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戦後70年談話に「お詫び」はいらない 米海軍あ然、中国「新鋭巡視船」驚きの戦法 ケインズ週15時間労働の世界は
http://www.asyura2.com/15/senkyo190/msg/228.html
投稿者 rei 日時 2015 年 8 月 06 日 09:48:54: tW6yLih8JvEfw
 

戦後70年談話に「お詫び」はいらない

重要なのは東アジアの「力の均衡」を守ることだ

2015.8.6(木) 池田 信夫
安倍首相、新国立競技場の「計画白紙」を決断

安倍首相はどんな戦後70年談話を発表するのか?首相官邸で記者団の取材に応じる安倍首相(2015年7月17日撮影、資料写真)。(c)AFP/KAZUHIRO NOGI〔AFPBB News

 安倍首相が発表する戦後70年の談話について、政府は閣議決定して8月14日に発表する方針だという。また例によって「侵略」や「お詫び」ばかり話題になっているが、そういう後ろ向きの話は、戦後50年談話で終わった話だ。

 過去の戦争を謝罪するより大事なのは、未来の戦争を防ぐことだ。国会では、野党は日本が戦争を起こすリスクばかり問題にしているが、他国から攻撃されるリスクはどう考えているのか。憲法を守って世界平和を願っていれば、戦争は起こらないと思っているのか。

日本軍の最大の罪は中国に共産党政権をつくったこと

 1995年8月15日に出された戦後50年談話(いわゆる村山談話)は、たまたま社会党の委員長が首相になった時期に、彼の特殊な歴史観を反映して出されたため、それまでの政府見解とはニュアンスの異なるものになっている。

 わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。

 もちろんこの談話は閣議決定されたので、村山氏個人の気持ちを述べたわけではないが、「植民地支配と侵略をお詫びする」という表現は、従来の政府見解を超えるもので、自民党からは異論が出た。植民地支配について謝罪や賠償をした国はないからだ。

 今回の首相談話についても有識者会議がつくられ、その座長代理である北岡伸一氏(国際大学学長)は「満州事変以降の戦争は侵略だ」と言ったが、最近は「おわびが足りないというのは日本のマスコミと韓国だけだ」と言っている。

 中国は「歴史の直視」を求めているが、謝罪を求めているわけではない。1964年に社会党の佐々木委員長が訪中して毛沢東主席に謝罪したとき、毛は「謝る必要はない。日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらしてくれた。これのおかげで中国人民は権力を奪取できたのだ」と発言した。

 日本軍は満州から南下して国民党軍と戦ったが、10年以上の消耗戦で国民党は弱体化した。もとは反政府ゲリラにすぎなかった中国共産党は、日中戦争を利用して国民党との内戦に勝ったのだ。日本がお詫びすべき最大の罪は、アジアに巨大な共産主義国家をつくったことである。

「侵略」はヨーロッパの既得権を守る言葉

 侵略や植民地支配が悪だという考え方は、歴史的には新しいものだ。主権国家の概念ができたのは1648年のウェストファリア条約だが、このときは国家と国家の戦争は合法だった。しかし大小さまざまの国家が乱立していたので、その後も戦争が続き、19世紀初めのナポレオン戦争では全ヨーロッパが壊滅的な被害を受けた。

 この戦争を終結させるために1814年に開かれたウィーン会議では、オーストリアの外相メッテルニッヒが、イギリス、オーストリア、プロイセン、ロシア、フランスの5カ国の協調関係を築き、大国の力の均衡で平和を維持するウィーン体制ができた。

 このときも戦争は合法であり、侵略という概念もなかった。しかし19世紀後半、ビスマルクがドイツ帝国を統一し、独仏戦争などで周辺諸国に領土を拡大し始めると、ヨーロッパの力の均衡は崩れ、20世紀の第1次世界大戦に至る。

 日本がアジアでやった戦争は、このときのドイツとよく似ている。第1次大戦には明確な目的があったわけではなく、ドイツが他国を一方的に侵略したわけでもない。偶発的な地域紛争がヨーロッパ全体に拡大しただけだが、結果的にはドイツが全責任を負わされ、ヴェルサイユ条約で過大な賠償を課せられた。

 第1次大戦の反省から、アメリカのウィルソン大統領は軍事力の均衡ではなく国際協調で平和を実現する理想主義を実現する機関として国際連盟を提唱した。だが、肝心のアメリカ議会が連盟加入を批准しなかったため、機能しなかった。1928年には「国際紛争解決のために戦争に訴えることを非難し、国策の手段として戦争を放棄する」という不戦条約が結ばれたが、これも1931年に日本が満州事変で公然と破ったため、空文化した。

 侵略の厳密な定義はないが、不戦条約で他国の領土を侵犯する戦争は違法とされたので、日本が起こした満州事変や日中戦争は侵略と呼ばれる。しかし当時、ヨーロッパ諸国は軍事力でアジア・アフリカ諸国を植民地支配していたが、それは不戦条約の前なので侵略とは呼ばれない。

 このように侵略とはヨーロッパの既得権を守る言葉だから、日中戦争が侵略と呼ばれ、イギリスのインド支配がそう呼ばれないのは、いわば路上駐車が禁止になってから駐車した車と、そういうルールがなかったとき駐車した車の違いのようなもので、前者だけが道徳的に悪いわけではない。

平和を守るのは平和主義ではなく「力の均衡」

 ヨーロッパではこの500年以上ずっと戦争が続いており、20世紀後半以降の70年は、近世以降で最長の平和な期間だった。その原因は不戦条約や日本国憲法(その第1項は不戦条約と同じ)の平和主義ではなく、皮肉なことに核戦争によって史上最大になった戦争の破壊力だった。

 ホッブズ以来の近代政治哲学が指摘するのは、戦争を抑止するのは死の恐怖だということだ。キリスト教徒は死んだら天国に行けると信じていたので、中世には宗教戦争が際限なく繰り返されたが、科学や産業の進歩で社会が世俗化してくると、人々は死を恐れるようになった。

 第2次大戦までは戦争は兵士の行うものであり、その結果として政治家や資本家は領土を獲得できるので、彼らは戦争を好んだ。しかし核戦争では双方の全国民が殺されるので、この相互確証破壊による恐怖の均衡が、結果的には戦争を決定する者と戦場で殺される者の区別をなくし、戦争を抑止する力になった。

 他方、通常戦争は多様化し、国家とゲリラやパルチザンの戦いが増えた。アルカイダや「イスラム国」のようなテロリストとの戦争には、ウェストファリア条約以来の戦争のルールがない。中国や北朝鮮のような独裁国家に対しても、こういうヨーロッパ的な抑止戦略は必ずしも有効ではない。

 こういう非合理的な国を抑止するために必要なのは、現代の戦争はどちらの利益にもならないという価値観の共有である。北朝鮮は絶望的だが、中国や韓国とは(価値観が一致することはないとしても)協調の余地はあろう。

 このような「ソフトパワー」も含めた力の均衡を東アジアで実現し、欧米との国際協調を実現することが日本の役割であり、この意味で日本の地政学的な重要性はかつてなく大きい。戦後70年を機に日本が考えるべきなのは、後ろ向きの「歴史問題」ではなく、このような21世紀の東アジアの秩序をいかに構築するかという問題である。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44479

米海軍があ然、中国「新鋭巡視船」の驚きの戦法とは

「我々はどう対処すべきなのか・・・」

2015.8.6(木) 北村 淳
日本の海上保安庁の大型巡視船「しきしま」。中国がさらに大型の1万2000トン級巡視船を建造しているという(写真:海上保安庁)

「中国海警の新型巡視船は強力である」という人民日報(英文ウェブ版7月29日 )の記事に、アメリカ海軍関係者たちの話題が集中している。

人民日報が衝突戦法を誇示

 人民日報が紹介したのは中国海警の新鋭1万2000トン級巡視船である。その巡視船自体の情報は以前から明らかになっていた。

 これまで世界の沿岸警備隊が用いる巡視船(アメリカでは「カッター」と呼ばれる)のなかで最大の船体を誇っていたのは、日本の海上保安庁が運用している「しきしま型巡視船」(PLH-31しきしま、PLH-32あきつしま)であった。その満載排水量は9300トンであり、アメリカ沿岸警備隊が運用している巡視船のなかでも最大の「バーソロフ級カッター」の満載排水量が4500トンであるから、巡視船としては突出して巨大なものである。

アメリカ沿岸警備隊の「バーソロフ」(写真:アメリカ沿岸警備隊)

 その巨大な「しきしま型巡視船」よりさらに大型(中国当局が公表している1万2000トンという数字は総トン数であり、満載排水量はさらに大きい数字となる)の巡視船を中国が建造しているということで、海軍関係者などは気にしていたところであった。ちなみに、アメリカの沿岸警備隊が第2海軍的な役割を負っている以上に、中国海警は第2海軍としての地位を与えられているため、アメリカ海軍が中国海警の動向に関心をもつのは当然と言える。

 このように超巨大な中国海警巡視船の記事が問題となっているのは、何もその船体の大きさのためではない。国営メディアである人民日報による新鋭巡視船の紹介内容が“国際的スタンダード”とは全く乖離した、以下のような“中国独特”な説明となっているからである。

「軍艦構造の船体である中国の新鋭1万2000トンクラス海警巡視船は、2万トンを超える船舶へ体当りするパワーを持っており、9000トン以下の船舶との衝突では自らはダメージを受けないようになっている。そして、5000トンクラスの船舶に衝突した場合は、相手を破壊して海底の藻屑としてしまうことができる」

 中国以外の“普通の国”であるならば、巡視船や軍艦を紹介する場合には、船体の寸法やエンジン性能、それに搭載武器などを列挙することになる。にもかかわらず、中国当局は新鋭巡視船の性能を「どのくらいの船を体当りして沈められるか」によって誇示している。これには、さすがのアメリカ海軍関係者たちも度肝を抜かれてしまったのだ。

中国海警の1万2000トン級巡視船(中国のインターネットより)

軍艦の領海侵犯にも巡視船が立ち向かうのが原則

 中国の海洋侵出政策に対して腰が引けているオバマ政権は、中国が人口島まで建設して軍事拠点化を強化しつつある南沙諸島周辺海域にアメリカ海軍艦艇を派遣してパトロールをする方針を、最近になりようやく打ち出した。そして、中国によるフィリピンなどに対する軍事的圧迫の強化に対応して、場合によっては中国の人口島周辺12海里の“中国領海内”にも軍艦を乗り入れて中国側の「勝手な領海主張」をアメリカは決して認めないという姿勢を具体的に示すことになっている。

 もし尖閣諸島周辺12海里海域(これは間違いなく日本の領海であるが)に、中国艦船が侵入しようとした場合には、まずは海上保安庁巡視船が侵入船に対して警告を発し、侵入船の航路を遮断(インターセプト)するような機動をして領海侵犯を阻止あるいは領海外へ退去させようとする。中国も、自国の領海としている海域にアメリカ軍艦が“侵入”した場合、中国海警当局が然るべきインターセプト措置を取ることは当然予想される。

 たとえ領海に侵入しようとする、あるいは領海侵犯してきた船が軍艦であっても、いきなりこちらも軍艦によってインターセプトしないことは、日本でもアメリカでも中国でも同様である。巡視船(カッター)の武装は通常は機関砲と機銃であるため、より大口径な機関砲や魚雷、それに対艦ミサイルなどで武装している軍艦に対して巡視船は武力では勝ち目はない。

 しかし、相手国の艦船に対して先に軍艦が発砲した場合、その軍艦側の国の先制攻撃により戦闘が開始されたと解釈されるため、領海侵犯に対するインターセプトは軍艦ではない巡視船が担当したほうが有利となるのだ。

 したがって、南沙諸島の中国人工島周辺12海里以内の海域にアメリカ軍艦が乗り入れた場合、その海域は中国側にとっては“領海”であるため、中国海警巡視船がインターセプトを実施するためにアメリカ軍艦に接近してくることになる。

当たり前のものとされている「サラミス海戦」の海軍戦略

 常に実戦を念頭に作戦を考えている米海軍作戦家たちの多くは、このような事態を想定して、上記の人民日報の記事を深刻に受け止めている。

「アメリカ軍艦をインターセプトしようとする中国海警巡視船が新鋭1万2000トンクラス巡視船であったら、アメリカ海軍としてはどう対処すべきなのか?」

 昨今南シナ海で頻発している中国海警など法執行機関公船によるフィリピンやベトナムの漁船や公船に対するインターセプトでは、中国船艇による「体当たり戦法」が多用されている。実際に沈没させられた船もある。また、海警巡視船ではなく、中国軍艦ですらアメリカ軍艦に対して体当たりを実施しようとした事例もあるし、人民解放軍幹部なども「体当たり」を口にすることが少なくない。そして、民間漁船ですら日本海上保安庁巡視船に体当たりを敢行したこともある。

 インターセプトの際に体当たりをすることは珍しくはないが、中国の「体当たり戦法」は船を衝突させて相手船を破壊あるいは沈めてしまうことを意味している。そのため、米海軍作戦家たちの間では以下のような声が上がっている。

「中国ではサラミス海戦(紀元前450年、ギリシア連合軍艦隊とアケメネス朝ペルシア軍艦隊の大海戦。当時は敵船に衝突して沈める戦法が取られた)の海軍戦術がごく普通のものとして認識されている。よって南シナ海で作戦行動をする米海軍の司令部や艦長は、巡視船による体当たりインターセプトを想定しなければならない」

「我々は自艦を敵から自衛する権利があるだけでなく、海軍将校としてはそれは義務である。しかし、通常は敵の発砲やミサイル攻撃に対しての対処が想定されているわけであり、体当たりに対しては回避して逃げるしか対処法はないのか?」

海自艦にも体当たりするかもしれない

 いくら総トン数1万2000トンの軍艦構造の巡視船とはいえ、9000トンクラスの船に体当りして自艦がダメージを受けないというのは誇張表現ではないか? と見られている。しかし、2万トンクラスの船に対しても「体当たり戦法」を敢行する可能性があることは十二分に予想できる。そして、5000トンクラスの船を衝突によって沈めてしまうこともまた否定できない。

 国防予算の大幅削減により戦力が低下しているアメリカ海軍が、現在南シナ海のパトロールを担当させることになっている軍艦はフリーダム級沿海域戦闘艦(LCS)である。LCSには大口径機関砲や多数の機銃、それに対空ミサイルなどが装備されており、最高速力も47ノットと高速を誇っているが、満載排水量は3500トンである。つまり、もし多数の中国海警巡視船に取り囲まれて1万2000トンクラス巡視船に体当りされた場合、LCSは南シナ海の海底に叩き込まれてしまうことになるのである。

 もっとも、アメリカ政府が期待しているように、アメリカ海軍の劣勢を補強するために海上保安庁の大型巡視船「しきしま」(満載排水量9300トン)や海上自衛隊イージス駆逐艦「あたご」(満載排水量10000トン)が南シナ海に出動しても、いずれも2万トン以下の艦船であるため、中国海警1万2000トンクラス巡視船は体当たり戦法によってインターセプトしてくるかもしれない。もちろん、尖閣周辺海域を含む東シナ海にも新鋭巡視船が投入され体当たり戦法を駆使するかもしれない。

 まさにアメリカ海軍作戦家が言うように「我々は、21世紀におけるサラミス海戦の戦法を研究しなければいけなくなった」のである。

ケインズが描いた週15時間労働の世界はいずこ

確かに世界は経済的に豊かになったが・・・

2015.8.6(木) Financial Times

(2015年7月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ケインズの予言が正しければ、夏もゆっくり休めたはずだが・・・ (c) Can Stock Photo

 もしジョン・メイナード・ケインズが今、天国から筆者を見下ろしていたら――彼ならエコノミストたちの良い守護天使になるかもしれない――、筆者がなぜプールサイドでゆったりする代わりに、このコラムを書いているのか不思議に思っているだろう。

 「1日3時間で十分だ」。ケインズは1930年の論文「Economic Possibilities for our Grandchildren(わが孫たちの経済的可能性)」でこう述べた。

 この論文は、2つの有名な推論を提供している。2030年の人々は1930年の人々より8倍暮らし向きが良くなっている。そしてその結果、我々は全員週に15時間しか働かず、どうやって時間をつぶそうかと思っている、というものだ。

ケインズは半分正しかったが・・・

 ケインズは半分正しかった。今後15年間に何か大参事が起きなければ、世界の成長に関するケインズのバラ色に思える見通しは過小評価になるだろう。

 だが、1日3時間という労働時間は依然、なかなか実現しない(ケインズには子供がいなかったが、公共ラジオ局NPRの番組「プラネットマネー」は最近、ケインズの妹の孫を見つけ出し、週15時間しか働いていないかどうか尋ねた。彼らはそんな働き方はしていなかった)。

 では、ケインズはどこで間違ったのだろうか。2つの答えがすぐに頭に浮かぶ。1つは高尚な答え、もう1つはそれほど高尚でもない答えだ。

 高尚な答えというのは、我々は何らかの仕事をするのが嫌いではないというものだ。我々は、同僚と時間を過ごしたり、知的な刺激を受けたり、仕事がうまくいった達成感を楽しむ。恥ずかしい答えは、我々が一生懸命に働くのは、互いに相手より多くお金を使いたいという欲望に際限がないためだ、というものだ。

 ケインズはこれら両方の可能性について検討したが、恐らく、十分真剣に受け止めなかったのだろう。また、失業の経験は、所得に対する直接的影響と全く不釣り合いなほどひどく惨めであることを示す最近の調査を予測することはできなかったはずだ。

 もしかしたらケインズは、世間に後れを取らないことには、顕示的消費よりも多くの意味があることも理解できなかった。

 人は、良い学校があって、活力に満ちた雇用主へのアクセスが容易な快適な地域に住みたいと願う。

 その結果、ふと気がついたら、供給の限られた望ましい住宅を巡る激しい競争の中に置かれているのだ。

1920年代の英国紳士と21世紀のニューヨークの弁護士の違い

 ケインズの誤りについては、もう少し微妙な説明がある。故ゲーリー・ベッカー氏がルイス・ラジョ氏と共著した論文で述べたように、ケインズは、暇がたっぷりある1920年代のエリートたちのことを考えたことによって、惑わされてしまった可能性もある。

 上位「1%」の人に流れる所得は当時もそれほど大きな違いはなかったが、彼らは富のはるかに大きな部分を所有していた。資本から所得を得ていた1920年代の英ブルームズベリーの紳士は、巨額の時間当たり料金を請求する21世紀のニューヨークの法律事務所のパートナーと同じくらい裕福だった。

 だが、その紳士がクラブで時間を過ごしていたのに対して、現代の弁護士が猛烈に働いていることは少しも不思議ではない。

 経済学者のマーク・アギアール氏とエリック・ハースト氏は数年前、1965年から2005年にかけて米国の仕事と余暇がどのように進化してきたかに関する調査を公表した。男女とも余暇時間が増えていた――もっともケインズが予想したような多さにはほど遠かったが。

 しかし、この傾向に逆行する人もいた。最高の教育を受けた最も所得の多い人たちは、男女ともに、かつてないほど自由時間が少なかった。1980年代半ばから、こうしたエリートたちは、すべてをなげうって猛烈に働き始めたのだ。

 とすると、我々は世間一般ではなく、職場の同僚に後れを取らないようにしているというのが本当のところなのかもしれない。

 誰よりも長く働き、誰よりも休みを少なくすることで、我々は出世の階段を上る。余暇時間の急激な減少が、この階段の頂点における格差が急拡大した1980年代に始まったのは、偶然ではないかもしれない。最も懸命に働くことに対する見返りは大きいのだ。

当のケインズも死ぬまで働いた

 ケインズが想像した世界は、まだ15年先のことだ。我々がケインズののんびりした期待に応えるとすれば、多くのことが変わらなければならない。良い学校や近隣地域に対する十分なアクセスが必要だし、職場での激しい出世争いの文化は後退しなければならない。

 それは歓迎すべきことのように聞こえる。だが、恐らく根本的な真理は、我々の多くが価値があると感じるものに一生懸命取り組むのを楽しんだり、そうした仕事を切望したりしているということだ。ジョン・メイナード・ケインズは裕福な男だったが、それでも彼は死ぬまで働くのをやめなかった。

By Tim Harford
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44472
 

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コメント
 
1. 日高見連邦共和国 2015年8月06日 10:12:34 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk

投稿主『rei』=『stix』=『会員番号4153番』=『真相の道』=『仕事屋』=『帝都通信』=『Vaka』

2. 2015年8月06日 10:45:17 : YylixLkL5Y
ゴミ評論家、池田信夫の登場。
とりあえず中国の脅威を煽りたてる。

3. 2015年8月06日 12:17:20 : v1gbxz7HNs
怖がってもらえると思うか?
侵略してくるとしたらアメリカの可能性が最も大きい。
戦争を避けるとすると、アメリカの支配を甘受するしかない。
だから日米安保なのだ。

中国が力を増せば日中安保でもいい。日露安保でもかまわん。
しかし既にアメリカに侵略支配されている日本は、かつての琉球の立場だ。
琉球は戦争を避けるために薩摩日本軍を受け入れた。
そして今、沖縄戦直前と同じ状態にある。
日本軍のそそのかしと煽動で米軍に戦いを挑む沖縄人。
その結果はどうだった?

アメリカのそそのかしと煽動で中露中東に戦いを挑むかね?
やりたければ一人でやれ。


4. 2015年8月06日 12:40:38 : YjDk0WtHiY
力の均衡ってのは、中国に、アメリカ目指してもっと頑張れってことか。

どっかで中国をチンピラ扱いしてるコメがあったが、そう、中国はチンピラ。
アメリカは工藤会。
ヤクザったらダントツで山口組だろうと思ってたんだが、こいつらはハンパなくやばいって警察から認定されてるのは日本で工藤会だけなんだってね。


5. 2015年8月06日 19:35:39 : qnzEiFNwEM
アメリカに半ば占領されているのが満足らしい、
池田信夫など アメリカ人から見れば 猿 かも知れん

それで喜ぶか。


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