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昨年米アカデミー名誉賞を受賞した宮崎駿監督が安保法制に強く反論!(YouTube「ANNnewsCH」より)
宮崎駿監督が安保法制を一刀両断!「安倍首相は愚劣」「軍事力では中国を止められない」
http://lite-ra.com/2015/07/post-1279.html
2015.07.13. リテラ
「安倍首相は自分が憲法の解釈を変えた偉大な男として歴史に残りたいのだと思いますが、愚劣なことだと僕は思っています」
本日、スタジオジブリで開かれた外国特派員協会主催の記者会見で、宮崎駿監督がこう吠えた。
宮崎監督といえば、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する市民運動を支援する「辺野古基金」の共同代表を務めている。本日の会見も辺野古に関するもので、沖縄への思いを語った場面では、宮崎監督が感極まったように声を詰まらせ、目に涙を浮かべた場面も見られた。そして、記者からは安保法制や安倍首相についての質問が多く寄せられ、そのなかで宮崎監督が冒頭の発言を行ったのだ。
このほかにも宮崎監督は、国民の理解も得ないままに安保法制を押し進める安倍政権について、「もともとその程度のレベルの人たちなんです。それが自分たちの数が多いと思って、のさばって、姿を現しただけだと思います」と一刀両断。
また、「いま、安倍政権がやっていることとは正反対の方法がいいと思いますが、軍事力で中国の膨張を止めようとするのは不可能だと思います。もっと別の方法を考えなければいけない。そのために、わたしたちは憲法をつくったのだと思っています」と言い、「平和憲法は光が差し込むような体験だったんです。(中略)平和憲法は不戦条約の精神を受け継いだもので、決して歴史的に孤立したものでも、占領軍から押し付けられただけのものでもないんだと思います」と、改憲には断固反対する姿勢を見せた。
先週には、本サイトでもお伝えしたように、同志である高畑勲監督も講演会で「一度戦争のできる国になったら、必ず国民もズルズルといってしまう」と安保法制への危機感を語ったばかりだが、じつは宮崎監督も以前から、憲法9条の必要性とともに、安倍首相や百田尚樹氏といった“歴史修正主義者”へ痛烈な批判を繰り出している。
宮崎監督の、このまま安倍首相の暴走を許すわけにはいかないという想い。以下に宮崎監督の過去の記事を掲載するので、ぜひいま、一読いただきたい。
(編集部)
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▽宮崎駿がラジオで安倍首相、百田尚樹を「ナルシシズム」と批判! もっと過激な発言も…
「世界的な無秩序がこれからさらには起こってくると思うんです。そういうときに、安倍さんの言っていることはシンプルすぎる。そういう懸念は僕はもっています」
昨日2月16日、宮崎駿監督がTBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』に録音出演、ジャーナリスト・青木理氏のインタビュー取材に応じ、その発言が大きな話題を集めている。
まず、フランス週刊新聞「シャルリー・エブド」への襲撃事件の発端となった風刺画のあり方について問われると、「まずもって自国の政治家にやるべきであって、他国の政治家にやるのはうさんくさくなるだけ」と述べ、「いまのイスラム国の問題も、日本のやたらに札束をすっているような経済の運営の仕方も、末期的症状の前駆的症状だと思う」と世界と日本の社会状況を批判。そして、冒頭で紹介したように、安倍首相へも不信感を口にしたのだ。
宮崎監督は、安倍首相に対する意見を、こうつづけた。
「(安倍首相は)もう少し腹になんか複雑なものをかかえて、何かをやらないと……。そのとき、平和憲法がとても役に立つんですよ。「俺たちはこの憲法を守らなきゃいけないんでね、そっちにいきたくてもいけないんです」ってね」
また、憲法論議にかぎらず、サザンオールスターズの謝罪問題に象徴されるような世間に広がる言論の萎縮ムードについても、「愚かな奴は自粛するだろうし、自粛した程度のものしか考えないで発言したんだろうなと思うんですよ。それほど、それが世論の大勢を占めているんでしょうか? 僕にはわからないんですよ」と言明。“自粛するくらいならハナからやるな”と表現者としての矜持を見せた。
さらに、百田尚樹『永遠の0』などの“零戦賛美”の風潮にも、宮崎監督は“そんなものはただのナルシシズムだ”と喝破する。
「それがいちばん楽なんです(力を込めて)。そうやって総括してしまうのが。そうすると、そこからいつまでたっても抜けだせないですね。自分たちの歴史に対するものの見方もそこから抜け出せないです。もうナルシシズムなんですよ」
今回、番組内で放送されたインタビューは30分程度だったが、実際は2時間近くに及んだという。ポッドキャスティングではこのインタビューのロングバージョンが公開されているものの、放送や配信から洩れた部分には、もっと突っ込んだ話があったらしい。
いったい他にどんな発言をしたかの詳細は不明だが、映画の公開前後のプロモーションでもなければ滅多に取材に応じない宮崎監督が、今回、ラジオ番組に出演したのはおそらく、現在の政治・社会状況への並々ならぬ危機感があったからだろう。実際、これまでも、宮崎監督はとくに憲法改正を進める安倍首相に対して強い懸念を示してきた。
たとえば、2013年に発行したスタジオジブリの小冊子「熱風」7月号では「憲法改正」を特集に掲げて大きな反響を呼んだが、このなかで宮崎監督は、
「憲法を変えることについては、反対に決まっています。選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです。本当にそう思います」
「政府のトップや政党のトップたちの歴史感覚のなさや定見のなさには、呆れるばかりです。考えの足りない人間が憲法なんかいじらないほうがいい。本当に勉強しないで、ちょこちょこっと考えて思いついたことや、耳に心地よいことしか言わない奴の話だけを聞いて方針を決めているんですから」
と、安倍首相の姑息な改憲路線に加え、政治家として最低限の知性さえ持ち合わせていないことを断罪。さらに語気を強めて、こう述べている。
「それで国際的な舞台に出してみたら、総スカンを食って慌てて「村山談話を基本的には尊重する」みたいなことを言う、まったく。「基本的に」って何でしょうか。「おまえはそれを全否定してたんじゃないのか?」と思います。きっとアベノミクスも早晩ダメになりますから」
これだけではない。この発言と同時期に宮崎監督はネトウヨから殺害予告も受けていたが、そんなものにも怯まず、慰安婦問題や領土問題にも踏み込んでいる。
「(戦前の日本は)悪かったんですよ。それは認めなきゃダメです。慰安婦の問題も、それぞれの民族の誇りの問題だから、きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです。領土問題は、半分に分けるか、あるいは「両方で管理しましょう」という提案をする。この問題はどんなに揉めても、国際司法裁判所に提訴しても収まるはずがありません。かつて日本が膨張したように、膨張する国もあります。でも、その度に戦争をするわけにはいかない。そんなことよりも、今は、日本の産業構造を変えていこうというまじめな取り組みをすべきだと本当に思いますよ。こんな原発だらけの国で戦争なんかできっこないじゃないですか」
多くの評論家たちが批判に晒されることを恐れ、自分の意見を言うことを尻込みするなか、ここまで言い切る表現者は日本にはいない。それは向こう見ずだからとか肝が据わっているとか、そういうことじゃない。たぶん、本気で怒っているのだ。
そもそも宮崎監督は、空襲も疎開も経験している戦争体験者である。そして、少年時代の宮崎は、航空機や艦船に興味をもつ、いまで言う“ミリヲタ”でもあった。だが、大学の講義で「戦争経済というものがどれほど国民経済を破壊するか」ということを知ってからは、“航空機関関係と戦記ものの本を全部捨てた”のだという。
「ものの見方が全然変わってたんです。経済とか社会とかいろんなものを抜きに飛行機を語るのはくだらないと。(中略)でも、相変わらずバカがいっぱい出てきて、零戦がどうのこうのって幻影を撒き散らしたりね。戦艦大和もそうです。負けた戦争なのに」(ロッキング・オン「CUT」13年9月号)
戦争の責任や他国への視点もなく、考えなしで戦争への憧れを語る者は許せない──だからこそ、安倍首相や百田尚樹のような都合のいい部分しか見ようとしない“ナルシシズム”の人間を徹底して批判するし、先の戦争への反省と新たな戦争に突き進もうとする日本に警告をつづけるのだ。
そういう意味では、今回、ラジオで放送されたインタビューだけでは、宮崎の懸念が十分伝わったとは言えない。憲法改正という最悪の事態へ進みつつあるいまだからこそ、宮崎監督にはもっと前面に出ていろいろしゃべってほしいと思うのだが……問題は、それを取り上げることができるメディアがどれくらいあるのか、というほうなのかもしれない。
(水井多賀子)
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