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安倍首相の意向で強行突破=安保法制、支持広がらず不安も
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015071400818
与党が15日の衆院特別委員会で安全保障関連法案の採決に踏み切るのは、今国会成立に決意を示す安倍晋三首相の強い意向からだ。しかし、対案を出した維新の党との修正協議は調わず、報道各社の世論調査で政府案への支持は広がっていない。閣内からも「国民の理解が進んだと言い切る自信はない」(石破茂地方創生担当相)との発言が飛び出し、強行突破には不安も漂う。
「もう流れは変えられない。官邸が微動だにしない」。衆院特別委の与野党筆頭理事による14日の協議で、自民党の江渡聡徳氏はこう説明。「客観的に見ても採決する環境になっていない」と15日採決に抵抗する民主党の長妻昭氏に理解を求めた。
官邸サイドには、衆院採決が来週以降にずれ込めば、世論や野党の反対論が勢いづくとの懸念がある。内閣支持率の多少の落ち込みは覚悟しても、速やかに参院に送付した方が得策との判断があり、首相に近い自民党議員は「週末の3連休をまたぐと反対の声が拡大しかねない」と漏らした。
菅義偉官房長官は14日の記者会見で「委員会の審議時間は100時間を超え、国連平和維持活動(PKO)協力法の審議時間よりも多くなった。いつまでもだらだらとやるべきではない」と語り、機は熟したとの認識を表明。政府関係者は「維新との修正協議がまとまるなら採決を待ってもいいが、待っても仕方がないなら強行採決と言われようが決める」と強調した。
ただ、こうした中で安全保障政策に詳しい石破氏が法案への理解不足を認めたことに対し、与党内では「余計なことを言ってくれた」(自民党関係者)と困惑が広がっている。野党側はさっそく石破発言に飛びついており、民主党の枝野幸男幹事長は記者団に「当然の認識と発言だ」と指摘するとともに、「そういう状況で強行採決するのは閣内不一致だ」などと与党を強くけん制した。
安保法案を強引な形で参院に送れば、野党の反発で参院審議が空転することは避けられず、参院選挙制度改革にも影響を与えそうだ。民主党の榛葉賀津也参院国対委員長は14日、自民党の吉田博美参院国対委員長との会談で、「衆院で強行採決すれば(参院審議は)全部ぶっ飛ぶ」と警告した。
[時事通信 2015/7/14]
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