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「バカの子ばかりで泣きそう」〔PHOTO〕gettyimages
安倍総理の周りには なぜ「おバカ」が集まるのか?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44165
2015年07月15日(水) 週刊現代 :現代ビジネス
誰もが呆れ、頭を抱える。安倍総理が放置してきた「取り巻き」たちの暴走、致命的な失言の数々。だが、今更抑え込むことはできない……。それが、自民党分裂への道に通じると知っていても、だ。
■激怒した安倍総理
「厳重、迅速な処分をするよう指示して」
自民党3議員による「舌禍事件」が起きた直後、官邸で話を聞いた安倍晋三総理は、その場で即座に菅義偉官房長官にこう命じたという。
安倍総理は普段、年長である菅氏に対しては敬語を使っているが、この時は、思わず敬語を使うことを忘れていた。それほどの怒りだったのだ。
オレが安保法制を進めているこんな大事な時期に、なんてバカなことをしでかしてくれたんだ……安倍総理の頭はこうした憤懣でいっぱいになっていたことだろう。
温厚で知られる谷垣禎一幹事長ですら、
「安保法案に苦闘している与党の一員だという自覚が足りない!」
と激怒。野田聖子議員は講演会で、
「酒の席での愚痴のようなことを、若い人たちが党本部の会議室で言うことが悲しい」
と話したという。
■マスコミをこらしめろ!
事件が起きたのは、6月25日に開催された、自民党若手の勉強会「文化芸術懇話会」の初会合の場だった。
会を取りまとめる木原稔自民党青年局長ら40人近くが、自民党本部の会議室に集まった。ゲストである作家の百田尚樹氏が講演をした後、議員たちが立て続けに、
「マスコミをこらしめるには、広告料収入がなくなることが一番。安倍総理は言えないが、文化人、民間人が経団連に働きかけてほしい」(大西英男衆院議員)
「広告料収入、テレビの提供スポンサーにならないことが、マスコミが一番こたえるということが分かった」(井上貴博衆院議員)
「沖縄の特殊なメディア構造を作ったのは戦後保守の堕落だ。左翼勢力に完全に乗っ取られている」(長尾敬衆院議員)
などと「持論」を展開したのである。
政府に批判的なメディアと、政権与党の間に軋轢が生じるのは世の常。しかし、議員たちが何十人も集まり「こらしめる」「潰す」などと気勢を上げるのは前代未聞だ。
「しかも会場は自民党本部。加えて、冒頭はメディアを入れていましたから、普通の議員なら会の内容がすぐに報道されることは容易に想像がつきます」(与党担当記者)
安倍総理は、谷垣氏を通じて、問題発言が確認された3人には厳重注意を下した。
だがそれも効果は薄かったようで、同月30日には、国会内で取材を受けた大西氏が再び、
「マスコミをこらしめる気はある」
と無反省発言。さらに波紋を広げた。
現在、安倍総理の頭にあるのは、とにもかくにも安保法制を通すことだけだ。アベノミクスで株価が高値をつけ、高支持率を維持している間に一気に進め、早く憲法改正に手をつけたい。
■「独裁」のツケ
だが現実には、世論、野党からの反発を受け、思うように進まない。はやる気持ちを抑えつつ、6月22日には、95日という「戦後最長の国会延長」の切り札を繰り出し、9月までにカタをつけようとしている。
その矢先の舌禍事件。
「今回の件で、安保法案が9月中にすんなりと決まることはなくなった。強行採決をするしかないという観測が強まっています。そうすれば安倍政権の支持率はさらに下がる。3人の議員はそんなことも分からず発言している。何も考えてないとしか思えない。党内では、『おバカ議員』『国会議員失格』と呼ばれています」(自民党中堅議員)
政権にとって邪魔なマスコミを排除しようと騒ぎ立て、結果、自分たちが泥沼にはまっているのだから世話はない。
まったくの自業自得としか言いようがないが、それにしてもなぜ安倍総理の周辺にはこんな低レベルの議員ばかりが集まっているのか。
今、自民党内には安倍総理に対立する人材がおらず、反対意見を述べる議員が非常に少ない。この、「安倍一強」を通り越した「安倍独裁」とも言うべき状況が、自民党議員の劣化を加速、助長していることは否めない。
「自民党内の多くの議員が、とにかく、権力が集中している安倍総理のご機嫌を取ろうとしています。言ってみれば、安倍総理へのゴマすり競争のような状況です。今回の発言にしても、『こう言えば安倍総理が取り立ててくれる』というアピール精神が暴走した結果でしょう」(政治評論家・浅川博忠氏)
実は、今回の舌禍事件の舞台となった文化芸術懇話会自体がそもそも、安倍総理に追従するために立ち上げられたものだ。
「取りまとめは木原さんでしたが、安倍総理の腹心、加藤勝信官房副長官と萩生田光一総裁特別補佐といった議員が中心となって立ち上げたもので、彼らも会に出席していた。保守の学者や論客、財界人などが政府の立場を説明しても世論がなびかないので、国民に人気のある文化人に政権の政策を評価させ、オピニオンリーダーになってもらいたいという思いがあった。『広告塔』の候補者として、ビートたけしや芥川賞作家、映画監督なども入っていたという話です」(自民党幹部)
ゴマすり競争が先鋭化すると、今回のような過激な発言が飛び出すわけだが、安倍総理は、側近を自称する彼らをこれまでの2年半、「あえて」放置し続けてきた。
たとえば、先にも触れた萩生田氏などは、その筆頭である。
昨年末の衆院選時、選挙を取り仕切る筆頭副幹事長だった萩生田氏は、テレビ局に対して、
〈公平中立、公正な報道姿勢にご留意いただきたくお願い申し上げます〉〈過去においては、具体名は差し控えますが、あるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、(中略)大きな社会問題となった事例も現実にあったところです〉
と、自民党批判を禁じる、圧力まがいの通達を出して問題となった。
■思い立ったらすぐ暴走
「発端は安倍さんがTBSの『NEWS23』に出演した際、批判的な報道に直接イチャモンをつけたことがきっかけです。萩生田氏は安倍さんの心情を忖度してテレビ局に圧力をかけることを思いついた。自ら進んで安倍さんの犬と化し、ところ構わず吠えまくれば褒められると思っているのだから始末が悪い」(前出・中堅議員)
第二次安倍政権は、こうした例に事欠かない。'13年末、安倍総理の靖国神社参拝に、オバマ大統領が「失望」を表明した際には、萩生田氏が青年局で「オバマ批判」を展開。安倍総理の「盟友」衛藤晟一首相補佐官も、YouTube上で同様の見解を示した。
高市早苗総務大臣も筋金入りだ。'13年、TPPについて党内が割れた際、「TPPは政府の専権事項」と党の反安倍勢力を無視するような発言をし、やはり安倍総理の気持ちを代弁していた。
スタンドプレーを繰り返し、タカ派の安倍総理がいかにも考えていそうなことを、あたかも代弁者のような顔をして世間に垂れ流す。
「オレ(私)は総理に代わって『正論』を唱えている」
「それができる自分こそ、安倍さんの真の側近である」
「安倍さんのためならばリスクをおかすべきだ」
「それができないのは我々の敵である」……。
かつて平家の全盛時、平清盛の義弟、時忠は、「平家に非ずんば人に非ず」と言い放ったという。現在の安倍政権は、側近たちに言わせれば、「安倍に非ずんば人に非ず」ということだ。
「安倍総理は、第一次政権を放り出した時、多くの議員に裏切られたという感覚を強く持っている。これが、強迫観念となり、自分が下野していた時にも自分に賭けてくれた議員、自分にとにかく忠誠を尽くしてくれる議員をまわりに置くようになっているのです」(前出・幹部)
安倍総理は今でも、無所属の議員にいきなり電話をし、「ウチの派閥に来ないか」と勧誘をかけるという。総理自身が「幇間」という名のおともだちで身辺を固めることを心底欲しているのだ。
それゆえ、奇矯な議員ばかりが総理の周囲に集まることになる。彼の耳に批判の声は決して届かない。安倍総理は、「裸の王様」となり、虎の威を借る狐ばかりが集まるという負のスパイラル。そこに「自浄作用」は期待できない。
数年前、同じような光景を見たことがある。
民主党が政権に就いていた頃、党内の最高実力者で、「陰の総理」と呼ばれた小沢一郎氏と、その側近たちが政権を牛耳った。
「チルドレン」を集め、「小沢派」にくみしない議員を排除する—今の安倍側近たちと同じような言動を繰り返した。
その結果、民主党自体が世論の支持を失い、ソッポを向かれた。待っていたのは、あっけなく無様な政権の崩壊である。
歴史は繰り返す……。
実際、今回の「おバカ議員」の発言も、「安倍一強」を脅かし、自民党を分解、分裂させる「終わりの始まり」となるかもしれない。
今回の側近たちの言動があまりに異様だと、安倍総理に批判的な態度を見せたのは谷垣氏だった。彼が木原氏の更迭処分を決めた後、
「処分で若手が萎縮する」
など総理に近い議員らから疑問の声が上がったが、谷垣氏はそうした反発を押し切って処分に踏み切ったのだ。
これに対して安倍総理は周辺に、
「谷垣さんのグループも、死んだふりしているけど、そうでもないんだな」
と漏らしたという。
■そしてバカしかいなくなる
そして、老獪な立ち回りで情勢の推移をじっと見つめるのは、「安倍が最も恐れる男」二階俊博総務会長である。
宥和的な態度で党内を取りまとめる実力者、二階氏は、総理とその自称側近たちが「失点」を重ねるのを待っている。彼らが調子に乗って高すぎるゲタを履いて走り回り、そのまま高転びする日を待ち構えているのだ。
「その気になれば派閥の人数を2倍にすることができる」
6月上旬の政治資金パーティで、二階氏はこう言い放った。安倍側近が図に乗れば乗るほど、不満を抱く議員たちは二階氏のもとへと流れていく。動く必要はない。熟練の投網漁師のように、仕掛けを施し、ただ待てばいいのだ。
総理の足元ですらほころびの兆しが見え始めている。菅氏の動向だ。
菅氏は、安倍総理に絶対的忠誠を誓い、権力を得てきた。だが、度重なる地方選での敗戦、一任されている沖縄基地問題の停滞などにより、総理との間に隙間風が吹き始めているとされる。
「菅さんは、『もう官房長官はたくさん。ここまで無難にやったからもういいだろう』と言っているそうです。次は幹事長を狙っているという話もある。波風が立たない形で安倍官邸を離れ、党内で自分自身の影響力を強めたいのでしょう」(前出・中堅議員)
驕れる人も久しからず—。永遠に続くかのように思われていても、「盛者必衰の理」からは、どんな政権も逃れることはできない。
「週刊現代」2015年7月17日号より
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