http://www.asyura2.com/15/senkyo188/msg/706.html
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政府の安全保障法案が衆議院で可決されましたが、この法案に対する国民の本当の理解が進んでいません。
その大きな理由は、安倍内閣が、法案の本当の目的が国民に知られないようにしようとしているからです。
この法案の本当の目的は、フランスやドイツのように、日本がNATOのような多国間軍事同盟を結べる国になって、オーストラリア、フィリピン、韓国、台湾などや、NATO加盟国の軍隊と一緒にアジア太平洋地域で多国間共同防衛体制を構築し、中国に対する軍事的な圧力を与えることです。
(拙稿 ”政府の安保法案の真の目的は、アジア太平洋地域におけるNATOのような多国間軍事同盟・多国間軍事協力体制への参加である”http://www.asyura2.com/15/senkyo188/msg/562.html)
そのために、「重要影響事態」や、「存立危機事態」などを、わざと難しい言い回しで定義して、法案の文章全体が何を意味しているかを国民や野党の議員らに、さっぱりわからなくしています。
そこで政府に代わって、筆者が、政府が意図している「重要影響事態」や「存立危機事態」の本当の意味がよくわかるように、定義し直してみました。
「重要影響事態」も、「存立危機事態」も、どちらも、外国や公海上などで戦闘しているアメリカやアメリカのお友達の国の軍隊の最高司令官が、日本の自衛隊の最高司令官である日本の首相に、自衛隊の応援を要請してきたときの事態のことです。
どちらが適用されるかは、自衛隊が応援する内容によります。
自衛隊に要請された内容が、アメリカやアメリカのお友達の国の軍隊の後方支援活動及び捜索救助活動にとどまれば、「重要影響事態」です。
自衛隊に要請された内容が、アメリカやアメリカのお友達の国の軍隊と一緒に肩を並べて前線で戦闘し、”フルスペック”の武力行使をすることであれば、「存立危機事態」です。
どんな状況で「重要影響事態」と「存立危機事態」のどちらになるかは、米国大統領またはNATO軍最高司令官の作戦計画次第です。
米国は、イラクやアフガンでの戦死者続出の痛手をさける、また、予算の制限により、陸軍削減計画を進めています。
そのための米軍の地上部隊の穴埋めが、日本の陸上自衛隊に求められています。
米空軍や米海軍の攻撃で、敵国の基地が全滅し、戦争が終盤に近づいて、敵国が日本に対する攻撃を仕掛ける能力を失っていても、敵国の占領のために自衛隊の派兵が要請されれば、それが「存立危機事態」となります。
「存立危機事態」や「重要影響事態」は、米軍最高司令官の米国大統領や、NATO軍最高司令官など、戦争遂行計画の最高責任者が判断して決めることなので、日本の首相が判断することではありません。
したがって、国会で、「重要影響事態とは何か」「存立危機事態とは何か」といくら聞いても、日本の首相は、答えようがありません。
はぐらかしの答弁しかできないのは、当たり前です。
自衛隊が日本の領域の外でアメリカやアメリカのお友達の国の軍隊と一緒に肩を並べて前線で武力行使することは、日本の集団的自衛権の行使にあたるので、日本国憲法で禁じられていますが、日本国憲法を読み間違えた日本の首相や首相の周辺人物が、そんな場合にも武力行使ができると思ってつくりあげた概念が、「存立危機事態」という概念です。
■【重要影響事態】と【存立危機事態】の言葉に意味について
【重要影響事態】
米国大統領またはNATO軍最高司令官から日本の首相へ、戦闘中の合衆国軍隊等の後方支援活動及び捜索救助活動を、自衛隊が日本の領域外でおこなうことを要請された事態。
(事例1)北朝鮮軍が韓国に攻め込み、北朝鮮軍が在韓米軍を攻撃したので、韓国の領海近くの公海上で作戦行動中の米軍空母に対して、海上自衛隊が燃料の補給をおこなうことを米国から日本に要請された事態。
(事例2)北朝鮮軍が韓国に攻め込み、北朝鮮軍が韓国軍を攻撃したので、韓国の領海近くの公海上で作戦行動中の米軍空母に対して、海上自衛隊が燃料の補給をおこなうことを米国から日本に要請された事態。
(事例3)北朝鮮軍が韓国に攻め込み、北朝鮮軍が在韓米軍を攻撃したので、韓国の領海内で作戦行動中の米軍空母に対して、韓国政府の同意を得て、海上自衛隊が燃料の補給をおこなうことを米国から日本に要請された事態。
(事例4)北朝鮮軍が韓国に攻め込み、北朝鮮軍が在韓米軍を攻撃したので、北朝鮮の領海内で作戦行動中の米軍空母に対して、日本にとって未承認国である北朝鮮の政府の同意を得ずに、海上自衛隊が燃料の補給をおこなうことを米国から日本に要請された事態。
【存立危機事態】
米国大統領またはNATO軍最高司令官から日本の首相へ、合衆国軍隊等の敵軍に対して、自衛隊が自衛隊法第88条に基づき、日本の領域外で武力行使することを要請された事態。
(事例1)北朝鮮軍が韓国に攻め込み、北朝鮮軍が在韓米軍を攻撃したので、米軍の海兵隊の揚陸支援のため北朝鮮の領海内で海上自衛隊が北朝鮮の沿岸に向けて艦砲射撃をすることを米国から日本に要請された事態。
(事例2)北朝鮮軍が韓国に攻め込み、北朝鮮軍が在韓米軍を攻撃したので、米軍海兵隊の北朝鮮沿岸への揚陸支援のため北朝鮮の領海内へヘリコプター搭載護衛艦を派遣することを米国から日本に要請された事態。
(事例3)北朝鮮軍が韓国に攻め込み、北朝鮮軍が在韓米軍を攻撃したものの、米空軍が北朝鮮領内の北朝鮮軍基地を全て爆撃で破壊したので、地上部隊が北朝鮮の首都平壌を攻撃して占領するために、陸上自衛隊を北朝鮮に派兵させることを米国から日本に要請された事態。
(事例4)JAXAが開発したイプシロン・ロケットにペイロードとして爆弾を積み込み、内之浦基地から北朝鮮の領土内へ向けて発射することを米国から日本に要請された事態。
【合衆国軍隊等】
アメリカ合衆国の軍隊や、フランス、ドイツなどのNATO加盟国の軍隊、および、アジア太平洋地域のオーストラリア、フィリピン、韓国、台湾などの軍隊。
■ 備考
政府の安保法案(我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案)の中での定義。
[重要影響事態]
そのまま放置すれば我が国に対する直接の武第一条この法律は、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な力攻撃に至るおそれのある事態等我が国周辺の地域における我が影響を与える事態(「重要影響事態法案」第1条)
[存立危機事態]
我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態(「武力攻撃事態法」改正案 第2条第4項)
我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態(「自衛隊法」改正案 第76条第1項第二号)
(http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g18905072.htm)
(http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/housei_seibi.html)
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