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安保法制、TPP、ヘイトスピーチ、辺野古、秘密保護法、雇用、教育、農業、社会保障、そして原発 安倍政権の国民無視の政治に「NO!」 3000人以上の市民が日比谷野音に集結
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/254573
2015/07/24 IWJ Independent Web Journal
「3割の票で7割の議席を得て威張っている殿様がいるんです。だから4割の票で8割の議席を取って、彼らの息の根を止めてあげれば良いんです」——。
憲法学者で慶応大学名誉教授の小林節氏は、集まった3000人の市民に強く訴えた。2015年7月24日、安保法制や原発、ヘイトスピーチ、TPPなどそれぞれの問題について声を上げている団体が一同に会し、「安倍政権NO!」を一致点に抗議集会を行った。この日は首相官邸前や国会前でも抗議行動が行われ、集会をあわせのべ7万人が集結した。
【首相官邸、国会前の抗議の動画記事はこちら】
・2015/07/24 「安倍政権NO!」首相官邸、国会周辺で7万人が大抗議 警察の過剰規制に立ち往生する参加者も
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/254574
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【集会と国会周辺の抗議をまとめたハイライト動画(8分)】
【全編動画】
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/254573
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・オープニング NORA BRIGADE
・主催者挨拶 ミサオ・レッドウルフ (Misao Redwolf) 氏(首都圏反原発連合)
・スピーチ 小林節氏(慶応義塾大学名誉教授)/香山リカ氏(精神科医)/相馬由里氏(ヘリ基地反対協議会)/杉原洋氏(ストップ再稼働! 3.11鹿児島集会実行委員会)
ステージアピール
・若い世代からのアピール SEALDs
・司会 黒津和泉氏(若者憲法集会)/牛田悦正氏(SEALDs)
・日時 2015年7月24日(金)18:30〜19:15
・場所 日比谷野外音楽堂(東京・日比谷公園)
・主催 安倍政権NO!☆実行委員会
■小林節氏「安保法制は日本を米国の2軍にしようというもの」
最初にスピーチに立った小林節氏は、「この闘いは長期戦になる。3年後の衆議院総選挙で政権交代をしなければ終わらない。3割の票で7割の議席を得て威張っている殿様がいるんです。だから4割の票で8割の議席を取って彼らの息の根を止めてあげれば良いんです。そのために怒りを保って、意識を高めて、どうぞ頑張ってください」と語りかけた。
参加者を鼓舞する小林節氏
安保法制の問題点については、「憲法を破って、日本をアメリカの2軍にしようというもの。アメリカの2軍になったら、縁もない『イスラム国』のテロの標的になって、アメリカの戦争犯罪に加担して、我々も破産する」と語り、「こんなふざけた事はない」と怒りを露にした。
また小林氏は「私も頑張っていますが、肉体の限界です」と前置きしたうえで、「みなさんも交代で息抜きをして、全体の戦力が消えないように。一気に倒れてたら終わりですから。順番に倒れて順番に立ち上がってください」と、集まった聴衆の笑いを誘いつつエールを送った。
■「辺野古の海を、人殺しの米軍基地のために埋立てほしくない」
集会では安保法制だけでなく、原発やTPP、辺野古基地移設、秘密保護法、雇用、教育、農業、社会保障、そしてヘイトスピーチなど、安倍政権下で進む様々な問題について、それぞれの団体が抗議のスピーチやステージアピールを行った。
沖縄の「ヘリ基地反対協議会」相馬由里氏は、「今日も辺野古では、新しい米軍基地を造るための作業が行われています。生物多様性豊かなこの(辺野古の)海を、人殺しの米軍基地のために埋立てほしくない。この海を守りたい、多くの人に綺麗な海をみてもらいたい」と、普天間基地の辺野古移設に反対する理由を訴えた。
そのうえで、基地移設に反対するための「辺野古基金」に現時点で4億円が集まったことを発表した。
■着々と進む川内原発再稼働にNO!
「ストップ再稼働! 3.11鹿児島集会実行委員会」杉原洋氏は、7月7日に九電が川内原発1号機に核燃料を入れ始め、現在、燃料挿入を終了させてしまったことを紹介。8月10日には制御棒を引き抜き、いよいよ核分裂を再開させるスケジュールになっていることを伝えた。
「私たちはそれを許すことはできません。私たちは8月7日から川内原発正面ゲート前で、阻止行動に立ち上がります。9日には全国集会。再稼働を食い止める声をあげていただきたい」
さらに杉原氏は、安倍総理が原発の再稼働を前のめりで進める理由について、「安倍さんは軍事大国にしたいという妄想に取り憑かれ、エネルギー安全保障の中核に据えたち考えている」と指摘。さらに潜在的な核保有の願望もあいまっていると述べた。
■「命は売り物ではない!」7月末のTPP閣僚会合で日本は歴史的譲歩!?
続いては、TPP、秘密保護法、雇用、教育、農業、社会保障、ヘイトスピーチの分野で、各団体がステージアピールが行われた。
数多くの団体がステージアピールに参加した
まず「SEALDs」が、かねてから反対の声を上げてきた秘密保護法について意見を述べた。
「秘密保護法は国民の『知る権利』を侵害し、自由な言論を脅かす稀代の悪法です。権力が動向を監視する、戦前・戦中と同じ。これを許したら、また暗い時代がやってきます」
続いてはPARC(アジア太平洋資料センター)事務局長の内田聖子氏が、安倍政権のTPP推進の姿勢を徹底批判した。
「安倍政権はTPP断固反対と言って成立し、その後交渉参加した、嘘つき政権です。7月28日から始まるハワイ閣僚会合でも、農産物はもちろん、様々な問題でアメリカに譲歩しようとしています。医療、労働、食の安全、地域経済にも悪影響が及びます。命は売り物ではありません」
■消費税増税は「戦争する国づくり」の財源
全国商工団体連合会は、消費税増税について怒りの声をあげた。
「政府は消費税増税の理由を、社会保障のため、財政再建のためと大宣伝をしてきました。しかし今年度の予算案をみれば、暮らしや社会保障は削られ、防衛費だけが増えています。消費税増税は、『戦争する国づくり』の財源です。戦争法案を、そして景気をさらに悪くさせる消費税増税を廃案に追い込みましょう」
続いて東京民主医療機関連合会の看護師の女性は、社会保障の削減について安倍政権を批判した。
「安倍政権は社会保障費を3年で最大1兆5000億円削減しようとしています。これは小泉内閣以上の削減額です。そのお金でオスプレイを買ったり戦費に使うことは許しません」
全国労働組合総連合は、労働法制の分野でも進行する、安倍政権の「改悪」に反対の声をあげた。
「労働分野でも安倍政権は最悪です。賃上げ、過労死防止と言いながら、やっていることは正反対。派遣法改正によって生涯派遣、クビ切り自由に。労基法改悪で残業代ゼロ、働かせ放題、過労死促進。国家戦略特区で解雇促進、そして派遣会社には助成金を出すという」
■醜悪なヘイトスピーチ「生み育てているのは、日本会議を母体とする安倍政権」
全国農業協同組合労働組合連合会は、安倍政権が目論む農協解体について言及した。
「農協改革は、国民の食糧や地域を大企業に差し出すための改革です。そのため、農家と地域住民の暮らしを支える、大事な農協の解体を目論んでいます。農業を衰退させる農協潰しを認めるわけにはいきません」
最後に、差別反対東京アクションが、近年、在特会などに代表されるマイノリティへのヘイトスピーチについて、厳しく批判した。
「醜悪なヘイトスピーチを生み、育てているのは、日本会議を母体とする安倍政権です。安倍晋三はネトウヨそのもの。マイノリティを苦しめるヘイトスピーチは絶対にやめさせなければなりません。差別は戦争を準備し、仮想敵国を作り、戦争を正当化します。安倍政権を一刻も早くやめさせなければなりません」
■「変えたいと思うなら、言い続けなければならない」
ステージアピールのあと、SEALDsメンバーの元山仁士郎さんが、「今日ここにはTPP、ヘイトスピーチ、秘密保護法、雇用、教育、農業、社会保障、原発、そして安保法制などに関して、様々な主張を持つ人が集まっています」と語り、続けた。
「政治に対して、何が思うことがあるのであれば、政権に言い続けることによって変えることができます。変えたいと思うならば、ずっとずっと言い続けなければならないのです」
集会の終わりに、SEALDsメンバーの紅子さんによる、シュプレヒコールが行われた。3000人の参加者は、みな一斉に「安倍政権NO!」のプラカードを掲げながら、「安倍はやめろ!」「戦争反対!」などと声を上げた。
日比谷野音は「安倍政権NO!」のプラカードで埋め尽くされた
(取材:石川優、写真:原佑介、ハイライト作成:古田晃司、記事構成:佐々木隼也)
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