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山本太郎議員のイラク戦争加担追及に安倍首相「大量破壊兵器がないと証明できないサダム・フセインが悪い」
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/f7b60b485e1da46ea6ed4d415db783ad
2015年07月31日
昨日、2015年7月30日も、参院安保法制特別委員会で、「生活の党と山本太郎となかまたち」共同代表の山本太郎議員の追及がありました。
なんと、持ち時間が19分!
しかし、戦場ジャーナリストの志葉怜さんとイラク派兵違憲訴訟で違憲判決を勝ち取った川口創弁護士がブレインにいるだけあって、昨日の質問も、国民に事実を知ってもらう上でとても有意義なものでした。
安倍首相は、イラク復興特別措置法に基づいて政府が航空自衛隊をイラクに派遣した「人道復興支援」について、質疑の冒頭で
「航空自衛隊は、イラク特措法にもとづきまして、平成16年(2004年)の3月から、平成20年(2008年)12月までの間、クウェートを拠点として、イラク国内の飛行場との間で、人員、物資を輸送していました。
具体的には、イラクの復興状況や、国連、多国籍軍の輸送ニーズを踏まえまして、国連、米軍等の要員や、事務機器、医療機器、車両、航空機部品、テント等を輸送したわけでありまして」
と説明しました。
ところが、山本太郎議員は、2009年10月に防衛省が開示した資料によって、航空自衛隊が派遣されていた2004年3月3日から2008年12月12日までの間に同自衛隊が輸送した4万7000人の60%!が米兵・米軍属で、国連職員の輸送はその1割のわずか6%に過ぎなかったことを暴露しました。
また、山本太郎議員は、
1 自衛隊のクウェートへの派遣は2006年7月だったが、2007年の1年間で米軍が爆撃した回数は1447回だったこと
2 2007年の1年間にイラクで2万4000人の民間人が死亡していること
3 テロとの戦いとして先進国が始めた戦いで、多くの市民が犠牲になったこと
4 安倍総理はイラク戦争に賛成し、米兵輸送にも賛成したこと
5 航空自衛隊のイラクでの多国籍軍の兵員輸送について、名古屋高裁が
「多国籍軍の武装兵員を戦闘地域であるバグダッドに空輸する活動は、他国による武力行使と一体化した行動で、武力行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」
とし、違憲判断(2008年4月)が確定している
ことなどをあげて追及しました。
さらに、山本議員はアメリカ軍のイラク戦争における戦争犯罪を指摘します。
『2004年4月、米軍はイラクのファルージャという都市を包囲。猛攻撃を行った。
翌月、国連の健康の権利に関する特別報告官が、ファルージャの攻撃で死亡したのは、90%は一般市民だった。
約750人が殺されたという情報もある。
国連は一刻も早く、人権侵害行為に関して、独立した調査を行うべきであるという声明も出している。
フリップをお願いします。』
山本太郎議員が使用したフリップ(2004年6月イラク西部ファルージャ、ジャーナリスト志葉玲氏撮影・提供)
たたかう!ジャーナリスト宣言―ボクの観た本当の戦争 志葉玲(著)
『救急車、攻撃されてますよ。アメリカの攻撃ですよ、これ。2004年6月、現地入りしたジャーナリスト・志葉玲さんが撮影したもの。黒焦げになった救急車。で、先ほどのお話です。国連の方が言うには、医療活動を妨害したのはアメリカ、そして救急車を攻撃したのもアメリカという話なんです。あまりにもひどすぎる。じゃあファルージャ、どんな戦いだったのか。
2004年の11月から、米軍の大規模攻撃を受けたんですけれども、この作戦に参加した米兵がこう言っている。『冬の兵士・良心の告発』というDVDの中で。攻略戦の訓練を受けていた全員、みんなキャンプに行きますから、訓練をうけますから、ある日、軍法の最高権限を持つ部隊の法務会に招集され、こう言われた、と。
『武器を持つ人間をみたら、殺せ。双眼鏡を持つ人も殺せ。携帯電話を持つ人は殺せ。何も持たず、敵対行為がなかったとしても、走っている人、逃げる人は、何か画策しているとみなし、殺せ。白旗を掲げ、命令に従ったとしても、罠とみなし、殺せ、と指示した。ファルージャで僕たちは、その交戦規定に従った。米兵たちは、ブルドーザーと戦車を使って、家屋を一つ一つ轢き潰し、人間は撃ち尽くしたか、犬や猫やニワトリなど動くものは何でも撃った。動物もいなくなったから、死体も撃った』
これ、一部のおかしな米兵がやったことじゃないですよ。米軍が組織としてやってきたことです。ファルージャだけじゃない、バグダッドでもラマディでも。
総理、アメリカに民間人の殺戮、当時やめろって言ったんですか?
そしてこの先、やめろと言えるんですか? 引き上げられるんですか?
お答え下さい』
これに対する安倍首相の苦し紛れの答えが、本当にひどかった。
安倍首相の戦争観、今回の戦争法案の本質を表していました。
「まず、そもそもなぜ米国、多国籍軍がイラクを攻撃したかといえば、大量破壊兵器、当時のサダム・フセイン、独裁政権が、かつては間違いなく化学兵器を持ち、そしてそれをイラン・イラク戦争で使用し、多くの人々を殺し、自国民であるクルド族に対してもこれを使用して、相当多くの自国民も殺したという実績があったわけでありまして、そして、それを既に、
大量破壊兵器はないということを証明する機会を与えたにもかかわらず、それを実施しなかった
というわけであります。」
イラクのサダム・フセイン大統領が大量破壊兵器を保持しているということを大義名分に、ブッシュ政権は「正義の戦争」だとしてイラク戦争を起こし、安倍首相も加わっていた小泉政権はこれに加担しました。
しかし、大量破壊兵器はなかったのです。
いかなる意味でも、イラク戦争は「大義なき戦争」でした。
その結果、数十万人の市民が死に、数百万人の人々が難民となりました。
アメリカ軍による攻撃の憎しみは「イスラム国」を誕生させ、いまだにイラクの人々を苦しめています。
なのに、大量破壊兵器があると言って戦争を仕掛けたブッシュ大統領と、これに加担した小泉首相が間違っていたのに、安倍首相は
「大量破壊兵器がないと証明しなかったフセインが悪い」
というのです。同じくイラク戦争に加担したイギリス議会では、この問題でブレア首相を追い詰めつづけたというのに。
戦争の大義名分が間違っていたとわかっても、なお、相手が悪いと強弁する安倍首相が、集団的自衛権行使の要件である「存立危機事態」とか、「後方支援」するための「重要影響事態」という判断だけは正確にやって、嘘をつかないなどとどうして信用できるのですか。
イラク戦争開戦から10年 戦争は、破壊は、報復は、誰も幸せにしなかった
9・11同時多発テロから10年 アメリカ市民は犠牲者だが、アメリカは加害者だ
「なになにがない」、という証明は「悪魔の証明」と言われており、事実上不可能です。
また、山本議員も指摘していますが、イラクには国連の査察団が700回以上も査察に入っており、国連査察団はイラクの大量破壊兵器は発見できないと報告していたにもかかわらず、米軍はその決着を待たずにイラクに侵攻したのです。
むしろ、大量破壊兵器など口実に過ぎず、アメリカと有志軍はイラクの石油権益だけが狙いでした。
しかし、日本だけは、いまだに自分が加担したイラク戦争の実態を調査しようとも、反省しようともしません。
イラク戦争こそ、国際法違反の侵略戦争でした。
しかし、戦争法案ができれば、日本は集団的自衛権を行使してこんな戦争に参戦もできますし、「後方支援」もできます。
間違った大義名分で戦争を始め、間違っていたことがわかっても自分の責任ではなく相手が悪いという。
こういう人たちに「開戦の決断権」を与えていいと思いますか?
安倍首相は前からフセインが悪いと言ってます。
今回もそれを問題視しない日本のマスコミはどうなっているんだ。
【質疑全文掲載】山本太郎議員が戦争犯罪常習犯・米国の手口を告発!「総理、米国に民間人の殺戮、やめろって言ったんですか? この先、やめろと言えますか?」――安倍総理はまたイラクに責任転嫁
「武器を持つ人間をみたら、殺せ。双眼鏡を持つ人も殺せ。携帯電話を持つ人は殺せ。何も持たず、敵対行為がなかったとしても、走っている人、逃げる人は、何か画策しているとみなし、殺せ。白旗を掲げ、命令に従ったとしても、罠とみなし、殺せ」――。
これは、米軍によるイラクのファルージャ攻撃の際に、兵士が上官から受けた指示の言葉だ。米国は大量破壊兵器の保有という「大義」にイラク戦争に踏みきり、国際法違反の攻撃を繰り返した。2007年、米軍はわずか1年の間に1447回もイラクを爆撃し、罪なき民間人を組織的に殺戮し続けた。
そして、「人道復興支援」の名のもと、自衛隊は米軍兵士を輸送し、米軍を支援してきた。結局、大量破壊兵器など存在せず、戦争の正当性など、どこにもなかった。
大義なき戦争に加担するという取り返しのつかない過ちを犯しながら、その総括もせず、なぜ安保関連法案で海外での自衛隊の活動を拡大し、これまで以上に米軍への支援を強めようとするのか。イラク戦争時、安倍総理は官房副長官、官房長官、そして第一次安倍内閣で総理となった、まさに当事者だ。
「アメリカに民間人の殺戮、当時やめろって言ったんですか? そしてこの先、やめろと言えるんですか? 引き上げられるんですか?」
2015年7月30日(木)、参院の平和安全特別委員会で「生活の党と山本太郎となかまたち」の山本太郎議員が質問に立った。
以下、質疑の詳細な要旨を掲載する。(原佑介)
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山本太郎議員の質疑要旨
山本太郎議員「『生活の党と山本太郎となかまたち』の山本太郎です。航空自衛隊がイラクに派遣されていたことは、総理はご存じですか?」
安倍総理「航空自衛隊は、イラク特措法にもとづきまして、平成16年の3月から、平成20年12月までの間、クウェートを拠点として、イラク国内の飛行場との間で、人員、物資を輸送していました。
具体的には、イラクの復興状況や、国連、多国籍軍の輸送ニーズを踏まえまして、国連、米軍等の要員や、事務機器、医療機器、車両、航空機部品、テント等を輸送したわけでありまして、その際、輸送対象となる人員が武器を携行することについては、それが常識の範囲内で、通常携行するものであれば、移送の対象としていたわけであります。これらの内容は、活動期間中や活動終了後に国会に説明、報告するとともに、適切に公表しています、と説明されました。これに間違いありませんか?」
山本議員「丁寧にご説明ありがとうございました。それはそうですよね。空自の先遣隊がクウェートに出発したときには内閣の官房副長官であられたんですもんね。航空自衛隊、イラクで何を運んでいたのかという話です。平成19年4月24日、衆議院本会議にて、総理は、航空自衛隊のイラク派遣について、国連、その他の人道復興支援のための人員、物資の輸送を行っていると説明されました。これに間違いございませんか?」
安倍総理「間違いはないわけでありまして、今、ご答弁したとおりでございまして、国連や多国籍軍の輸送ニーズを踏まえまして国連、米軍等の要員や事務機器、医療機器、車両、航空機部品、テント等を移送したわけであります」
山本議員「そうですか。2009年10月、防衛省が開示した、航空自衛隊がイラクでの活動を開始した2004年3月3日から最後の空輸となった2008年12月12日までの空輸実績の全記録では、全体で46000人、輸送いたしましたと。先ほど平成19年の総理の国会答弁だけを聞くと、『輸送したメインは国連の関係者がほとんどなのかな』と勘違いしそうになりますけれども、実際は、国連の関係者はたった6%ほど。
その10倍、約60%以上が米軍や米軍属だったということなんですけども、これ、何の目的だったんですかね? おうかがいしていいですか?」
中谷防衛相「ご指摘の通り、総人員が46479人、米軍人が約23727人でございます。この活動については、特措法にもとづいて、人道復興支援活動を政策的に重視しましたが、基本計画において、派遣部隊の編成規模については人道復興支援活動を実施するために必要な規模という観点から定めるとともに、派遣部隊は、人道復興支援活動に支障を及ぼさない範囲で、安全確保活動を実施しておりました。
イラクに派遣された航空自衛隊、こうした方針のもとで活動を実施いたしまして、米軍は、類似の安保理決議にもとづいて、治安維持活動のみならず、復興支援活動にも取り組んでいたということで、この2つの任務の中で活動したということでございます」
山本議員「蓋を開けてみたら60%がアメリカの軍人だったり軍属だったという結果があるわけですよね。じゃあ、どうして国会の答弁において『国連、その他の人道復興支援のための人員、物資の輸送を行っている』という答えにするのか。どうして一番多い人たちがその他の部分に込められるのか。意味がわからない。
(「“等”と一緒だよ」という声)
そうですよ。いちいち法律みてたら“等”と書いて、結局そこに全部集約されているんだろって。国連関係と言いながら、メインは米軍輸送に使ってたんじゃないかって。『週間運輸実績の一例』という資料があります。国連職員を運んでいると言いながら、その中身はほとんどが米軍関係、自衛隊関係の人員だった。
人道支援と言いながら、戦闘員を輸送してたんじゃないの、っていう話だと思うんですけれども、『自衛隊が運んだ米軍兵士も復興支援のための人員だった』と、総理、宣言なされますか?」
安倍総理「これはイラク特措法に基づく活動として、このクウェートを拠点としたイラク国内の飛行場との間で、人員、物資の移送をしたわけでありまして、あくまでもこの特措法に基づく活動をしていたわけです」
山本議員「なるほど。そうおっしゃるなら総理は、自衛隊がバグダッドまで輸送した兵士たち、お届けした兵士たちがその後、何をしたのかということの詳細まで把握されているということでよろしいですよね?
ということは、それらの兵士の所属部隊であるとか、従事した作戦まで知っていたという話になります。それが把握していたということになりますから。もう一度おうかがいします。把握していたということでよろしいですか? 内容は結構です。把握していたかしていなかったか」
安倍総理「この法律によって、まさに人道復興支援活動と安全確保支援活動を行うということになっているわけでありまして、そして自衛隊の部隊は物品の輸送に際しては、武器の輸送は行わないことにしているわけでございますが、今、私は詳細について承知しているわけではございません」
山本議員「なるほど。詳細はわからないんですよね、要は。そういうふうに聞かされているというお話ですよね? 当時も。そういう話に聞かされていたということじゃないんですか?
先に進みましょうか。総理は航空自衛隊がバグダッドに…ああ、そうや。これ資料請求したいんですけど資料請求できますかね? これ総理今は把握していないけれども、昔聞いた話によるとそういうことだということだと思うんですけれども、これ、本当に平和活動のみだったのかということの詳細というのはこれ、資料請求できますかね? 隠したりしないでしょう? 出してくれますか?」
安倍総理「輸送した米兵については、イラク国内で復興支援、または治安維持、いずれかの活動に従事していたと認識しています」
山本議員「では総理は、航空自衛隊がバグダッドに、輸送活動を行った2006年から7月以降、市民、米兵の犠牲者数がどのように変化していったか把握されていますか?」
外務省・上村司中東アフリカ局長「お答え申し上げます。米軍の犠牲者数に関しましてですが、ある一定の期間をくぎって米国が発表しているものではございません。我々が持っております数字は、米国国防省の数字でございますけれども、2003年3月19日から2010年8月31日までのイラクの重要作戦全体の総数でございますが、4424名の犠牲者が出ているという数字を持っております」
山本議員「イラクで犠牲になった亡骸、この亡骸の数をカウントしているNGO『イラクボディカウント』が発表しているものをご覧になればわかる通り、2007年の民間人の犠牲死亡者数、24000人にも登っている。で、自衛隊のクウェートへの移送が始まったのは、2006年の7月だと。この当時は安倍官房長官時代ですよね。これ以後の約1年間、開戦直後の空爆が激しかった頃を別にすると、もっともイラク市民の犠牲が多かった時期であり、米軍兵士の犠牲も一番多かった時期だそうです。
総理にお聞きしたいんですけれども、2007年の1年間ですね。まぁ2007年の1年間といえば、総理が第一次安倍政権で総理になられたときですよね。この2007年の1年間で、米軍が爆撃した回数はご存知ですか? これ(事前に質問を)通告していません。ご存知かご存知ないかだけで結構でございます」
安倍総理「爆撃した回数までは今、お答えすることはできません」
山本議員「1447回。2007年の1年間で、1447回も爆撃された、というのがイラクの現状だ、と。いわゆるテロとの戦いだと先進国が始めた戦争によって、子ども、女性、お年寄り、多くの市民が犠牲になった、と。
イラク戦争に賛成したんですよね? 安倍総理は。賛成してなかったら多分ここまでこれなかったですもんね? 総理までね。で、アメリカ兵の輸送に関しても賛成されたわけですよね? これ賛成しなければここまでこれてないですもんね?
我が国の総理がイラク戦争の実態をあまり詳しくはご存じないようなんですね。その一方で自衛隊の活動を拡大しようとしているって、アラブの人々、世界の人々が聞いたらどう思うんですか。
航空自衛隊のイラクでの空輸活動については、2008年の名古屋高裁で違憲判決、憲法違反だという判決が確定しています。総理、ご存知かご存知ないかだけお答えください」
中谷防衛相「平成20年の4月17日に、名古屋高裁における判決について、違憲の確認、および差し止めを求める訴えは、不適法なものであると却下されました。また、損害賠償請求は法的根拠がないとして棄却されておりまして、国側が全面勝訴の判決でございました」
山本議員「総理、とお願いしたんです。総理にお答えいただきたい。最高責任者なんでしょ? この違憲判決。ようは、このイラクでの空輸は違憲だ、憲法違反だという判決が出た。その要旨、中身を見てみると、『政府と同じ憲法解釈に立ち、イラク特措法を合憲としても、憲法9条1項に違反する活動を含んでいることが認められる』。
人道支援といわれるものの実態は結局、米軍との武力行使一体化であった、と。それがはっきりと司法によって判断された。イラク戦争でも我が国は多くの民間人を殺すことに加担していた可能性が高いということを伝えているわけですよね。
輸送した米兵の中では、ひょっとしたら戦場に向かって、人道復興支援だという話になっていたかもしれませんけども、表向きは。でも、その中身はわからないってことですもんね?
総理は衆議院の質疑で国際憲章上、違法な武力の行使を行ってれば、それは国際法上認められないことであり、我が国はそのような国を支援することはないと答弁されました。
総理。我が国がジュネーブ条約や国際人道法や国際人権法に反する行為、つまり、戦争犯罪に協力することなんてありえませんよね? 一言でお願いしたいです。ありえるか、ありえないか」
安倍総理「我が国として国連憲章上、違法な武力の行使を行う国に対して、支援や協力を行うことはないわけであります」
山本議員「今のやりとりは、『戦争には最低限ルールがある』ということです。攻撃するのはあくまで戦闘員、軍事拠点であり、一般市民や民間施設は攻撃しちゃ駄目。当たり前ですよね?
これに反するのは戦争犯罪とする。当然です。アメリカが批准しているジュネーブ条約では、民間人に対する攻撃、殺人、傷害は禁止、病人の保護、文民病院の攻撃禁止が定められております。
そして今、総理が言われたことは、『ルール違反は許さないよ』ということですよね。で、おそらく、そういう違反をする連中とは一緒にやっていかない、という強い意思を示してくださったと思います。今までの委員会での発言でも。
でもですね、総理。一番、一体化…一体化って言ったらおかしいですか? 一番絆を深めたがっているアメリカ、米軍は、ジュネーブ条約など国際人道法、国際人権法違反の常習犯だそうです。安倍総理にとっては、お祖父様の時代から深く縁があるアメリカかもしれない。この法案が成立すれば、より一層その絆も深まるかもしれない。そのアメリカの軍隊は例に漏れず、イラクでも戦争犯罪の常習犯との呼び声が高いそうです。
2004年4月、米軍はイラクのファルージャという都市を包囲。猛攻撃を行った。翌月、国連の健康の権利に関する特別報告官が、ファルージャの攻撃で死亡したのは、90%は一般市民だった。約750人が殺されたという情報もある。国連は一刻も早く、人権侵害行為に関して、独立した調査を行うべきであるという声明も出している。フリップをお願いします。
▲山本太郎議員が使用したフリップ(2004年6月イラク西部ファルージャ、ジャーナリスト志葉玲氏撮影・提供)
救急車、攻撃されてますよ。アメリカの攻撃ですよ、これ。2004年6月、現地入りしたジャーナリスト・志葉玲さんが撮影したもの。黒焦げになった救急車。で、先ほどのお話です。国連の方が言うには、医療活動を妨害したのはアメリカ、そして救急車を攻撃したのもアメリカという話なんです。あまりにもひどすぎる。じゃあファルージャ、どんな戦いだったのか。
2004年の11月から、米軍の大規模攻撃を受けたんですけれども、この作戦に参加した米兵がこう言っている。『冬の兵士・良心の告発』というDVDの中で。攻略戦の訓練を受けていた全員、みんなキャンプに行きますから、訓練をうけますから、ある日、軍法の最高権限を持つ部隊の法務会に招集され、こう言われた、と。
『武器を持つ人間をみたら、殺せ。双眼鏡を持つ人も殺せ。携帯電話を持つ人は殺せ。何も持たず、敵対行為がなかったとしても、走っている人、逃げる人は、何か画策しているとみなし、殺せ。白旗を掲げ、命令に従ったとしても、罠とみなし、殺せ、と指示した。ファルージャで僕たちは、その交戦規定に従った。米兵たちは、ブルドーザーと戦車を使って、家屋を一つ一つ轢き潰し、人間は撃ち尽くしたか、犬や猫やニワトリなど動くものは何でも撃った。動物もいなくなったから、死体も撃った』
これ、一部のおかしな米兵がやったことじゃないですよ。米軍が組織としてやってきたことです。ファルージャだけじゃない、バグダッドでもラマディでも。
総理、アメリカに民間人の殺戮、当時やめろって言ったんですか? そしてこの先、やめろと言えるんですか? 引き上げられるんですか? お答え下さい」
安倍総理「まず、そもそもなぜ米国、多国籍軍がイラクを攻撃したかといえば、大量破壊兵器、当時のサダム・フセイン、独裁政権が、かつては間違いなく化学兵器を持ち、そしてそれをイラン・イラク戦争で使用し、多くの人々を殺し、自国民であるクルド族に対してもこれを使用して、相当多くの自国民も殺したという実績があったわけでありまして、そして、それを既に、大量破壊兵器はないということを証明する機会を与えたにもかかわらず、それを実施しなかったというわけであります。
そこでですね、国連決議において、国連憲章第7章のもとで採択された決議、678、687および1441を含む関連の安保理決議によって、これは正当化されたと、考えているわけでございます」
(議場から「878は関係ないだろ」の声)
山本議員「今、ツッコミが入りました、878は関係ないというお話が入りました。イラクに査察に入った国連の方々、700回以上ですよ、大量破壊兵器はなかったって話になっている。でも、無理矢理踏み込んだのは、アメリカとイギリスじゃないですか。
で、その片棒を担いだのは日本なんですよ。その総括がなされずに、自衛隊をまた外に出す? 遠くに出す? 拡大させる? これ、総括必要ですよ。総理、総括する必要あるでしょ? あなた自身が。だって、ずっと、その決定してきた組織の中にいて、良いポジションにいたんですから。ありがとうございます。質問を終わります」
イラク戦争開戦から10年、イラク国民の苦しみ続く
2013.03.19 Tue posted at 19:54 JST
せき椎の病気を持つノアちゃん。戦争で医療体制も破壊され、十分な治療を受けられない
「イラク戦争」の記事をお探しですか?最新関連記事が10件あります。
脊椎の病気を持つ少女、イラクで生きる
(CNN)米国主導の多国籍軍がイラクに侵攻して始まったイラク戦争10件の開戦から、19日で10年がたつ。長く続いた戦闘は数多くのイラク市民に死や絶望をもたらし、人生を一変させた。
「イラクの自由作戦」に参加した元陸軍兵のノア・ギャロウェイ氏は、戦争がもたらした影響についてこう語る。
「一国が他国に侵攻すれば、争いとは無関係だった市民に影響が及ぶ。我々はこの世界に住む人間として、そうした人たちに手を差し伸べる責任がある。 民家や人命が破壊された。米国内にも対応すべき課題はあるが、困難な時であっても我々にはやらなければならないことが多数ある」
10年たった今も、戦争による犠牲や困難に苦しむイラクの民間人は後を絶たず、人道援助の必要性は増すばかりだとギャラウェイ氏は言う。適切な治療を受けられる医療システムがないため、医療援助が必要な人も多い。
そうした人たちの1人、ノアちゃんは、脊椎(せきつい)の形成が不十分な二分脊椎の障害を持って生まれた。2005年にアブグレイブにある民家を米 兵が急襲した際に、祖母がこの子を助けてほしいと懇願。この訴えが実って米国の病院で手術を受けたが、イラクに戻って7歳になった今も車椅子で生活し、十 分な治療を受けられずに命の危険にさらされる日が続く。
ノアちゃんの祖父。自分以外にノアちゃんを支える人がいないと心配する
脊椎の病気を持つ少女、イラクで生きる
医師や看護士で組織する非営利組織(NPO)のIMCは、開戦前からイラクで活動を続け、救急医療態勢の確立などに尽力してきた。「イラクの医療態 勢は10年前に比べると大きく進歩した。負傷者の救命率も大幅に上昇した」と関係者は話す。それでもまだ任務完了にはほど遠い状況だといい、「10年前に 始まった仕事を完了するまで」活動を休むことはないと力を込めた。
戦争によって子どもたちも深刻な状況に追い込まれた。児童支援団体によれば、この10年の戦争やテロで親を失った子どもはユニセフの推計で80万人に上るといい、「緊急に人道援助が必要な状況」だという。
同団体はこうした子どもたちに食事や教育、医療などの援助を提供しており、「中には親をなくして路上で働いて自活している子どももいる。イラクの未来を担う子どもたちを愛情で支えなければならない」と訴える。
米国が介入したイラク戦争は終わっても、イラクの人たちの苦難は終わっていない。依然として大きな国際人道援助が求められている。
イラク戦争支持、背景には触れず 外務省が検証結果発表
イラク戦争と日本の関わり
外務省は21日、2003年に米国のイラク戦争を支持した政府対応の「検証結果」の要旨を発表した。米国が開戦理由とした大量破壊兵器(WMD)が、実際には確認できなかった点を「厳粛に受け止める」としているが、支持に至る政府内の議論には一切触れず、検証とはほど遠い内容だ。
米英軍主導の多国籍軍は、イラクのWMD保有を理由に先制攻撃し、フセイン政権が崩壊。だが、WMDは見つからなかった。
米英などでは当時の政府の判断の検証を実施。日本も民主党政権の松本剛明外相(当時)が昨年、外務省に検証を指示した。
検証によると「当時はイラクがWMDを隠している可能性があるとの認識が国際社会で広く共有されていた」と指摘したうえで、「WMDが存在しないことを証明する情報を外務省が得ていたとは確認できなかった」とした。「情報源のほとんどが各国政府や国際機関関係者だった」として情報収集、分析能力の強化を提言している。
外務省は21日、発表にあたり「検証対象は、政府が米英などの武力行使を支持したことの是非ではない」と説明。発表資料の「主なポイント」は、検証結果の内部報告書のごく一部だ。
当時、多国籍軍の先制攻撃に国内外で意見が割れる中、どう政府内で検討し、小泉純一郎首相の支持表明につながったのかは、ほとんど明かされていない。
■駆け込み検証の限界露呈 歴代外相に食い違い
外務省が21日に発表したイラク戦争に関する「検証結果」は、政治主導が崩れていった民主党政権の末路そのものとなった。米軍主導の先制攻撃を当時の自民党政権が支持し、国論を二分。だが、官僚に任された検証は政権中枢の意思決定に触れないまま終わった。
「検証結果」は、政治主導が崩れていった民主党政権の末路を象徴する。外相交代が続く中で官僚に委ねられ、政権中枢の意思決定に触れないまま終わった。
検証には民主党政権の初代外相の岡田克也副総理が意欲を示し、最後の玄葉光一郎外相の時に公表された。政治主導で政権交代前の外交を洗い直す意気込みは相通ずる。だが、21日の記者会見で2人の発言は大きく食い違った。
岡田氏は、自身がかつて取り組んだ米国の核兵器の扱いに関する密約の検証と比べ、「第三者の検証がない」「中身が公開されていない」と不満を連ねた。
発表資料は4ページで、玄葉氏に提出された「分厚い」内部報告書のごく一部だ。外務省は「各国との信頼関係を損なう恐れの高い情報が多く含まれるため」と説明。これを岡田氏は「内部検証の限界」と批判した。
米英軍は、結局は確認できなかった大量破壊兵器を理由にイラクを先制攻撃。それを当時の小泉純一郎首相は支持した。岡田氏は「米国の情報を検証する努力をしたのか。うのみなら問題だ。その検証が十分になされていないのでは」とたたみかけた。
多国籍軍を派遣して死傷者を出した米英やオランダでは政府が独立調査委員会を設置。政権中枢の判断について検証し、英国では当時のブレア首相らも喚問した。一方、日本外務省は検証作業で小泉氏ら政治家への聞き取りをしなかった。
玄葉氏は「公表しない前提だったが、やはり公表できる部分だけでもと(官僚に)指示した」と明かす。公表自体は政治判断だと強調したが、対象が省内の情報の扱いに絞られたなど検証内容を問題視する様子はなかった。岡田外相から玄葉外相に至る3年3カ月間で、政治主導の骨抜きが進んだことを物語る。
外務省は21日、検証結果の公表にあたり、昨年8月末に当時の松本剛明外相から受けた指示をふまえて作業を進めた、と説明した。
岡田氏は「検証をしていたとの説明を最近聞いた。これは外務省のとりまとめで、野田内閣としてではない」という苦言も呈した。外相間の縦の連携に加え、閣内での横の連携でも政治主導はほころんでいた。
岡田氏は「時期が早すぎた」と検証の拙速さを嘆いたが、野田内閣はまもなく終わる。自民党政権に引き継げば身内のかつての政治判断を検証することになり、矛先が鈍るのは確実だ。
政権を去る前に何とか結果を――とばかりに駆け込みの発表となったジレンマを、玄葉氏はこう語った。
「民主党としては、できる限り情報公開をすると言ってきた。選挙後に公表しようと考えていた」
■外務省の「対イラク武力行使に関する我が国の対応」検証結果のポイント
▽イラクで大量破壊兵器(WMD)が確認できなかった事実を厳粛に受け止め
▽開戦時にWMDが存在しないと証明する情報が外務省にあったと確認できず
▽当時の情報源のほとんどが各国政府や国際機関関係者とみられる
▽同じ事態を避けるため、多様な情報源からの情報収集、分析能力を強化
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