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安倍首相は、これで“国民の理解が進んだ”と自分に信じ込ませようとでもしているのだろうか?(YouTube「FNNnewsCH」より)
安倍首相が安保法制推進デモを見て「こんなの初めて」と感激! それ、あなたの身内の極右団体主催なんですけど…
http://lite-ra.com/2015/07/post-1326.html
2015.07.26. リテラ
各地で盛り上がりが止まない戦争法案反対デモ。その一方で、昨日24日には、首相官邸前で日の丸を掲げながら、安保法制を“推進”するというデモも登場した。毎日新聞の報道によれば、安倍首相はこの“安保賛成デモ”の模様を見て、「こういうのは初めてだ」と自民党議員に語ったという。
ようするに、安倍首相は「デモは安保法制反対派だけじゃないんだ……」「国民は支持しているんだ……」と言いたかったらしいのだが、もしそうだとしたら、相当に我田引水な解釈と言わざるをえない。
というのも、この安保法制推進デモに参加していたのはわずか1000人前後。しかも、このデモ、主催団体をよく見てみると、あの「頑張れ日本!全国行動委員会」なのだ。
「頑張れ日本!」といえば、「日本文化チャンネル桜」の水島聡社長が幹事長を務める極右団体で、かつては田母神俊雄氏が会長をつとめていた(現在は、金銭トラブル等が原因で田母神氏は離脱)、極右というか、ネトウヨ団体。
その主張をざっと挙げるだけでも、外国人参政権阻止、大東亜戦争肯定、日本の核武装推進、憲法改正賛成9条撤廃、嫌韓反中と、典型的なネトウヨのものだ。
また、活動内容を見ると、韓流ドラマの中止を求めたフジテレビへの嫌韓デモ、今年3月には、渋谷駅のハチ公前で“反同性愛デモ”を行い、「LGBTが社会を乱している」などといった性的マイノリティへのヘイトデマを叫ぶなど、ヘイト的な色彩も濃い。
実際、今は距離を置いているが、かつては在特会と協力してデモを行っていたこともある。
そんな「頑張れ日本!」だが、公式サイトをのぞいてみると、今回の安保法制推進デモを「7.24 平和案勢法制推進!日本を守れ!国民大行動」と銘打っていた。また、告知動画にはこんなおどろおどろしい文言が踊っていた。
「日本が危ない!」「国内反日勢力の暗躍!」「(反対デモの様子を流しながら)これは間接侵略だ!」「反日勢力と全面対決!」
安保反対デモの参加者に「国内反日勢力」とレッテルを張り、「間接侵略」など言ってアジる。このように、“敵”を設定して市井のネトウヨを動員するのが、彼らのいつもの手口であることは言うまでもない。
ちなみに大阪でも、7月20日に安保法制推進デモがこじんまりと行われたが、その主催団体「凛風やまと・獅子の会」の中心人物である女性は元在特会大阪支部長と言われている。
安倍首相は彼らの正体を知らなかったのだろうか。いや、そんなことはないだろう。
実は、2010年、「頑張れ日本!」が結成された時には、安倍首相をはじめとして、現内閣の閣僚含む安倍一派議員の多くが結成大会に参加していたという事実があるからだ。しかも、安倍首相は登壇までしてこんな基調講演を行い、喝采を浴びていたのである。
「昨日のあの本会議で、鳩山(由紀夫・当時首相)さんは『命を守りたい』と言っていましたね。医者じゃないですから。総理大臣なんですから。国を守るんですよ!総理大臣の仕事は!」
命よりも国を守るべき──この人命軽視発言は、まさに現在の戦争法案につながる、安倍首相の考え方を表すものだ。そして、「頑張れ日本!」とは根っこにある極右・ヘイト思想で完全に通じ合っているといっていいだろう。
いずれにしても、安倍首相は今回、ほとんど身内と言っていい極右団体のわずか1000人のデモの模様を見て、「こんなの初めて」と感激したというわけだ。しかも、「頑張れ日本!」の安保法制デモはこの日が初めてではなく、12日にも行っている。
もしかすると安倍首相は精神的にそうとう追い詰められているのかもしれない。だとしたら、私たちが“戦争法案反対”の声をもっともっと大きくして、安倍首相をさらに追い詰めていけば、活路は開けるかもしれない。
(宮島みつや)
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