安保法制で日本はどうなる？

田原総一朗「安保法制で日本は『米国の仕掛ける戦争』にもつき合うのか？」〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150716-00000004-sasahi-pol
週刊朝日　2015年7月24日号

　衆院通過が目前に迫る「安保法制」。ジャーナリストの田原総一朗氏が、これに関連し、これからアメリカが起こす可能性のある戦争について言及する。

＊　　＊　　＊
　私が司会を務める番組「激論！クロスファイア」（BS朝日）で、このところ何度も、集団的自衛権について与野党の論客に出演してもらい、討論を重ねている。

　そして私は次第に、集団的自衛権を行使しなければならないような事態は、現実には起こりえないのではないか、と思うようになってきた。

　昨年7月、政府は閣議決定で、次のような「武力行使の新3要件」を決めた。

（1）密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある。

（2）我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない。

（3）必要最小限度の実力行使にとどまる。

「密接な関係にある他国」とは、たとえばアメリカのことを指しているのだろうが、アメリカに対する武力攻撃が発生するという事態は、どう考えても現実性がない。

　第2次大戦後、アメリカは何度も戦争を行っている。ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争などだ。だが、どの戦争も例外なくアメリカが仕掛けた戦争であり、アメリカが他国から「武力攻撃」されたことは一度としてない。そして今後も、いずれかの国がアメリカに戦争を仕掛けるなどということは起きえないのではないか。

　たとえば、中国が南シナ海でいくつもの岩礁を埋め立てて滑走路をつくるなど基地化して、フィリピンやベトナムなどとの緊張感が高まっている。アメリカ政府も繰り返し怒りの発言をしている。しかし、中国が南シナ海で、アメリカが正面にいることを承知で、フィリピンやベトナムと事を起こすとは思えない。アメリカも中国と事を起こすつもりはなく、「武力行使の新3要件」のような事態は生じないはずである。

　だが、これまで何度も起こしてきたように、アメリカが仕掛ける戦争がこれから先、起きる可能性はある。

　アフガン戦争やイラク戦争の失敗で、オバマ大統領は「世界の警察」であることをやめると宣言した。これまでのいずれの戦争も、アメリカとしては「世界の警察」としての戦争のつもりだったのだろうが、それをやめるというのだ。そのためかシリアのアサド政権への空爆も行わなかったし、IS（「イスラム国」）との戦争も行っていない。

　だが、私はオバマ大統領は特異な存在だととらえている。「世界の警察」であることをやめるのは、実は少なからずアメリカ国民のプライドを傷つけることになるのではないだろうか。「世界の警察」としてくり返し戦争を展開したのは、言ってみれば、それがアメリカ国民のプライドを満たす使命感となっていたのではないのか。

　そして、アメリカが戦争を仕掛けられて武力攻撃されることはなくても、アメリカが仕掛けた戦争で、相手国がアメリカ軍を攻撃することは、当然あり得る。

　問題は、アメリカ軍がこうした攻撃を受けたケースに、「新3要件」を当てはめるのかどうか、ということだ。あるいは、ベトナム戦争やイラク戦争のようなケースでアメリカ軍が攻撃されたとき、「重要影響事態法」などが発動されて、自衛隊がたとえ後方支援にしても参戦するということになるのかどうか。もしかすると、あり得るのではないか。　

コメント
1. 2015年7月16日 08:36:33 : KzvqvqZdMU その時の状況を良く観察し、国益に資するとももぇば、参加するし、あるぃわ 参加しない、と自主的決めればよいことだ。いまから原理主義的に考えるこた なぃ [３２削除理由]：削除人：アラシ
2. 新共産主義クラブ 2015年7月16日 08:41:10 : w0NMVeciJ/Y.. : n9wX432XWc 　 ＞問題は、アメリカ軍がこうした攻撃を受けたケースに、「新3要件」を当てはめるのかどうか、ということだ。あるいは、ベトナム戦争やイラク戦争のようなケースでアメリカ軍が攻撃されたとき、「重要影響事態法」などが発動されて、自衛隊がたとえ後方支援にしても参戦するということになるのかどうか。もしかすると、あり得るのではないか。 　 メディアが総じて、アメリカが戦争を始めた場合に、「重要影響事態法」が発動されて、日本の自衛隊は米軍の後方支援だけをやっていれば済む、という刷り込みを、読者や視聴者おこなっている。 　 田原総一郎氏も、そのひとりだ。 　 政府の安保法案では、アメリカが戦争を始めた場合には、新三要件で認められた自衛隊法第７６条第２項に書かれた「存立危機事態」と認定されて集団的自衛権行使がおこなわれ、自衛隊法第８８条によって自衛隊が防衛出動し、日本の自衛隊も米軍と肩を並べて最前線で武力行使をすることになる。 　 「重要影響事態法」は、従来の周辺事態法を引き継いだものだが、この「重要影響事態法」は、国民と野党の目をあざむくための囮（おとり）の法案だ。 　 「重要影響事態法」は、集団的自衛権行使とは無関係の法案である。 　 今回の政府の安保法案の本質は、武力行使のための新三要件にしたがい、改正案の自衛隊法第７６条第２項に書かれた「存立危機事態」だと認められれば、日本は集団的自衛権を行使して、米軍と肩を並べて”フルスペック”の武力行使ができるようにしたことである。
3. 2015年7月16日 08:45:07 : N4qwxcBMP6 現在の後方支援任務ですら自殺の原因になるような自衛隊員が米国とつるんで他国の為に命を懸けることなんかできるのかな。 自分の家族を守るという大義がある防衛任務なら命を懸けてくれると信じるが、米国の為では軍事ヲタク以外は辞める隊員が出てくると思う。 年寄りは役に立たない自衛隊は５５歳定年だから、転職先が見つけやすい２０歳代が大量に退職したら大問題になるだろうね。 出動命令が出る前の平常任務時なら普通に退職できるから、日本の過半が今回の法案に反対なら、積極的に自衛隊退職者を雇ってあげる行動をすれば実効はデモの比じゃないでしょ。 徴兵？　今の空軍と海軍に素人は役に立たないから意味のないことはしないし、日本人が軍人になる世界一の欠点は視力が悪すぎること。 陸軍の歩兵任務でメガネとコンタクトが必要な者ばかりでは役に立たない。
4. 新共産主義クラブ 2015年7月16日 08:45:40 : w0NMVeciJ/Y.. : FfR8hHZRqu >>02（訂正） 　 　 メディアが総じて、アメリカが戦争を始めた場合に、「重要影響事態法」が発動されて、日本の自衛隊は米軍の後方支援だけをやっていれば済む、という刷り込みを、読者や視聴者におこなっている。
5. 日高見連邦共和国 2015年7月16日 08:57:55 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk >>02>>04　『新共産主義クラゲ』＝『米犬』 「重要影響事態法」も「存立危機事態」も、政府は明確に“定義づけ”できていない。 １から１００までこれが全て。 ＞「重要影響事態法」は、集団的自衛権行使とは無関係の法案である。 まあ、ツッコムのもアホらしいんだが、オマエがそういう根拠を示してみろよ。 あ、あとイッパイの宿題もな！！（笑）
6. 日高見連邦共和国 2015年7月16日 09:50:07 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk >>02>>04　『新共産主義クラゲ』＝『米犬』 ってコトで、政府がまったく説明してくれないから、オマエに聞いておこう。 �@『重要影響事態法』と『存立危機事態』の言葉の定義と、一般的（類型的）に該当する事態の実例を上げよ。 �A『重要影響事態法』と『存立危機事態』の各々の、適用されると思われる具体的な事例を３つ以上示せ。 　（過去の実施の事例を上げてもいいし、将来的に起こりうる仮定の話しでもいい） オマエ自身が言ったコトに密接に関わりあうことだから、是非、逃げずに真摯に回答してもらいたい。 何より、オマエ自身の“名誉”のために・・・
7. 2015年7月16日 10:40:04 : KzvqvqZdMU アメリカが始めるのではなくて、中国が始めるのだょ　戦争って。 アメリカと中国を比べてみよ、まっとうな選挙制度があるか、言論の自由はどうか 真っ当な司法があるにょか　　 　　　よぉ〜く　考えてみなさぃ 　　　 [３２削除理由]：削除人：アラシ
8. 日高見連邦共和国 2015年7月16日 11:02:59 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk >>07　『便所の紙＝自称神＝（笑）』 私は日本にだって、“まっとうな司法”があるとは到底思えない。 これは岩手の小沢一郎支持者として、極々当然の思いだ。 日本が中国の何を笑えるのか？オマエを見てると、より一層その思いを強くする。 まあ、オマエがそうのさばって居られるってことは、多少の“言論の自由”がある証拠でもある。（笑） でだ、アジアの緊張を緩和させるのは、やはり“軍備（武力）”ではないな。 『中国の民主化と少数民族の自決・自立権の確立』、これに尽きる。 そして、それを心から望まないのが『アメリカ』だ、って訳だ。 お笑いだろ？
9. ジョンマン 2015年7月16日 12:04:14 : 6nagECQfUT4Mc : tad1pylu62 いつも阿修羅掲示板に張り付き、出鱈目カキコするのは、１＝クズだよ❗ こいつは、自民党諜報謀略工作隊「チームせこい」の世耕弘成官房副長官(安倍晋三の背後霊。統一協会＝国際勝共連合｡和歌山の超悪部落民)に雇われた朝鮮人バイト❗ 安倍晋三の周りには、チョンか、チョン顔負けの大嘘吐きや詐欺師だらけのようですな⁉ [３２削除理由]：削除人：言葉使い
10. ジョンマン 2015年7月16日 12:10:02 : 6nagECQfUT4Mc : tad1pylu62 ７もクズ＝安倍晋三と清和会自民党に雇われた朝鮮人バイトだね❗ こいつは、日本語も未熟なようだから、どたまが少々逝かれているのだろう⁉ お気の毒に❗ [３２削除理由]：削除人：言葉使い

11. 2015年7月16日 12:35:21 : Q45IpfOmPM もおいいよ、田原は。 この男に知的誠実は求めてない。 他でも書いたが週刊現代今年最初の特集、歴史に残る総理大臣をテーマに田崎史郎、田原総一郎の座談。 そこでの田原の発言、「やっぱり一位は安倍さんかなぁ。」だよ。 せいぜい田崎、長谷川あたりと御用お勤めしろよ、田原は。
12. ピッコ 2015年7月16日 12:49:44 : ldyqn.PAmBFfI : iq3Me2cy0Y ＞ベトナム戦争やイラク戦争のようなケースでアメリカ軍が攻撃されたとき、「重要影響事態法」などが発動されて、自衛隊がたとえ後方支援にしても参戦するということになるのかどうか。もしかすると、あり得るのではないか。 田原総一朗はいったい何を考えているのだろう。　「もしかすると、あり得るのではないか」ではなく、そのための安保法制なのだ。　先のイラク戦争で、同盟国としてカネだけ出して戦争に参加しない日本を、共に血を流そうとしない日本を、国名は言わないもののアメリカのブッシュ大統領はどれだけなじったか。　今後、ああいった事態になった時、日本だけが日本国憲法を振りかざして戦争に参加することを拒否するようなことが無いようにしたのが、あの安保法制なのだ。　だから安倍総理は「日本は安保法制を制定してアメリカとの同盟関係を深化させます」と、アメリカ議会で嬉々として言ったのだ。　安倍総理にとって「日本が普通の国になる」とは、そういうことなのだ。　「イラクには大量破壊兵器がある」と、アメリカがウソを言って始めた先の侵略的イラク戦争。　安保法制が整備されれば、そのようなアメリカの戦争にも同盟国として否応なく加担しなければならなくなるから、野党も国民も心配しているのだ。
13. 日高見連邦共和国 2015年7月16日 16:26:27 : ZtjAE5Qu8buIw : mFuG9qQlTk >>02>>04　『新共産主義モグラ』＝『米犬』 ほら、ぷかぷか浮いてきたクラゲかと思ったら、またそーやって隠れるモグラ！ 私の、>>06　のコメントへの回答、どーした？何時まで待てばいい？それ位言えっつの！ ほんとにもう、オマエ、少しはちゃんと支那よ・・・（笑）

フォローアップ:

★登録無しでコメント可能。今すぐ反映　通常 ｜動画・ツイッター等 ｜htmltag可（熟練者向）
（タグCheck ｜タグに'だけを使っている場合のcheck ｜checkしない）（各説明）

（←ペンネーム新規登録ならチェック）
↓ペンネーム（2023/11/26から必須）

↓パスワード（ペンネームに必須）

（ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。）
↓画像認証
（ 上画像文字を入力）
ルール確認＆失敗対策
画像の URL (任意):

▲上へ　　　　　 ★阿修羅♪ > 政治・選挙・ＮＨＫ188掲示板　次へ 　前へ

★阿修羅♪　http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。