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「何度でも言い続けましょう。私たちには力があります。街頭に立つ力があります。おかしいことには声を上げる力があります」筑波大・SEALDs本間さん「政治的沈黙からの脱却」を訴え
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/255274
2015.07.28 IWJ Independent Web Journal
「何度でも言い続けましょう。私たちには、力があります。こうして、街頭に立つ力があります。おかしいことに対しては、声を上げる力があります。自分の頭で考え、行動し、判断する力があります」
安保関連法案に反対する集会が2015年6月27日、東京都渋谷のハチ公前で開かれた。学生ら有志で構成されるSEALDsが主催した。
筑波大学3年でSEALDsの本間信和さんはサウンドカーの上でマイクを握り、自ら行動を起こすことが民主主義の基盤であると訴えた。
「今こそ、政治的な沈黙から抜け出し、冷笑的な自分自身を蹴飛ばし、言うべきことを言うべきときです。私はここで何もせず、未来で後悔するのは絶対に嫌です。未来の社会がどうなっていてほしいのか、考え、判断し、行動することが大切です」――。
以下、本間さんのスピーチの動画と、全文書き起こしを掲載する。
(原佑介)
【本間信和さんのスピーチ動画(約8分)】
【スピーチ全文掲載】筑波大3年・SEALDs本間信和さんが渋谷で「政治的な沈黙からの脱却」を訴え「何度でも言い続けましょう。私たちには、力があります。こうして、街頭に立つ力があります」
■以下、本間信和さんスピーチ全文書き起こし
「こんにちは。筑波大学3年の本間信和といいます。よろしくお願いします。
今日、僕はここで言うべきことがあります。それは、自由と民主主義を守りたいということ、そして、私は戦争法案に反対する、ということです。
現在、国会で審議されている『戦争法案』こと、安全保障関連法案。これは、内容からして十分に話し合われ、熟議を尽くして判断しなければならない、重要な案件です。
この法案が可決されてしまえば、日本は集団的自衛権を行使できるようになり、戦争に参加する可能性がぐっと高まります。そして、その戦争とは、日本とは本来関係のない他国の戦争かもしれません。
つまり、この法案が通れば、他の国の戦争に日本の若者が巻き込まれ、命を落としたり、あるいは人を殺してしまう危険性が高まる、ということです。
そんなこと、絶対に許してはなりません。
それに対して、政府は自衛隊の活動を『後方支援に留める』と言って、決して戦闘行為そのものには関わらないんだ、という印象をアピールしています。
果たしてそうでしょうか。
政府が言い続けている『後方支援』は、国際法に照らせばロジスティックス…つまり『兵站』として見なされます。兵站とは、物資の配給や整備を行うものですが、今回の法案では、今まで禁じられてきた弾薬の運輸なども認められています。
戦争に必要な物資や弾薬を運輸している自衛隊が攻撃対象として見なされ、実際に攻撃されてしまうリスクは、とても高くなります。そもそも、安全に戦争のための物資や弾薬を運ぶということは可能でしょうか。兵站活動を展開している場所そのものが戦場となる危険性は、とても高いはずです。
この法案が通れば、自衛隊が殺し、殺される危険性は非常に高まってしまいます。そんなことを絶対に許してはいけません。
国家が国家としてある以上、国防のためにどこまで武力を持つのか、軍事費をつけるのかという議論は、絶対に必要不可欠です。そして、その武力や安全保障の戦略というものを、他国とどこまで共有するのかというのも、あるいは必要な議論であるかもしれません。
しかし、政府が現在行っているのは、そのことを真剣に考えるために議論するということではなく、大切な議論のプロセスをすっ飛ばし、自分たちに反対している言論は締め出し、国民の意見には耳を貸さぬまま、憲法を解釈によって大幅に変える、という愚弄です。
こんなことは、あってはなりません。こんなことを許してはなりません。
現在、政府は、憲法改正を国民に問う『国民投票』という民主主義のあるべきプロセスをすっ飛ばしています。彼らは今ある憲法の枠組みの中で、解釈だけを自分たちだけで捻じ曲げようとしているのです。私にはそれは、民意に委ねたら否定されてしまいそうだからやむなくとった、姑息な手段のように見えます。
また、メディアもコントロールしようとしています。つい昨日も報道されていましたが、とある勉強会で、自分たちに逆らうメディアに対して「スポンサーをつけないことが一番効くだろう」というような発言をする国会議員がいたり、「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」というようなことを発言する人を講師として招いたりしているのです。
これは、冗談だとしても、下品すぎる冗談です。
また、共同通信が5月30、31日に行った世論調査によれば、81%もの人が戦争法案に関して『説明不足だ』と答え、6月20、21日に行った調査によれば、国民の約56%が『戦争法案は違憲である』と回答しています。
また、報道ステーションが著名な憲法学者に向けて行ったアンケートによると、回答者151名に対して、146名が『憲法違反である、もしくは憲法違反の疑いがある』と回答し、憲法違反に当たらないと回答したのはたったの3名でした。
このように、国民も専門家も、多くの人が憲法違反だと指摘しているし、政府に対してさらなる説明が必要だと主張しています。
これは『改憲か、護憲か』という話ではなく、『憲法というルールに則った政治を行うかどうか』という話なんです。
現政権は、強大な権力によって、私たちに言うことを聞かせようとしてきます。メディアの口をふさぎ、国民の声は無視し、民主主義のあるべきプロセスまで放棄して、彼らは自分たちの思い通りのストーリーを組み立てています。これが独裁でないのなら、一体、何だというのでしょうか。
思い出しましょう。
私たちの生きる国、この日本の憲法にはっきりと表現されている『国民主権』という言葉の意味は何なのか。
彼らが行使している力は一見、強大すぎて、立ち向かえないかのように見えるが、本来は誰のものであるのか。その力は、私たち一人一人の中にある。私たち一人一人の中にこそあるものです。
何度でも言い続けましょう。私たちには、力があります。こうして、街頭に立つ力があります。おかしいことに対しては、声を上げる力があります。自分の頭で考え、行動し、判断する力があります。
それこそが民主主義の基盤なのです。
思い出しましょう。社会を維持したり、変えたりする力は一体どこにあるのか。それは私たち一人一人の中にある。私たちの住む社会が、どのようなものであってほしいのか、それは、私たち一人一人が思考し、判断し、行動することによって実現するんです。
今こそ、政治的な沈黙から抜け出し、冷笑的な自分自身を蹴飛ばし、言うべきことを言うべきときです。
私はここで何もせず、未来で後悔するのは絶対に嫌です。未来の社会がどうなっていてほしいのか、考え、判断し、行動することが大切です。
私たちには力があります。政治的な沈黙から出ていきましょう。
2015年6月27日、私は、戦争法案に反対します」
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