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強行採決に辻元清美氏「言葉にならないほどの怒り」 岩上安身のインタビューで安保法制の矛盾と安倍総理の数々の「嘘」を糾弾
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/253113
7/16 16:00 IWJ Independent Web Journal
※7月16日テキストを追加しました!
安倍政権は国民の理解が進まぬなか、2015年7月15日、安保法制を衆議院特別委員会で強行採決。翌16日の衆議院本会議でも、民主、維新、社民、生活、共産ら野党5党が欠席するなか、静かに強行採決を終え、審議は参議院に送られた。
15日の委員会で最後の質問に立った民主党の辻元清美議員は、この日も、安保法制の矛盾、そして安倍総理の歴史認識の問題を追及した。「侵略戦争に加担する事は絶対ない」と強調する安倍総理だが、辻元氏が侵略の定義を問うと、「国際法的に定かでない」などと述べた。
この日の夜、岩上安身の緊急インタビューに応えた辻元氏は、「自衛隊の出動を判断し、指揮するのは総理。過去の戦争を国策の誤りと判断できない人に、安保法制の判断ができるのか」と指摘した。
安保関連の法案で、周辺事態法や日米ガイドラインのころから審議に加わっていたメンバーは、野党ではもう、辻元氏と共産党の志位和夫委員長、与党でも5人しか残っていないという。
「これまでの議論を知らない議員がほとんどなので、今回の審議ではできるだけ分かりやすく説明し、『変だね』と感じてもらえるように質問しました」
しかし審議では、安倍総理は辻元氏の質問に明確に答えようとせず、自民党や公明党、また総理自らが乱暴な野次を浴びせかけた。
強行採決では浜田委員長に詰め寄り、「お願いだからやめて!」と手を合わせて懇願した。採決後、辻元氏は記者団の取材に応え、自身の祖父が戦争で命を落とした事を明かし、「子どものころ、なぜ戦争になったの? と祖母に聞いたら、分からないうちにそうなったと言われた。戦争だけはアカン。立法府の人間として、絶対そんな時代をつくってはいけない」と涙を流し、声を震わせた。
インタビューでも辻元氏は、「言葉にならないくらい怒っています。憲法違反の法案をこんな形で通してよいのか」と怒りを滲ませた。
記事目次
・違憲法案の強行採決「言葉にならないくらい怒っています」
・「途中で逃げるなんて国際的に通用しない」!? 過去に答弁と180度逆の発言をしていた安倍総理
・「戦争に巻き込まれない」「自衛隊のリスクは下がる」という嘘
・「侵略」の定義が分からない総理が安全保障を判断する
・「メールやFAXなどで地元の議員に訴えを」
インタビュー動画
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/253113
・日時 2015年7月15日(水)19:30〜
・場所 衆議院第二議員会館 504号室
■違憲法案の強行採決「言葉にならないくらい怒っています」
※以下、※以下、@IWJ_ch1 によるインタビューの実況ツイートをリライト・加筆して掲載します。
岩上安身「まず本日の強行採決、いかがだったでしょうか?」
辻元清美氏「言葉にならないくらい怒っています。憲法違反の法案をこんな形で通してよいのか。先ほど国会前でスピーチしました。今日7月15日を安倍政権の終わりの始まりにしよう、と」
岩上「周辺事態法以来、安保政策に関する議論に参加してきたのはもう野党では辻元さんと共産党の志位さんしか残っていないんですよね」
辻元氏「これまでの議論を知らない議員がほとんどなので、できるだけ分かりやすく説明し、『変だね』と感じてもらえるように質問しました」
■「途中で逃げるなんて国際的に通用しない」!? 過去に答弁と180度逆の発言をしていた安倍総理
岩上「辻元さんの質問で白眉だったのは、安倍総理が作家の百田尚樹氏との対談本で語っていた内容と、総理の今の答弁が全然違うと」
辻元「後方支援に派遣された自衛隊が、危なくなったら逃げるなんてできるはずない、と質問しても総理は、『いや、中断して逃げるんです、可能なんです』と譲りませんでした。
しかし百田氏との対談本では、後方支援で途中で中断するなんて国際社会では全く通用しませんよね、と百田氏が言い、総理が『通用しません。そんな国とはどの国も一緒に活動しようなんて思いませんよね』と発言。さらにそれをインドネシアの大統領にも話したと言っている。今回の審議の答弁と180度違うことを言っているのです(※)」
(※)安倍総理は百田尚樹氏との対談本『日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ』(2013年)で次のように語っている。
安倍 私はASEANの国々において、憲法改正や集団的自衛権の行使など、安保法制懇の検討事項について説明しました。たとえば、自衛隊のイラク派遣を例に挙げ、次のように説明しました。
「サマワで日本はオランダ軍とともに活動していましたが、もし仮にオランダ軍が攻撃を受けて日本に助けを求めてきた際、日本は『ここは戦闘地域になったので、私たちはこれから撤退します。お先に失礼しますが、オランダ軍の皆さん、どうか頑張って下さい』と言い残して帰国することになるんです」と。
このように個別案件の説明をすると、ASEANのどの国のリーダーも大変驚かれます。
百田 国際社会では全く通用しないことですね。
安倍 通用しません。そんな国とはともに活動したくないと思われて当然です。一プラス一が二にはならないわけです。インドネシアのユドヨノ大統領にも、このような話をしました。
7月10日、辻元氏がこの安倍総理の答弁の矛盾について追及すると総理は、しどろもどろになり、時おり噛みながら以下のように答弁した。
安倍総理:今、 辻元委員のおっしゃっていることは、述べていることは、PKOについて……( 辻元委員「いやいや、サマワのオランダ軍。ちょっと見てください。イラクの」と呼ぶ)ああ、イラクのですね。いや、ちょっとそれは結構です。イラクのオランダ軍につきましては、それは基本的に後方支援活動ではないということでもございますから、いわば武力行使をしているところの後方支援活動ではございませんから、それはまさに、これはいわばPKO活動ではございませんが、いわば人道復興支援の活動になるわけでございます。いわば、人道復興支援という文脈において、私は、それを使ったことは、いわば駆けつけ警護的な、そこではちょっと、若干正確性は欠けますが ……(辻元委員「だから、ちょっと拝見」と呼ぶ)いや、それは結構ですが、いわばPKOにおける駆けつけ警護ということも念頭に置きながら私はそれを述べたわけでございまして…
■「戦争に巻き込まれない」「自衛隊のリスクは下がる」という嘘
辻元氏「しかも総理は『絶対に戦争に巻き込まれない』と言いました。そんなわけないじゃないか、と国民誰もが思っています。また『自衛隊のリスクは変わらない』とも。しかし中谷大臣が後にリスクが上がることを認めました。しかし最近のネット番組(自民党の公式ネットチャンネル『カフェスタ』)では『リスクは下がります』と言っているのです。
今日質問したのですが、現地で自衛隊員が捕まったらどうするのか? という問題。捕虜であればジュネーブ条約で(敵側は)守らなければならない。しかし岸田大臣は『自衛隊員は捕虜にはあたらない』と答弁しました。つまり見殺しにするのかということです。
さらに総理は3月に、『軍人として扱われなければテロリストとして扱われる』と答弁。総理の論理では、自衛隊員はテロリストとして扱われることになります」
■「侵略」の定義が分からない総理が安全保障を判断する
辻元氏「ホルムズ海峡への派遣についても、専守防衛にあたるのかと聞いたら、中谷大臣は『専守防衛の一部です』とわけのわからない答弁をしました。
また総理は『侵略戦争はしない』と何度も述べています。しかし村山談話における『侵略』の定義は『定まっていない。見る側で違う』と。侵略の定義が分からないと言うのです」
■「メールやFAXなどで地元の議員に訴えを」
辻元「安倍総理の嘘は、これだけではありません。
総理は11年前に自民党幹事長として、集団的自衛権行使が一部認められるのでは? と質問しています。当時の法制局長官に『集団的自衛権か否かは量的概念ではございません』と否定されました。
しかし今、答弁する立場になったら『集団的自衛権は量的概念でありまして』と、明らかな嘘を言っているのです」
岩上「今後、国民はどうしていくべきでしょうか?」
辻元「声を上げなくなったら終わりですから、メールやFAXなどで地元の議員に訴える。そうした声を私たちが内外に広げていく。そして来年の参院選で投票に行く、ということが大事だと思います」(了)
(佐々木隼也)
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