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2015-08-03 08:26:54
8月15日で戦後70年。この70年は、私たちにとって何だったのでしょう。民主主義国になった。経済大国ともてはやされ、ともかく豊かになった。
しかし、他方では格差の広がりが深刻になり、子どもの貧困ばかりか、高齢者の貧困による自殺も少なくない。
9条に代表される平和憲法をいただき、平和国家としての国際的評価を確立したかにみえましたが、最近ではその評価を惜しげもなく捨て去ろうとする“戦争法案”の成立に血道を上げる政権がのさばっている。
安倍首相の側近中の側近である礒崎陽輔・首相補佐官は、「法的安定性は関係ない」と言ってのけました。法律が支配する「法治国家」を明確に否定し、安倍首相らが「勝手に決める」という「人治政治」の本音をあらわにしました。
そして、批判を受けると、言い訳でごまかしを押し通そうとする。戦後70年間もずっとそうだったのではないか。平和憲法下で、ごまかし、ごまかしながら、世界に冠たる武力を誇るまでになりました。
思えば、敗戦の責任にたいしても日本人自身では明らかにすることを知らん顔して避け通し、戦争責任は誰一人とっていません。アメリカを中心とする連合国軍の東京裁判で、A級戦犯などが裁かれただけです。だから、日本人側からは「戦犯釈放」の請願が出され、巣鴨プリズンから出てきた岸信介氏はその後総理大臣にまで返り咲きました。戦争責任など、どこ吹く風です。結局、日本人だけで300万人を犠牲にした敗戦の責任は、誰一人取っていないのです。そして、折あらば、「靖国神社」に詣でて、戦争遂行者たちを礼賛しようとする。岸信介氏に代表される「無責任体系」が続いてきました。
東京電力の福島第一原発で世界最大の原発事故を起こしながら、これまた誰一人明確に責任を取ったものはいません。それどころか、東京電力の事故当時の責任者の一人、勝俣恒久会長などは、悠々とぜいたくに余生を謳歌しています。
年金問題でも、管理がずさんで支払わなければならない人にきちんと支払われない。しかし、担当の厚労省で責任を取ったものはいません。
東京オリンピックの新国立競技場では、建設費がうなぎ上りにあがり、結局、白紙に戻してやり直しとなりましたが、開会に間に合うかどうかという大問題にもかかわらず、誰一人責任を取らない。
日本では権力の座についたものの責任感が欠如しています。戦前はそれなりに責任を明らかにする風潮がありました。
戦後は、政治家と高級官僚の「無責任体制」がひどくなり、安倍政権下で一層顕著になりました。安倍氏自身が、その場その場で言葉を吐き散らし、たとえ言動不一致でも、「オレが言ったことはみんな正しい」と、こどもっぽい幼稚な振る舞いです。
自民党が40年以上も使えないと封印してきた「集団的自衛権」を、180度ひっくり返し、「使える」と強行採決で押し通そうとしています。無責任の極みです。「日本病」と言っても過言ではないほど、重病化してきました。
上が上なら、下も下。礒崎・首相補佐官は本日、参院で参考人として“尋問”を受けます。どんな言い訳をし、責任を逃れようとするか。あるいは、素直に「ごめんなさい」とだけ言って、追及の場から出てきたら、「それでも地球は回っている。法的安定性など関係ないのだ」と言ってのけるか。病、こうもう。手のつけようがありません。
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