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http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/edd9b281fa7dde1de875eef5f26dcc1a
2015年08月02日
本日の見出しは、筆者も判断に迷う部分である。ゆえに、逃げるわけではないが、内田樹氏と山口一臣氏の考えを両論併記した。皆様方で、それぞれ考えていただきたいと思う、問題提起コラムのようなものである。それにしても、ウィキリークスが暴露した、米英豪NZ加5か国が情報を共有する形で、旧新英連邦の国々で情報共有しているというのだから、バカバカしくて国際関係などに携わる気にもなれない。TPPの主な4か国が入っているのだから、日本国家の情報はダダ洩れ、安倍がおだ上げている声まで、収録済みなら、是非流して貰いたいものだ(笑)それにしても、こんな状況で、TPP交渉は疲れる等と言っている甘利って大臣もいい加減なもの。ありゃ、芝居がかっているだけだよ。独仏日が抜けている点も記憶に留めておくべきだろう。AFPは以下のように報道している。その後、二氏の意見を掲載しておく。
≪ 米NSAが「日本の政府・大企業を盗聴」 ウィキリークスが文書公開
【7月31日 AFP】(一部更新)内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」は31日、米国家安全保障局(National Security Agency、NSA)が、日本の政府高官や三菱商事(Mitsubishi Corp.)などの大手企業に対する盗聴活動をしていたとする文書を公表した。少なくとも35件の盗聴対象のリストも公開している。
ウィキリークスは声明で「リストは、NSAが少なくとも2006年9月から07年9月までの第1次安倍晋三(Shinzo Abe)内閣のころから、日本の大企業や政府高官、省庁、政府顧問らをスパイしていたことを示している」と述べている。
安倍首相に対する盗聴の記述はないが、盗聴対象者には宮沢洋一(Yoichi Miyazawa)経済産業相や日本銀行(Bank of Japan)の黒田東彦(Haruhiko Kuroda)総裁が含まれていたとされる。
ウィキリークスは「これらの報告書は米国による日本政府への監視活動の深さを示しており、日本の多くの省庁から情報が収集・処理されたことを示唆している」と述べている。
また、これらの文書は、米国が貿易、原子力、気候変動などの政策をめぐる「日本の内部議論を細部まで詳しく知っていたことを示している」と、ウィキリークスは述べている。 ≫(AFP)
≪内田樹の研究室 東京新聞(7月17日)
安保法制強行採決を承けて、東京新聞にインタビュー記事が載りました。転載しておきます。
世界平和を求めるとか、平和憲法を維持するとか、「きれいごと」を言うのはもうやめよう―。そんな不穏な心情が法案成立を目指す安倍政権を支えている。「結局、世界はカネと軍事力だ」と言い放つような虚無的な「リアリスト」の目には立憲主義も三権分立も言論の自由も法の支配も、すべて絵空事に見えるのだろう。
七十年前の敗戦で攻撃的な帝国主義国家日本は一夜にして平和国家にさせられた。でも、明治維新以来、琉球処分、朝鮮併合、満洲建国と続いてきた暴力的で攻撃的な国民的メンタリティーはそれくらいのことで消えたわけではない。抑圧されただけである。
表に出すことを禁じられたこの「邪悪な傾向」が七十年間の抑圧の果てに、ついに蓋を吹き飛ばして噴出してきたというのが安倍政権の歴史的意味である。彼らに向かって「あなたがたは間違ったことをしている」と言い立てても意味がないのは、彼らが「間違ったこと、悪いこと」をしたくてそうしているからである。
明らかに憲法違反である法案が強行採決されたベースにはそのような無意識的な集団心理がある。一部の日本人は「政治的に正しいこと」を言うことに飽き飽きしてきたのである。ただ人を傷つけるためだけのヘイトスピーチや、生活保護受給者への暴力的な罵倒や、非正規労働者のさらなる雇用条件の引き下げなどは「他者への気づかい、弱者への思いやり」といったふるまいが「胸くそ悪い」と言い放てるからこそできることである。
生身の人間として戦争を経験して敗戦を迎えた世代には、平和と繁栄という「敗戦の果実」をありがたく思う身体実感があった。占領も、属国化も、基地の存在も、「戦争よりはまし」という比較ができた。でも、そういう生活実感はもう今の人はない。平和憲法が敗戦国民どれほどの深い安堵をもたらしたか、そのリアリティがわからない。だから、憲法がただの「空語」にしか思えないのだ。
安倍首相が「戦争できる国」になりたいのは、戦争ができると「いいこと」があると思っているからではない。それが世界に憎しみと破壊をもたらすことを知っているからこそ戦争がしたいのである。
■彼は「悪いこと」がしたいのである。
国際社会から「善い国だが弱い国」と思われるよりは、(中国や北朝鮮のように)「嫌な国だが、怖い国」と思われる方が「まだまし」だという心情が安倍首相には確かにある。
これは安倍首相自身の個人的な資質も関与しているだろうが、明治維新から敗戦までは大手を振って発揮されてきた日本人の「邪悪さ」が戦後過剰に抑圧されてきたことへの集団的な反動だと私は思う。
法案が成立すれば、海外派兵は可能になる。それでも、米国がただちに自衛隊をイラクやシリアに配備するとは私は思わない。短期的には米国にとってそれが一番利益の多い選択だが、もっぱら米国の権益を守るための戦争で自衛隊員が日本に縁もゆかりもない場所で無意味に死傷者を増やして行けば、日本国内での厭戦気分が反米感情にいきなり転化するリスクがあるからだ。
「なぜアメリカのためにこれほど日本人が死ななければならないのか?」という問いに安倍内閣が説得力のある回答ができるとは思われない。
リスクを抑えて自国益を守るために、自衛隊員が死傷しても日本国民が「納得」するような用兵でなければならない。国防総省はいまそれを思案中だろう。 ≫(内田樹の研究室より) http://blog.tatsuru.com/2015/07/17_1352.php
補足:内田樹ツィッター
≪ 安倍首相は「とにかく法律通して、あとはどこでどんな口実であれ、戦争さえ始めてしまえばこっちのものだ」と思っているのでしょう。そうすれば、支持率は V字回復、反対運動は「非国民」と言って抑え込んで、一気に改憲に持ち込んで、「緊急事態」を宣言して、独裁体制確立。それが彼の夢でしょう。≫
内田氏は、安倍やその勢力には身体実感がなく、行動原理を「理」とは、相対な関係にある鬱屈した「感情」という視点で見つめている。この鬱屈した感情の爆発には、戦後、必ず見返してやると云う「日本会議」が精神的バックボーンになっているのだ。そして、その見返すにあたって、大切な事は、原則、明治憲法の復古であり、「神の国」(国家神道)でありたい、と云う願望が根強くある。そして、IT関連商品の中でゲーム化されたバトルもの、進撃の巨人等々、カッコいいと感じる若者世代も集っているのが現実で、旧日本と新日本世代の、思惑違いの混成勢力となつている。
≪「安倍さんは戦争をやりたがっている」というのは間違いだ! 山口一臣
安保法制関連法案の参議院での論戦始まった。だが、7月15日の衆議院での採決の際に安倍晋三首相自身が認めた通り、法案に対する国民の理解は進んでいない。というのも、賛成派の説明も反対派の追及も、枝葉にこだわるばかりで肝心なことが議論されていないからだ。参院での実のある議論を進める ために、いま一度、頭を冷やして考える必要がある。
例えば、野党や反対派が唱える「安倍さんは戦争をやりたがっている」という言説があるが、本当だろうか。私はこれは間違いだと思っている。 なぜなら、動機がないからだ。進んで戦争を始める理由がない。少なくとも日本の政治家で、周辺諸国に対して勇ましいことを言っている人はある程度いても、 本気で戦争をやりたいと考えている人はいないだろう。
戦争とは、武力を用いてさまざまな政治目的を達成しようという行為のことだ。戦争というリスクと犠牲を払ってまで達成したい政治目的とはいった何なのか。そんなものが、いまの安倍政権にあるとは到底、思えない。冷静に考えれば分かるはずだ。
安保関連法案は日本を「戦争ができる国」にしようとしている、というところまでは言えると思う。だが、実際に「戦争をやる」ということとの隔たりは、あまりに大きい。「安倍さんは戦争をやりたがっている」というのは、粗雑なアジテーションだ。このことは、安保法制を考える上で実に重要なこと だと思う。
なぜなら、同じことが日本の周辺国についても言えるからだ。
安倍首相ら安保法制推進論者は「日本を取り巻く安全保障環境が変化して、一層厳しさを増している」とバカのひとつ覚えのように繰り返す。だ が、具体的に何がどう厳しいのかがはっきりしない。軍拡を続ける中国や北朝鮮の「脅威」を想定しているのだろうが、では中国や北朝鮮がいったい何の目的をもって日本を攻撃するというのだろう。
確かに中国が海洋進出を活発化させ、継続的に国防費を増加させていることは事実だ。北朝鮮が弾道ミサイルと核開発を進め、それらが日本にとっての潜在的脅威になっているのも事実である。だが、国の安全保障を考える上でもっとも重要なのが、この潜在的脅威がどんな条件や様態で現実的な脅威になるかという冷徹なシミュレーション(脅威の見積り)だ。
これがしっかりできていないまま、ただ危機感を煽るのは、「安倍さんは戦争をやりたがっている」というのと同じレベルの愚論である。だが、 残念ながら安倍政権はこの愚論の繰り返しに陥っている。だからこそ、政府答弁や説明が支離滅裂で、聞けば聞くほどわけが分からなくなり、結果として国民の 理解が深まらないことになっている。
例えば、衆議院ではただの1度も出てこなかった「南シナ海での掃海」がなぜ、突如、俎上にのぼるのか、まったくわけが分からない。あれほどこだわっていた「ホルムズ海峡」はどこへいってしまったのか。そもそもの始まりは、「朝鮮半島有事に邦人を乗せたアメリカの艦船が攻撃を受けても、日本の 自衛隊は助けに行けない。こんなことでいいのか?」という議論ではなかったのか。あるいは、「北朝鮮の弾道ミサイル発射に備える米軍の艦船が攻撃されて も、自衛隊が助けに行けなくていいのか?」という話ではなかったのか。
それが参議院での議論が始まる直前に、これまた突然、今度は東シナ海での中国のガス田開発の写真が公表され、中谷巌防衛相が「(ガス田の)海上プラットフォームにレーダーが配備される可能性がある」と答弁するなど、やたらと中国の「脅威」を強調するようになる。これを受けて自民党の外交関連 の会議でも、「ヘリパッドができるのではないか」「将来、軍事目的に利用されるのではないか」といった懸念の声が相次いだという。
では、この海上プラットフォームは本当に「脅威」なのか。これについては海上自衛隊出身の軍事ライター、文谷数重氏が「東洋経済オンライン」で次のように論破している。
〈レーダーやソナーは、すでに軍艦や航空機で使用されている。中間線日本側でも、琉球列島間の公海部分でも、レーダーやソナーを付けた中国軍艦や航空機は自由に行動している。逆に海自も大陸棚側で同様に行動している〉
http://toyokeizai.net/articles/-/77995
要は、すでに軍艦や航空機に付けられたレーダーが同海域を自由に動き回っているので、固定化した海上のプラットフォームにレーダーを取り付けても、能力向上という点では、まったく意味がないということだ。
こうした“幼稚な煽り”は随所にあって、最近話題の自民党の安保法案説明アニメ「教えてヒゲの隊長」でも、「日本にミサイルを向けている国がある」「自衛隊の緊急発進(スクランブル)が10年前の7倍になった」「サイバー攻撃も本当に深刻」などと、国民に恐怖を植え付けることにやっきである。
いずれもパロディー版がしっかり論破してくれているが、中国やロシア、北朝鮮が日本にミサイルを向けているのはいまに始まった話ではなく、冷戦期からのことだ。サイバー攻撃は深刻だが、これは通常の戦力で抑止できるシロモノではない。スクランブルが7倍になったというのも耳にタコだが、10 年前はスクランブルがいちばん少なかった年で、冷戦期にはもっと多い回数の緊急発進があった。こんなことは防衛白書を見れば誰でもわかる。 http://www.mod.go.jp/sp/j/publication/wp/wp2014/sp/section03.html
いくら法案を通すためとはいえ、安易に脅威を煽るのは、あまりに稚拙なやり方といえる。こうしたことから見えてくるのは、実は、安倍政権は日本にとっての本当の「脅威」は何か、それがどれくらいのレベルにあるかをきちんと把握していないのではないかということだ。
頭を冷やして考えてみて欲しい。冷戦期には日本のすぐ隣にまで共産圏が迫っていたのだ。ソ連は世界革命の野望を抱き、日本の国土を虎視眈々と狙っていた。中国、北朝鮮もしかり。やがてソ連は崩壊し、中国も資本主義へとカジ切った。とくに中国と日本、アメリカは経済的には切っても切れないほど の相互依存が進んでいる。日本のコンビニには普通に中国人の店員がいるし、爆買いで知られる中国からの観光客は2015年は1000万人を超える勢いだと いう。
まさに、「日本を取り巻く環境の激変」ではないか。
こうした中で中国は軍事大国化を着々と進め、北朝鮮は核実験を繰り返している。さらに従来型の抑止力が効かない国際テロ組織の台頭やサイバー攻撃といった新種の脅威も生まれている。だからこそ、いたずらに脅威を煽るのではなく、日本にとって本当の脅威は何なのか、という冷静な「見積り」が必要になる。当然、脅威には優先順位が付けられ、それに対してどう対処していくのかの戦略、戦術が考えられる。
そこで初めて、これこれこれをするにはこういう法整備が必要だ、ということになる。場合によっては集団的自衛権行使の必要性が出てくる可能性もあるだろう。そうなったときに、憲法を改正して9条の2項を変えるかどうかという議論になる。これが本来の道筋なはずだ。
ところが安倍政権は、アベコベなのだ。だから、説明が支離滅裂にならざるを得ない。しかも、脅威については、あれも怖い、これも怖いだ。昨日、ホルムズ海峡が危ないと言っていたかと思うと、今日は南シナ海だガス田だと、場当たり的に脅威が変わる。そして、ことあるごとに「あらゆる事態に対応 するための備え」といったことを口にする。だが、それはどだい無理な話だ。国家といえどもリソースには限りがあるし、脅威は軍事に限らない。だから政治家はプライオリティーを判断しなければならないのだ。
安倍政権が軍事的脅威を煽る一方、「脅威はそれほど大きくない」と明言する専門家も少なくない(少なくとも、集団的自衛権行使を合憲とする憲法学者よりは多い)。
例えば、元米太平洋軍司令官で米国国家情報長官も歴任したデニス・ブレア氏だ。今年4月に日本外国特派員協会で講演し、「日中戦争が起きる 危険性があるとする報道が多いが、私はそうは思わない。東アジアの軍事情勢は非常に安定しており、そうした状態が続くと私は見ている」明言した。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159430
その根拠も、前出の文谷氏同様、軍事の専門家らしい実務的な分析だ。
「東アジアの領有権問題は一部例外を除けば、ほとんどが島に関するものだ。島の領有権を変えるには大規模な軍事作戦が必要で、侵略国は空と海の支配を長期間、続けなければならない。しかも、東アジアは東欧や中東のように地続きでないため国境線をめぐる地上戦は起きず、宗派間、民族間対立や代 理戦争の危険性もない。したがって、北朝鮮が韓国に侵攻する危険性も極めて少ない」
前出の「教えてヒゲの隊長」にも出てくる尖閣諸島の問題についても、 「中国が尖閣諸島を軍事的に支配できる可能性は極めて少ない。そのようなことを試みれば失敗するし、すごい政治的リスクを冒すことになる」 と言う。島を奪るには空と海との大規模な軍事作戦が必要で、漁船や公船がチョロチョロやってくる程度では、脅威でも何でもないというわけだ。
あるいは、世界の紛争地帯で平和構築任務に携わってきた東京外国語大学教授の伊勢崎賢治氏は、著書『日本人は人を殺しに行くのか』(朝日新書)でこう書いている。
〈結論から言えば、北朝鮮は日本にミサイルを撃ち込むことも、戦争を仕掛けてくることもありません。理由は簡単です。日本に大きな米軍基地がある以上、北朝鮮が日本を攻撃するということはアメリカに宣戦布告することと同じだからです。
北朝鮮にとって、アメリカへの攻撃は核戦争の始まりを意味します。(中略)北朝鮮がそれでもやるとしたら、それは自滅行為と想定すべきです〉
安倍首相もヒゲの隊長も、「あいつら怖い怖い」と叫ぶだけで、冷徹な分析ができていないことがわかるだろう。中国も、北朝鮮と同じ理屈で日本に攻めてくることはあり得ないと伊勢崎氏は断言する。中国の場合はさらに、強大な権限を持った国連の5大常任理事国のひとつであるというポジションがあ る。国際法、国連憲章で侵略は明確に違法とされている。中国が世界に君臨できる巨大な権力を与えられたレジームを自ら壊すわけがないというのである。
もちろん、こうした主張には反論もあるだろう。しかし、安倍政権のように、ただただ「危ない」「怖い」と叫んでいるより、よほど説得力があることがわかるだろう。日本を取り巻く安全保障環境は本当に厳しさを増しているのか。ここはもう一度、立ち止まって考える必要がありそうだ。
*山口一臣ジャーナリスト(元『週刊朝日』編集長) 1961年東京生まれ。ランナー&ゴルファー。早稲田大学第一文学部卒、週刊ゴルフダイジェスト記者を経て大手新聞社へ中途入社。週刊誌記者として 9.11テロを、編集長として3.11大震災を経験する。週刊誌歴約27年。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。現在は堅気のサラリー マンとして勤務する傍ら、市民ジャーナリストとして情報発信を続けている。 ≫(yahooニュース:国内より)
山口氏の誠実に事実関係を重ねた検証して、北東アジアにさせ迫った威嚇はない。ただ、この機会だから、戦争も可能な“普通の国”になっておくことを担保しようとしている。ゆえに、「戦争をやりたがっている」ではなく、「戦争ができる国」を目指しているのだ、と云う結論になっている。懇切丁寧に、その論議の過程をなぞりながら、国際環境を踏まえ、「する」と「出来る」の違いを語っている。
問題は、米国の思惑が抜け落ちている点が欠点だ。筆者の見立ててでは、安倍の「戦争できる国(普通の国)」を希求している情念を、アメリカ政府の頭脳たちが、利用してやろうと云う戦略の一環に取り込まれてしまった、と云うのが事実だろう。ゆえに、中国、北朝鮮脅威論がバカバカしい言説だと証明しても、実はあまり意味がない。
アメリカ政府の思惑は、国連平和維持活動に自衛隊をフル活用させ、財政上欠けてしまった覇権国の軍事力を補完するのが、最大の目的だろうから、向けるべき目は、アフガン・イラク・シリア・ソマリア‥等における自衛隊のPKO活動とみるべきだ。ただし、それらの地域は、PKOとは名ばかりで、まさに戦闘地域であると云うリアリティのある議論が必要だ。その点で、山口氏の視点は不完全である。
安倍は「戦争をやりたがっている」ではなく、「戦争ができる国」を目指している、となってしまうのだが、「戦争の出来る国」と云う状況を法的に担保したことで、アメリカから、上述のまさに戦闘地域のアフガン、イラク等々への平和と名のついた海外派兵が実行される。つまり、その地域では平和と云う名の、リアルな戦闘が行われる。つまり、「戦争ができる国」成立は、速攻で「戦争をする国」になってしまうので、山口氏の論は、リアリティが不足である。
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