴した通話はすべて録音され、裁判所に提出されなければならないとされている。しかし、盗聴権限の拡大に批判的な関東学院大学名誉教授の足立昌勝氏は、警察が盗聴したすべての通話を録音するかどうかも、また通話を記録したメディア媒体をすべて裁判所に提出する保障がないため、濫用の危険性が排除できないと指摘する。
そもそも日本における犯罪は2003年以降、全体として減少傾向にあり、今急いで捜査権限を拡大しなければならないような治安状況にあるわけではない。盗聴は、盗聴されていることが分からないから盗聴なのであり、本質的に濫用の危険性を伴う。また、憲法で保障されている通信の自由にも抵触する可能性がある。
このようにリスクも大きく人権上も問題の多い盗聴権限を、なぜ今急いで拡大する必要があるのか。警察は多発するオレオレ詐欺に対抗するためには盗聴が有効だと説明する。しかし、そもそも組織的な詐欺を働こうという犯罪集団が、犯行に関わる重要な情報を電話でやりとりするとは到底考えにくい。
一方で、盗聴法の改正によって警察署に設置されることになる盗聴用のPCは、特定電子計算機などと呼ばれ、1台あたり10〜30億円のコストが見込まれているという。盗聴件数が増えれば、当然、盗聴作業に従事する捜査官の数も増員が必要となる。これが警察による新たな利権とポスト拡大につながることは想像に難くない。
警察による盗聴権の拡大はわれわれ市民社会にどういう影響を及ぼすのか。警察権力が肥大化することによって、市民はどのような不利益を受けるの か。そもそもの発端である刑事司法改革が捜査権限の拡大につながってしまっている現状とそこに含まれる盗聴法改正案、新たに導入される司法取引の問題などについて、ゲストの足立昌勝氏とともにジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
≫(マル激トーク・オン・ディマンド 第742回(2015年6月27日):ゲスト足立昌勝氏(関東学院大名誉教授))
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