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15年ほど経過した21世紀の日本政治は、安倍晋三氏を軸として動いてきたと言っても過言ではないと思う。
国会議員になる資質や能力にさえ欠けていると思っている安倍氏が首相にならなければならない“運命”を背負ったままの日本は実に不幸だと思う。
安倍晋三という男は家系的に総理大臣として多少は据わりのいい政治家なのかもしれないが、政治資金団体の相続に関する脱税疑惑報道を知ると、所信表明演説直後に内閣総理大臣の職務を投げ出し遁走してしまうような醜悪な政治家を再び内閣総理大臣の地位に就いてしまう日本の政治は尋常ならざるものと言える。
“アンダーコントロール”に置かれることもツキだと言うのなら別だが、安倍氏は、ツキでも実力でもなく、ある事件を契機に「背負わされた国際的使命」を果たすために、たいした実績もないまま小泉内閣で次期首相含みの官房長官に任命され、大臣になるのがやっという当選回数のまま内閣総理大臣に就任した。
そういういきさつで首相になったのに、「脱税疑惑報道」に直面すると、“腹痛”を理由に首相職を投げ出し引きこもってしまうという憲政史上最悪とも言える醜態をさらしてしまったのである。
(首相になる気概も胆力もないまま、過去のいきさつで首相になってしまったからこそ、安倍氏はあんなみっともない振る舞いをしたとも言えるが...)
主要メディアの幹部は、安倍首相が「背負わされた国際的使命」を了解しているがゆえに、安倍批判を控えるだけでなく、希代の有能な政治家であるように見せる提灯持ちに励んでいる。
12年の「尖閣諸島国有化」表明後に起きた民主党野田政権の実質的な退陣(解散総選挙)から安倍晋三氏の首相再任という動きも、哀しいことではあるが、米国+中国の“アンダーコントロール”で進められたものである。
“アンダーコントロール”にあることを自覚している(対外的にはリベラルな政策を採らざるを得ない)がゆえに、安倍氏は、右派的価値観を持つ人々の支持をつなぎとどめるため、必死になって愛国保守の仮面に厚化粧を施してきたのである。
(安倍氏は、政治的支持基盤を維持するため、靖国参拝など愛国保守のイメージを強化する動きに了解を得る外交も行っている)
安倍晋三氏の“政治的役割”がわからないと政治的動きの意図や意味が見えてこないというのが21世紀の日本だと思う。
とにかく、安倍氏には、「背負わされた国際的使命」をさっさと果たし、首相職を早く辞するよう切に願っている。
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[風見鶏]安倍首相 ツキと実力
「ツイてるね ノッてるね」という中山美穂さんの歌が1980年代にはやった。2012年末に再登板した安倍晋三首相には、このサビのメロディーがBGMに流れているように感じた。本命視されなかった12年秋の自民党総裁選での当選、3回の国政選挙の勝利、東京五輪の誘致成功……。ツキを引き寄せていた。
最近は嘆き節のBGMに変わってしまったのか。6月の衆院憲法審査会に参考人として呼ばれた自民党推薦を含む憲法学者3人が安全保障関連法案を「違憲」と明言。自民党若手の勉強会で報道の自由を制限するような発言が相次いだ。日本経済新聞社の世論調査の内閣支持率は6月が47%で5月より3ポイント低下。安倍政権に漂うおごりや慢心が足を引っ張っている。
政権運営はちょっとしたことで潮目が変わりうる。歴代の首相にとっては、自らの実力ではなく、どうしようもない運に左右されると感じるときがある。
安倍首相の祖父、岸信介元首相は『岸信介の回想』で「自分の力とか、そんなものより、運が7分です。そっちの方が大きいですよ」と語っている。首相経験者の一人も「巡り合わせの要素が大きい。政策や組織を率いる能力は大事だが、その時の国内政治や国際情勢が絡む」と振り返る。
安倍首相は「閣僚までは実力でなれる。しかし首相・党総裁は運がないとなれない」と周囲に漏らす。側近によると「自分は運がついている」と思うように努めているという。
第1次政権では年金記録漏れ問題や閣僚のカネをめぐる不祥事が続出。「運がないな」と弱気になってストレスが健康をむしばみ、ダメージが重なる悪循環に陥った。参院選の惨敗に加え、潰瘍性大腸炎で首相の座を降りた。
『運がいいと言われる人の脳科学』の著者で感性アナリストの黒川伊保子さんによると、ポジティブ志向は科学的に正しい。「過去を何度も思い煩わない無邪気さが新しい発想を生みやすくする。さらに自分は運がいいと思うことで、自覚されない潜在意識が自分に必要な情報を脳にしっかり示してくれる」と話す。
脳に幸福感をもたらす「セロトニン」と呼ばれるホルモンは腸で90%以上が作られ、脳に運ばれる。黒川さんは「腸の調子が悪いとき、人の脳は物事の暗い面に意識が行きがちになる。安倍首相の運の良さは腸の様子がいいことも影響している」とみる。
首相が強運だけで2年半の安定政権を築いたとは思わない。政治家に大切なのは本質を見抜く勘や、危機で動じない胆力だろう。
気掛かりはメンタルにある。支持率が下がり続ければ、前向きな気持ちが萎えがちになる。
第1次安倍政権で政務の首相秘書官を務めた井上義行参院議員は支持率の落ち込みにデジャブ(既視感)を覚える。「首相官邸に伝わる声は支持率60%なら8割はいい話。50%ならいい話と悪い話が半々。40%前半なら8割が悪い話になる」。順風満帆なときはお世辞が多い半面、落ち目になるとマイナス面に目が向きやすくなるためらしい。
今後は試練が待ち受ける。世論調査によると、安保関連法案の今国会成立に「反対」は57%で「賛成」の25%を上回る。衆院通過や成立の際に政権の体力を消耗させるのは避けられない。8月に予定する原発再稼働も支持率低下につながると首相側は身構える。
安倍政権の命綱は「経済」だけに、首相周辺はギリシャの債務問題や中国株安の影響が長引かないか懸念する。政権運営は難所にさしかかろうとしている。
(政治部次長 佐藤賢)
[日経新聞7月12日朝刊P.2]
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