http://www.asyura2.com/15/senkyo188/msg/820.html
Tweet |
「日米貿易戦争」の端緒とされるのが70年を挟んで続いた繊維対米輸出交渉だが、米国政府が日本政府に強硬に“管理貿易”を求めるに至った時点の日本製繊維品の米国シェアは2%だったと言われている。
(佐藤栄作政権時代の交渉で、沖縄返還交渉と重なっていたので、日本側の譲歩は「糸と縄の交換」とも言われた)
TPP交渉で米国が求めているとされる主食用米の“特別輸出枠”17.5万トン増加(推定総量20.5万トン)は、800万トンとされる主食用米に対するシェア2.6%である。
日本側が譲歩して提示している7万トンから8万トンであっても総量は11.5万トンなので、需要に占める米国産米は1.4%に達する。
日本側は牛肉・豚肉と米国の主張をほぼ全面的に受け容れてきたが(乗用車の“一定台数保障輸入”まで要求)、米国に対して要求した自動車部品の関税ゼロ化や完成車の関税引き下げスケジュールなどはほとんど進捗をみせていない。
米国政権に引きずり込まれたとも言えるTPP交渉で、「日本政府はTPP交渉を大筋合意に導くためには、一定の譲歩もやむをえない」という態度は無残である。
交渉経緯に照らせば、“TPP交渉を大筋合意に導くためには米国側の一定の譲歩が必要だ”というやりとりがあってもいいはずである。
※ 参照投稿
「TPP日米閣僚級協議 コメで厳しい交渉も:輸入実需激減の主食用で枠総量を超える17.5万トンの増加要求という無理難題」
http://www.asyura2.com/15/senkyo183/msg/455.html
===========================================================================================================================
TPP交渉 主食用コメの輸入枠新設で調整[NHK]
7月18日 5時20分
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の日米協議で最大の焦点となっている、主食用のコメの日本への輸入量について、日本政府はTPP交渉を大筋合意に導くためには一定の譲歩もやむをえないとして、7万トンから8万トン程度の輸入枠を新たに設けることで協議を決着できないか、調整を進めていることが分かりました。
TPPを巡り、日本政府は今月28日からハワイで開かれる交渉参加12か国による閣僚会合で、経済規模が大きい日米2国間の関税などを巡る協議を決着させたうえで、交渉全体を大筋合意に導くことをめざしています。
これまでの日米協議で農産物5項目の主要品目は、関税撤廃の対象から除外される見通しとなっていて、このうち牛肉や豚肉は輸入量が急増した際には、一時的に関税を引き上げるセーフガードを導入することを前提に、10年以上かけて関税を大幅に引き下げる方向となっています。
一方、日米協議で最大の焦点となっている主食用のコメについては、アメリカ側が現状より17万5000トン増やすよう強く求めているのに対し、日本側は国内の農家に影響が出かねないと主張し、意見対立が続いています。
こうしたなか、日本政府はTPP交渉を大筋合意に導くためには、一定の譲歩もやむをえないとして、7万トンから8万トン程度の輸入枠を新たに設けることで協議を決着できないか調整を進めていることが分かりました。
ただ、アメリカ側がこうした日本側の提案を受け入れるかどうかは予断を許さない状況で、閣僚会合では、コメと同様に交渉が難航している日本製の自動車部品の関税の取り扱いなども絡めながら、ぎりぎりの駆け引きが行われる見通しです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150718/k10010157641000.html
==========================================================================================================================
輸入義務 争点に浮上数量、税率で攻防 TPP主食用米特別枠 日米協議 (2015/7/17)[日本農業新聞]
日米両政府が、環太平洋連携協定(TPP)交渉の最大の焦点である米国産主食用米の特別輸入枠について、数量だけでなく、税率や政府による輸入義務の有無など複数の条件で争っていることが分かった。数量が少ない場合には全量輸入義務にし、数量が多い場合には好条件での輸入機会の提供にとどめ結果までは保証しない――などの議論を行っているもようだ。ただ、米国の要求水準は高いままで、月末の閣僚協議で政治決着がつくかどうかは不透明だ。
現行では、ミニマムアクセス(最低輸入機会=MA)として無税で年間77万トンの米を輸入。政府は、MA米は「国が輸入する立場にあるため、当該数量の輸入を行うべきもの」(統一見解)として全量を輸入している。
日本はTPP交渉でMA米とは別に、米国産主食用米の特別輸入枠を設ける考え。米国は17万5000トンを要求するが、日本は国内需給への影響を最小限に抑える必要があるため数万トンが限度とみる。
数量をめぐる両国の駆け引きの中で、輸入義務の有無が争点に浮上している。新たに設ける、無税や低関税の輸入枠を比較的小さくする場合、政府の輸入義務を課す方向。その場合、毎年数万トンの輸入が必ず強いられることになる。
一方で輸入枠を広げて輸入義務を外す場合、結果として輸入が全量に満たない可能性があるが、逆に輸入量が大幅に増える可能性もある。それを大きく左右するのが、国産米の価格と外国産の価格の関係だ。
過去10年の売買同時入札(SBS)による輸入量を見ても、その関係が表れている。SBSはMAの一部で、主食用米などを10万トン程度を限度に輸入する仕組み。ただ、昨年は国産米の価格が下落したことで輸入米の価格メリットが薄れ、SBSの入札は各国合計で1万1600トンにとどまった。
他の年を見ても、国産価格が下がった年は輸入量は減る傾向にあるが、逆に国産価格が一定に上がった年は、上限の10万トンに達している。国内の農家が需給と価格の安定を実現すれば、外国産が大量に入りやすくなるという構図だ。新たな輸入枠を設定すれば、輸入義務を外したとしても、米政策の狙いと真っ向からぶつかる恐れが高い。
こうした輸入義務の有無に加え、枠の数量が比較的少なければ無税を、多ければ一定の低税率を適用するなどの選択肢も検討する。交渉関係者は「数量一本の勝負ではない」として、複雑な米交渉の仕組みを語る。
日米間の米の交渉は、4月の甘利明TPP担当相と米通商代表部(USTR)のフロマン代表との閣僚協議で隔たりが埋まらず、先週の実務者協議でも米国は要求水準を下げなかった。「10万トンを切るかどうかが攻防ライン」との声も出ており、厳しい交渉が続いている。
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=33968
==========================================================================================================================
農政の土台揺るがす 主食用米特別輸入枠 (2015/7/17)[日本農業新聞]
生産現場が飼料用米への転換で主食用米の需給調整に取り組む中、政府はTPP交渉の米国との協議で主食用米の輸入を増やそうとしている。現在、全世界から輸入する主食用米の数量は10万トン程度だが、TPP交渉では米国だけで数万トンの特別輸入枠を検討。先週の日米実務者協議でも米国は17万5000トンの要求を取り下げず「10万トンを切るかどうかが攻防ライン」との見方も出るほど、交渉は厳しい。
消費量が年間8万トンずつ減る中で、主食用米の需給調整は容易ではない。政府は、こうした難題に対して新たな米政策に踏み切り、需要が見込める飼料用米などの増産にかじを切った。3月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画でも、飼料用米の10年後の生産努力目標を現状の10倍の110万トンに設定。主食用が減る分のほとんどを飼料用の増産分に回した格好で、輸入米を増やす余地はない。
にもかかわらず、交渉結果で入ってくれば需給が崩れ、米価暴落が想定される。農家の経営を直撃するのはもちろん、米政策や基本計画というW安倍農政Wも土台から崩れかねない。米政策で目指すのは、国による生産数量目標配分に頼らず、生産者自らが需要に応じて生産する姿だ。しかし輸入で供給量全体の見通しが狂えば、そうした目標の実現は難しくなる。
国内で需給調整に努力し、価格の安定を実現した結果、逆に安い外国産米の輸入増につながるという懸念も浮上している。TPPによる主食用米の輸入は、重要品目の聖域確保を求めた国会決議との整合性はもちろん、米政策との整合性も大きく問われる。
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=33973
==========================================================================================================================
[きょうのことば]コメの輸入枠 無関税で年77万トン受け入れ
▽…海外から特別な関税でコメを輸入する枠のこと。最低輸入量(ミニマムアクセス)と呼ばれ、現在は無関税で毎年77万トンを受け入れている。日本は戦後、コメ農家を育成するために長年コメの輸入を拒んできたが、世界貿易機関(WTO)の前身であるガット・ウルグアイ・ラウンドが1993年に妥結した2年後の95年度に、同制度を初めて導入した。
▽…交渉が大詰めを迎えている環太平洋経済連携協定(TPP)でも、日本はコメ全体の関税を下げない代わりに輸入枠を増やす方向で協議を進めている。農業大国である米国とオーストラリアが枠を求めており、この規模が焦点となっている。
▽…ただ、食の多様化などを受け、国内のコメ消費量は年8万トンのペースで縮小し続けている。政府は価格が下落しないために生産調整をしているほか、主食用米から飼料用米に転換する農家に補助金を出す取り組みを強化するなど、需給調整に苦慮している。このため、輸入枠が増えれば米価が一段と下落し農家に打撃を与えかねないと警戒する声も多い。
[日経新聞7月11日朝刊P.4]
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK188掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。