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三上智恵監督の最新作『戦場ぬ止み』の冒頭は大浦湾のサンゴたちの映像から始まる。人の手が入ることによってサンゴ礁が姿を消しつつある沖縄本島にあって、大浦湾をふくむ北部の海岸線は自然がそのままに残された、それこそ絵のように美しい風景が続いているところだ。その場所で続けられている辺野古新基地建設阻止の闘いをドキュメンタリーとして作品化している。
映像は落ち着いていてブレがなく、必要なところはしっかりカバーしている。さらに女性監督ならではの優しさと人なつっこさが全対象を包み、沖縄の闘いの人間味というような重要な部分が浮き彫りにされている。
現地で私自身も驚かされたものだが、闘いを進めている人々が、敵対してくる機動隊や海保、民間警備会社等の人々に対して倦まずたゆまず説得を続けること、制服で身を固め命令一下で動くそういう部隊に対してロボットを見る眼であきらめ、最早説得なぞ無益であると考えそうなものであるが、そうではない。まるで息子や孫を諭すようにじゅんじゅんと説き続ける。それが命を育んだ全存在をかけての叫びから出てくることがわかる。同じ人間であるのならわかってほしいという気持ちだろう。
辺野古新基地反対闘争は十七年前から続いている。その闘いの中で生まれた子どもが今や十七歳になり中学になる双子の妹たちと共にこの闘いを続けている。親たちはいつになったら終えることができるのかとため息をつきながら闘争を続けている。安倍内閣は県知事が翁長さんになり沖縄がオール沖縄という形になろうと、新基地建設を決して止めようとはしない。
辺野古新基地は普天間基地の代替なぞという域はとっくに越えている。もっぱらアメリカの歓心を買おうというポチ心からだけでするのでもない。そこを自らの基地ともして、今後の日米の強力な軍事行動拠点にしたいという心が確実に存在している。現在強行されようとしている安保法制と一体の動きなのである。東条内閣の閣僚だった祖父の本望を受け継いだ阿倍が一番やりたいことである。
だから沖縄で阻止行動を展開している人々は大変な相手に向かっていることになる。ちょうど機関砲を供えた艦船に一人乗りのカヌーで立ち向かっていくような光景を思わせる。しかしそれはどうしてもやらなければならない闘いであり、自らの生活から、人間としての矜持から、やり続けていくしかない闘いである。
平和憲法が蹂躙されようとしている今、日本国民がそれに気づき、既に国会周辺にとどまらず全国でわき起こっている「アベ政治を許さない」闘いへ加わっていくことこそ、この『戦場ぬ止み』に出てきた闘いと表裏一体のものとなるに違いない。
福井孝典ホームページ http://plaza.rakuten.co.jp/fukuitakanori/
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