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2015年08月07日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆米空軍B29「エノラゲイ」が1945年8月6日午前8時15分、広島市に原爆投下してから70年を迎えた8月6日、安倍晋三首相は、「平和記念公園」で開かれた平和記念式典に出席して、あいさつし、「核兵器のない世界」の実現に向けて、一層の努力を積み重ねていく決意です。この決意を表明するため、本年秋の国連総会では新たな核兵器廃絶決議案を提出いたします」と述べた。
しかし、日本は非核保有国でありながら、日米安全保障条約に基づく「日米同盟」関係を結んでいて、「米国の核の傘」に守られていることから「準核保有国」である。また、原発51基を持ち、「潜在的核保有国」であると言われているので、「本年秋の国連総会では新たな核兵器廃絶決議案を提出いたします」と力説しても、説得力は低い。「核兵器のない世界」を実現したいと言っても、「核兵器製造技術を温存する」ために、原発再稼動政策を続けようとしていることが明らかであり、本気性がまったくなく、空念仏に聞こえる。
◆それどころか、安倍晋三首相は、「安全保障法制整備関連法案」を今延長国会(会期末9月27日)で「60日ルール」を使ってでも、成立させようと鼻息荒く取り組んでいて、「あいさつ」のなかで「非核3原則」に言及すらしなかった。これは、「核武装」への誘惑を断ち切っていないのではないかという疑念を招いている。
安倍晋三首相は、平和記念式典の後、広島の被爆者7団体の代表と面会した際、「法案撤回」を求める要望書を手渡された。だが、これに対して、「日米同盟が完全に機能すると発信することで、紛争を未然に防ぐ」と述べ、取りつく島もなく一蹴した。
◆中谷元防衛相は8月5日午前の参院平和安全法制特別委員会で、自衛隊による核ミサイルの輸送を「法文上は可能だ」と明言したばかりか、毒ガス兵器の輸送についても「できる」との見解を示している。民主党の白真勲参院議員の質問に対する答弁である。
また、安倍晋三首相を支えている若手国会議員のなかには、武藤貴也衆院議員(1979年5月25日生まれ。滋賀4区選出、当選2回、「為公会」麻生派所属)のように、原発再開稼動推進、憲法改正や自主防衛、核武装論者が増えており、「核兵器のない世界」の実現が、ますます遠のいている感が強い。
【参考引用】http://www.asahi.com/articles/ASH855GTPH85UTFK00H.html
朝日新聞DIDITALは8月6日午後1時17分、「平和記念式典の安倍首相あいさつ全文 広島被爆70年」という見出しをつけて、以下のように配信した。
本日ここに、被爆七十周年の広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式が挙行されるに当たり、原子爆弾の犠牲となられた数多くの方々の御霊(みたま)に向かい、謹んで、哀悼の誠を捧げます。そして、被爆による後遺症に、今なお苦しんでおられる方々に対し、衷心よりお見舞いを申し上げます。
あの朝から七十年が経ちました。ここ広島に投下された一発の原子爆弾により、十数万にものぼる幾多の貴い命が奪われ、街は廃墟(はいきょ)と化しました。惨禍の中、一命をとりとめた方々にも、言葉に尽くしがたい辛苦の日々をもたらしました。
今、広島の街を見渡すとき、この水の都は、たくましく復興し、国際平和文化都市へと変貌(へんぼう)を遂げました。被爆から七十年を迎えた今朝、私は、改めて平和の尊さに思いを致しています。
我が国は唯一の戦争被爆国として、現実的で実践的な取組を着実に積み重ねていくことにより、「核兵器のない世界」を実現する重要な使命があります。また、核兵器の非人道性を世代と国境を越えて広める務めがあります。
特に本年は、被爆七十年という節目の年であります。核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議では、残念ながら、最終合意には至りませんでしたが、我が国としては、核兵器国と非核兵器国、双方の協力を引き続き求めつつ、「核兵器のない世界」の実現に向けて、一層の努力を積み重ねていく決意です。この決意を表明するため、本年秋の国連総会では新たな核兵器廃絶決議案を提出いたします。
八月末には、包括的核実験禁止条約賢人グループ会合並びに国連軍縮会議が、更に来年には、G7外相会合が、ここ広島で開催されます。これらの国際会議を通じ、被爆地から我々の思いを、国際社会に力強く発信いたします。また、世界の指導者や若者が被爆の悲惨な現実に直に触れることを通じ、「核兵器のない世界」の実現に向けた取組をさらに前に進めてまいります。
今年、被爆者の方々の平均年齢が、はじめて八十歳を超えました。高齢化する被爆者の方々に支援を行うために制定された「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」も、施行から二十年を迎えました。引き続き、保健、医療、福祉にわたる総合的な援護施策を、しっかりと進めてまいります。特に、原爆症の認定につきましては、申請された方々の心情を思い、一日も早く認定がなされるよう、審査を急いでまいります。
結びに、亡くなられた方々のご冥福と、ご遺族並びに被爆者の皆様のご多幸をお祈り申し上げるとともに、参列者並びに広島市民の皆様のご平安を祈念いたしまして、私のご挨拶(あいさつ)といたします。
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