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2015年8月 2日
ハワイマウイ島のラハイナで開かれていたTPP交渉閣僚会合で、大筋合意が成立しなかった。
TPP交渉が合意に達することができず漂流することは望ましいことであるが、8月末に再度閣僚会合を開こうとする動きがあるため、油断はできない。
日本はTPPに参加するべきでない。
その理由は、TPPが
主権者の利益拡大を追求するものではなく、
グローバルな強欲巨大資本の利益拡大を追求するもの
であるからだ。
そして、TPPの目的であるグル―バルな強欲巨大資本の利益追求は、
いま世界に広がっている
「格差」
の問題をさらに拡大させるものなのである。
安倍政権はアベノミクスの三本の矢ひとつに成長戦略をあげる。
この成長戦略こそ、
強欲巨大資本の利益追求を目的とするものである。
成長
と言っても、それは、
強欲巨大資本の成長
のことであって、
人々の暮らしの成長
ではない。
米国を本拠地とするグローバル強欲巨大資本は、
日本市場をターゲットにしている。
TPP交渉参加国は12ヵ国だが、
最大のターゲットは日本市場である。
TPP交渉を始めたのは、シンガポール、ブルネイ、ニュージーランド、チリの4ヵ国である。
2006年に包括的経済連携協定が発効した。
これに米国が後から参画したのだが、その狙いは日本である。
日本をTPPに引き込み、日本市場を収奪すること。
これがTPPの狙いなのである。
もうひとつ、中長期の米国の狙いはアジア市場だ。
アジアが21世紀の成長の軸になる。
そのアジア市場が中国に占有される。
これに対抗するために、中国の入らないTPPに米国が参画し、アジア市場の覇権を中国と争おうとしているのだ。
米国が狙いをつけている産業分野が
農業、医療、保険の三分野である。
米国は日本の市場からの収奪を狙っている。
そして、TPPのもうひとつの核心は、日本の諸制度、諸規制を、完全に
米国化
することだ。
そのための秘密兵器がISD条項である。
ISD条項を活用して、米国は
日本の完全米国化
を狙っている。
日本農業は完全に外資が支配する産業に転落する。
食糧の自給体制は崩壊し、食の安心、安全も崩壊する。
医療の各種規制は撤廃され、日本の医療は貧困な公的保険医療と法外に価格の高い民間保険医療の二本立てに移行する。
医療において、決定的な格差社会が出現することになる。
そして、TPPが目的とする制度変更の核心には、
各種労働法制の改変が含まれる。
資本が目的とするのは、労働コストの限りない削減である。
これは、裏を返すと、労働者の処遇と権利が限りなく剥奪されることである。
だから、日本の消費者、労働者、生活者、主権者、国民がTPPに賛成するのは大いなる誤りなのである。
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