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『新聞と日本人 なぜ、真実を伝えないのか』(井沢元彦/祥伝社)
太平洋戦争開戦を扇動した国賊・朝日新聞の罪!北朝鮮は天国、拉致はないとデマ宣伝
http://biz-journal.jp/2015/07/post_10809.html
2015.07.22 構成=編集部 Business Journal
昨年9月、朝日新聞は東京電力福島第1原子力発電所事故において職員が撤退していたなどとする報道を取り消すとともに、8月に過去の慰安婦報道の一部を取り消した件を謝罪。さらに木村伊量社長(当時)が問題の責任を取り退任する事態に発展した「朝日誤報問題」が世間を驚かせた。しかし、朝日をはじめとする大手新聞社が誤報を謝罪するケースはまれであり、過去に何度も日本を大きくミスリードした罪を新聞は背負っていると、元TBS記者で歴史作家の井沢元彦氏は指摘する。そこで今回は、6月に『新聞と日本人 なぜ、真実を伝えないのか』(祥伝社)を上梓した井沢氏に、
「太平洋戦争開戦を自発的に煽った新聞の戦争責任」
「北朝鮮は労働者にとって天国、拉致はしていない、などと喧伝した新聞の責任」
「なぜ新聞は誤報を生み、それを謝罪しないのか」
などについて聞いた。
――日本が太平洋戦争に突入した背景には、国による報道統制を受けた新聞が戦意を煽ったことがあると一般的には考えられています。しかし実際には、報道統制が理由ではなく、新聞は自発的にそのような報道を行っていたと本書では指摘しています。
井沢元彦氏(以下、井沢) 新聞社は被害者面をしているだけで、世間が騙されているのです。日本は日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦と3連勝することにより、国力を伸ばし、景気が良くなりました。のちの人たちは第二次世界大戦を振り返って「なぜ、あんな無謀な戦争に突入したのだろう?」と考えますが、その前に3連勝してうまくいっていたという事情があり、それを煽って儲けたのが大新聞です。
昭和20年に近づいた段階では、軍部を批判した新聞の記者が徴兵されて飛ばされることもありましたが、それは最終的局面での特殊事態にすぎません。それをいいことに戦後になって多くの新聞記者たちが「我々も軍部を批判したかったが、国の圧力でできなかった」と言い訳をしたことで、それが戦後、神話として定着してしまったのです。しかしそれは大ウソです。そうした発言をした記者たちは、実はずっと戦時中に国策を支持していました。
――新聞は、具体的にどのようなかたちで戦争を支持したのでしょうか。
井沢 日本の曲がり角になった満州事変の時に、「これ以上、中国に深入りすることは危険だ」と主張した人たちもいたのです。満州事変を引き起こした石原莞爾も中国との全面戦争には反対していました。石原は「せっかく確保した満州を、もっと育てるべきだ。今、中国まで手を伸ばして、米国や英国が出てきたらどうするんだ?」と主張していましたが、当時の新聞はこういう意見を伝えていません。
あるいは、日独伊三国同盟を東條英機など陸軍の強硬派が推進したわけですが、反対派である海軍の山本五十六は「いま日本人はナチス・ドイツに心酔しているけど、その親玉であるヒットラーの『我が闘争』には『有色人種は劣等人種である』と明確に書いてある」と指摘しました。その箇所は日本語訳で省かれていますが、原語版を読めばわかることで、ジャーナリストとして伝えなければならない事実です。しかし、それを指摘した者はひとりもいません。
――なぜ書かなかったのでしょうか。
井沢 そういう事実を書いても、新聞社が儲からないからです。なでしこジャパンが勝つと新聞が売れるのと同じことが、戦争でも起こるのです。「戦争が悲惨である」と多くの日本人が思い始めたのは、戦争末期になってガダルカナルで多くの兵隊が餓死するような事態になってからで、それ以前は戦死者が出ても「バンザイ、バンザイ」でした。日露戦争でも多くの戦死者が出ましたが、国民は提灯行列をつくって祝っていたのです。今の時代と全然感覚が違います。クオリティペーパーであれば「国民は騒いでいるけど、戦地ではこれだけの人が死んでいる」「このままだと英米と対立して大変なことになる」などと報じ、そのムードを止めるべきなのに、日本の大新聞は逆に煽ったのです。
――つまり、日本の大手新聞はクオリティペーパーではなかったのですね。
井沢 残念ながら、日本にはクオリティペーパーが存在しません。部数は少数だけど良心的な経営をしていて、報道内容が国民の目や耳になっているのがクオリティペーパーですが、戦争当時だけでなく、いまだに存在しません。
例えば読売新聞は1000万部売れていますが、それだけ売れたら多数派に迎合せざるを得ません。現在国民の多数は平和絶対派ですが、戦争中は逆に戦争推進派でした。日本の新聞がその時々の多数派に媚びるという体質は、まったく変わっていません。終戦を迎えた昭和20年を機に裏と表がひっくり返っただけで、考え方自体は変わっていません。実はそういう考え方は読者をバカにしており、「国民は、放おっておいたらロクな道に行かないだろう。だから俺たちが指導してやる」という傲慢な思い込みです。
■間違い続けた北朝鮮報道¥
――本書では、従軍慰安婦問題をめぐり、朝日新聞が32年間国民を騙し続けていたと指摘しています。
井沢 責任があるのは新聞と、新聞とつるんでいる親中国派、親韓国派のような政治家です。日本の戦後には「日本は悪いことをしたのだから、中国や韓国の主張のほうが正しい」という世論がありました。それは朝日新聞を中心とする新聞が捏造したものです。そうした言説は、果たして日本のためになったでしょうか。
例えば元衆議院議長の河野洋平氏は「日本は軍国主義だ」という中国の言い分を認めてODAで巨額の税金を中国へ与え、そのお金で中国に空港や港湾が造られました。しかし、その事実を中国政府は国民に教えません。彼らが「これは日本のお金で造ったものだから大事にしなければいけない。日本と仲良くしよう」という流れになれば国民の税金を使う意味はありますが、中国共産党はいまだに「日本は悪いことをしている」と言い続けています。この構図は韓国政府も同じです。
中国は日本の野放図な援助で経済的余裕が出来、核兵器をはじめとする軍備の充実を行いました。つまり、河野氏のやったことは世界の核兵器を増やしたのです。河野氏は「核戦争に反対」と主張していましたが、結果として逆の事態を招きました。その背景には、野放図なODAを支持した新聞があり、その新聞を支持する国民がいるからです。新聞の罪は非常に重いといえます。
――新聞の罪という点では、朝日新聞はかつて一貫して「北朝鮮は夢の国」「北朝鮮は拉致をしていない」などと主張していました。
井沢 日本でも在日朝鮮人に対する差別はありましたが、特に朝日新聞をはじめとする新聞が「北朝鮮は労働者の天国で、まったく差別がない」などと宣伝しなければ、大勢の人たちが帰国せずに済みました。帰国した結果、彼らは一番下の身分に落とされて重労働をさせられたり、スパイとして疑われたり、あるいは日本に残っている親族からの送金を強要されたりして苦しみました。
あまりにも新聞の報道内容と現実が違っていたために、北朝鮮から逃げてきた人たちもいましたが、朝日新聞は当初この事実を無視していました。そのうちに無視できない人数になってくると「やっぱり問題があるのかな」というような書き方をして、「しかし拉致はしていません」という印象を与える報道に終始しました。
――一連の北朝鮮報道について、朝日新聞は紙面で反省しているのでしょうか。
井沢 朝日新聞はかつて「韓国は拷問ばかりやる悪い国。北朝鮮は良い国」と報道してきましたが、脱北者が増えて実態がばれてくると、謝りもせずに突然転換したのです。今度は「韓国は良い国。北朝鮮は悪い国。だから従軍慰安婦問題は、韓国の言い分をすべて認めなければいけない」と、コロッと変わりました。過去の北朝鮮報道に対して、一切の謝罪も反省もありません。
■新聞の傲慢
――太平洋戦争や北朝鮮問題について、新聞は事実を知らないので誤った報道をしていたのか、それとも知っていながら歪んだ報道をしたのか、どちらなのでしょうか。
井沢 最初は「何が正しいのか」を見極めようとしていたのだと思いますが、予断と偏見で結論を決め付け、あとになって誤報であることがわかっても絶対に訂正しません。朝日新聞が「これまで北朝鮮を労働者の天国のように宣伝し、その結果、帰国した大勢の人がいまも塗炭の苦しみをなめておられます。誠に申し訳ありません」と書いたことは一度もありません。
――そうした新聞の報道姿勢は、変わりつつあるのでしょうか。
井沢 あまり変わっていません。その原因のひとつとして、日本人は新聞に対して本当の意味での報道を求めていないという問題があります。ニュースには当然、国民にとって耳の痛い内容や嫌な内容もありますが、事故についてはともかく、政治報道についてはそういう報道はされません。新聞は読者に迎合すれば売れるからです。
英国には有名人のゴシップが紙面を賑わせる大衆紙が存在して売れていますが、その一方で、国民が進む先を考える上で参考になるような報道をする良心的な新聞がちゃんとあります。ところが日本には、全国紙と地方新聞の“間”に位置する新聞がありません。
――私たちが正しい情報を入手するには、どうすればよいのでしょうか。
井沢 今ではインターネットで外国の新聞をすぐに読めます。日本の新聞がどこも同じ報道をしている場合、外国の新聞を読んでみると「ここは、おかしいんじゃないか?」という問題点が見えてきます。また、新聞を複数読むという比較が大事です。比較するのは新聞だけではなく、週刊誌もありますし月刊誌もあります。速報性では新聞にかないませんが、ひとつのテーマを多角的に吟味する点で雑誌は役に立ちます。
当たり前のことですが、ひとつの媒体に頼らないことです。情報を集めるにはソースをたくさん持つことが大事で、信頼できるソースだからといって常に正しいとは限らないからです。
(構成=編集部)
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