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迷走の果て、最悪の形で終わることになる「70年談話」問題
http://new-party-9.net/archives/2427
2015年8月7日 天木直人のブログ 新党憲法9条
どうやら、「70年問題」は最悪の形で終わることになりそうだ。
もちろん、安倍首相と安倍政権を支援する側にとっては、それは最良の形で終わるということになる。
少なくとも「70年談話」問題に関しては安倍首相はうまく乗り切りそうだ。
なぜ私がそのように思うか。
それは安倍首相が有識者懇談会報告書のいいとこどりをして、それを閣議決定して「安倍談話」にすることが確実になったと思うからだ。
きのう8月6日に提出された、長ったらしい報告書は、ひとことでいえば、一方において過去の侵略戦争が関係国に多大の迷惑をかけた事を明確に認め、他方において、「積極的平和主義」を全面的に押し出して未来志向の外交・安保政策を強調するものだ。
安倍首相は、この報告書の文言を巧みに使い、過去の歴史認識問題に関しては限りなく村山談話に近いものとしながら、安倍談話の主眼をあくまでも未来志向の部分に置いて、それを強調するだろう。
そして、ここが最も重要なところであるが、それを閣議決定して安倍政権の談話として発表する。
その結果何が起きるか。
村山談話とそれを踏襲した小泉談話は、8月14日以降、安倍談話にとってかわられることになる。
これからは村山談話は二度と口にされることなく、安倍談話が今後の日本政府の公式見解となって、ことあるごとに引用されることになる。
これこそが安倍首相がはじめから望んでいたことだったのだ。
すなわち村山談話を自分の手で過去のものとして葬り去ることである。
もちろん中国や韓国は不満を述べるだろう。
しかし、過去の問題については、ほとんど村山談話と同じだから、激しく非難することはできない。
積極的平和外交に関しては、それが未来志向の日本の外交・安保政策である以上、正面切って批判することなどできはしない。
米国はもちろん歴史認識の部分に着目して、安倍首相が米国の要求に耳を傾けたとして歓迎するだろう。
積極的平和主義については、米国の要求通りだから満点だ。
残るは、村山談話の支持者たちである。
彼らは、村山談話と、それを踏襲した小泉談話こそ、世界が受け入れた日本政府の見解であるから、それを安倍首相の手で書き換えることは許されないと批判するだろう。
彼らは決して安倍談話を認めないだろう。
かくして日本は、安倍談話を歓迎する者たちと、村山談話こそ日本の方針だとする者たちが対立したまま、二つの談話がいつまでたっても並存して、その正当性について議論が残ることになる。
それはそのまま、この国の自民党支持者と護憲・左翼支持者の対立として残る。
今から振り返れば、迷走した安倍首相が、閣議決定を断念して個人的談話とする話が、一時的にせよ、報じられた時があった。
私はそれを歓迎して、もし安倍首相がそんなことを考えているとしたらあまりにも愚かだと笑った。
余計なことを書いて安倍首相を挑発した。
それを知ってか知らずか、安倍首相は閣議決定して村山談話を上書きすることに決めたとしたら、安倍首相は馬鹿ではなかったということだ。
私は今でも、やはり安倍首相は馬鹿だった、と終ることを期待したい(了)
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