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「「立憲主義と平和主義の崩壊を阻止せよ!専守防衛ラインに引き戻せ!」水島氏インタビュー:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/17837.html
2015/7/13 晴耕雨読
https://twitter.com/iwakamiyasumi
7月12日(日)、岩上安身による早稲田大学教授水島朝穂氏インタビュー「立憲主義と平和主義の崩壊を阻止せよ!専守防衛ラインに引き戻せ!」の模様を実況ツイートします。
岩上安身「維新案に対して最も早く批判の論評を出された水島教授。他方で小林節氏は合憲のお墨付き。維新案をめぐる早慶戦の様相を呈しています」
水島朝穂氏「今回の問題を社会現象として見た時、世界史の転換点でこういう事が起きる。安保闘争がそうでした」
水島氏「あの時も強行採決だった。何十万人もの人々が国会を取り囲み、その外側では『戦争に巻き込まれる』などと学者や知識人、俳優までもが声を上げてていた。安倍総理の祖父・岸信介は『甲子園では野球を見ている人がいる』と言ったがまったくの間違い」
岩上「維新案について聞きますが、そもそも政府案の問題、根本となる『7.1閣議決定』の問題についてうかがいます。そもそもこの閣議決定(集団的自衛権の行使容認)は『第3次アーミテージレポート』で要請されていたことです」
水島「私は『トモダチ作戦』は米軍の上陸演習だ、という毎日新聞が外務省官僚の声として伝えた言葉を紹介したら非難囂々だった。日米ガイドラインに盛り込まれた『調整メカニズム』で番匠幸一郎陸将が横田基地に行って、その後指揮に加わったのが『トモダチ作戦』」
岩上「『新三要件』は『日本と密接な関係にある他国が武力攻撃され』た場合とあります」
水島氏「要は仲の良い国、つまり同盟国。ヤクザの『出入り』と同じ。仲が良いから助けるが、仲は良くないから助けない、という主観が入る。国際法上のバランスが失われる」
水島氏「国連憲章51条、米国とイギリスが『集団的(コレクティブ)』という言葉を入れて曖昧にした。しかし国連安保理が動いたら止めなければならない。それは個別的自衛権の濫用を防ぐため。この51条をみな拡大解釈しています」
水島氏「自衛権とは『わが国が武力攻撃された時』。これは外形的事実。誰が見ても客観的に武力攻撃だと認められる。しかし『存立危機事態』は抽象的。同様にかつて山本五十六がパリ条約で認められた自衛権に『在留邦人の保護』を入れ、戦争ではなく事変とした」
水島氏「太平洋戦争の時も『日本の存立危機だ』『わが国の自存自衛の戦い』とした。歴史に学ぶと国が自衛権を緩めた時は、必ず外に出て行くことにつながるのです」
水島氏「安保法制懇の報告書では『切れ目ない(シームレス)』という言葉が何度も出てくる。これは米軍の用語。政治部門が決定すればすぐに軍隊が動けるようにする。6月成立した防衛省設置法改正案で制服組(自衛官)の判断が切れ目なく決定に反映されるように」
水島氏「戦前は力を持った軍部が議員に『だまれ!』と乱暴な恫喝。これまでの自民党だったら専門的に研究している憲法学者が違憲と言ったら『重く受け止めます』と言って守らない(笑)。しかし安倍総理や高村総裁は『憲法学者ではなく最高裁が判断』などと発言」
岩上「山本五十六は昔の人で、当時の日本は好き勝手できたイメージがあるが、当時も自衛権行使のためには要件に縛られ、国際社会の目を気にする必要があったんですね。だから違法である『戦争』を『事変』と言い換えた」
水島氏「当時は『事変』で今は『事態』」
岩上「自民党が根拠としてすがる砂川判決」
水島氏「当時の基地は結構いい加減でフェンスがぺたっと倒れた。やったぞとばかりに数m敷地内に入ってわーっとやって戻った、というだけの事件。それで懲役1年は重いと地裁は無罪にし、そのために基地は違憲とした」
水島氏「高裁でしっかり調べれば罰金数千円くらいで済んだだろう。しかしマッカーサーが大慌てで当時の外務大臣(岸内閣)や最高裁判事と会って最高裁に跳躍上告させた。『米軍駐留は違憲』という言葉をとにかく排除したかった」
水島氏「それで最高裁は『自国の存立を全うするために必要な自衛の措置をとりうるのは当然。日本を守る駐留米軍は違憲ではない』、つまり個別的自衛権でカバーしきれない所を米軍が補う、というロジックで違憲ではない、とした。自衛隊が外に出ていく集団的自衛権が合憲とは言っていない」
水島氏「高村副総裁は『集団的自衛権行使は認められない、とは言っていない』などと発言。これでは、日本国憲法に『徴兵制は認められない』とは書いてないから徴兵制は可能、と言っているのと同じ論理」
岩上「昭和47年見解の欺瞞について」
水島氏「そもそもこれは自衛隊が合憲である、という論を補強するために使われてきた極めて完成度の高い文章。それは『自衛隊は集団的自衛権を行使しないから合憲なんだ』という理屈として、耐久性が高かった」
水島氏「だから長谷部恭男氏などは『自衛隊の合憲解釈の法的安定性を欠く』と言っている。この意味は、今回の法案で自衛隊を『他衛隊』にしてしまうことで、この昭和47年見解で補強された合憲解釈が無効になってしまう、自衛隊が違憲になってしまう、ということ」
水島氏「麻生太郎氏の『ナチスの手口を学んだらどうか』発言。冤罪・自作自演で全権受任法を通した。麻生氏は手法ではなく手口と。つまり悪いことだと認識。新幹線爆破など非常事態が起こった時に、軍隊はククーデターができると言っているというようなもの。」
岩上「そして今日の本題である『7.1閣議決定』は『憲法介錯だ』という問題。憲法学者・木村草太氏などは【限定して集団的自衛権を認めたもので、個別的自衛権で対処できるものを、あえて集団的自衛権と呼んでいるだけだからさほど心配しなくても良い】と主張」
岩上「さらに【在日米軍基地への攻撃に対する自衛隊の反撃について。米軍への攻撃だから集団的自衛権行使とも説明できる】【閣議決定は、日本の防衛以外に軍事活動はしないという憲法の枠組みを超えてはいない】と主張。水島氏はこれは誤りだ、と断じていますね」
水島氏「国連憲章は自国の憲法に従うべしとしている。日本は国連憲章に加盟しているが集団的自衛権は憲法で認めていない。他国防衛のために自衛隊を使えないという歯止めをわが国の政府はずっととってきました。つまり個別的と集団的は重ならない。二者択一です」
水島氏「わが国が合憲としているのは自国への武力攻撃。閣議決定は他国への武力攻撃。つまり重ならない。これまで質問主意書などで『重なるのか?』という問いに対して、重ならないという姿勢を貫いてきた」
岩上「7月8日、維新の党は平和安全整備法案・国際平和協力支援法案の2法案を国会に提出。その後、政府案から抜け落ちている尖閣諸島など離島防衛のための領域警備法案を維新・民主共同で提出。これを多くの人がどう考えたら良いのかと右往左往しています」
水島氏「領域警備法案の共同提出について。長谷部氏などが『違憲』と断じた時に潮目が変わった。与党は圧倒的不利になった。この時、やっぱり橋下徹氏が登場、安倍総理と会談。落とし所を模索したのでしょう。与党多数でも野党が公聴会に応じないと採決できない」
水島氏「6月22日に戦後最長の会期延長を行い、採決への意欲を示した段階で対案提起というのは、出来すぎのタイミング。対案というのは審議をしましょう、という話。これまでは廃案にすべしという議論だったのですから。これは橋下さんのタイミングでしょう。」
岩上「領域警備法案について。そもそも国際法上『領海侵犯』という概念は存在しないと。これは驚きです」
水島氏「そもそも領域警備法案というのは、海保にとってはけしからん介入。これまでは、どちらかと言えば極右的な勢力が提出していた。民主党は反省すべき」
水島氏「国際法上、領海には沿岸国の主権が及ぶが、他方、船舶には公海自由の原則があり、すべての国の船舶は他国の領海内であっても無害通航が認められている。外国公船に軍艦が出て行ったら戦争になる。日本の公船も他国の領海を航行しています」
水島氏「戦犯は石原都知事のヘリテージ財団での尖閣購入発言。棚上げにしていたものに、日本がちょっかいを出した。つまり海上自衛隊が海上保安庁を乗り越えたいという特殊な思想の人たちの主張。それを民主党が出し、安倍総理に蹴られるという悲劇であり、喜劇」
水島氏「さらに中国にとっても良い話。中国で声が大きいのは陸軍。中国海軍が一番喜んだのが尖閣問題。焦った空軍が言い出したのが防衛識別圏。どんどん予算が通るように。南沙諸島でもも日本が進出するから、と国内で煽っている。日本が挑発する度に養分になる」
岩上「いよいよ維新案の中身について。存立危機事態よりも要件、地理的制限を強めた『武力攻撃危機事態』がウリですね」
水島氏「よく読むと『わが国周辺の地域』と書いてある。公海上だけでなく陸地も含まれる。つまりかなり広い範囲」
水島氏「日本来援中の米艦船を守るのは個別的自衛権と、1983年に中曽根総理が答弁。しかしここで中曽根総理は『わが国が武力攻撃中に』と前置き。しかし維新案は『わが国に対する外部からの武力攻撃を「除く」
』と書いてある。つまり集団的自衛権」
水島氏「つまり維新は『わが国に対する外部からの武力攻撃』が個別的自衛権であることを分かっていて、さらに、それ以外での『わが国の防衛のための外国の軍隊に対する武力攻撃』の際の自衛権発動(集団的自衛権)を認めている。存立危機事態でほぼ同じ」
水島氏「さらに自衛隊法88条では憲法9条で禁止されている『武力行使』が認められているが、これを従来の政府解釈で『集団的自衛権を除く』と橋渡しをしていた。7.1閣議決定はこの政府解釈を『集団的自衛権を認める』としたために、88条の武力行使が集団的自衛権が含まれるとなった」
水島氏「政府はこの閣議決定に基づき、自衛隊法76条の『防衛出動』の要件に『存立危機事態』を盛り込み、88条と連動させた。維新案はこれを『武力攻撃危機事態』に変えただけで、閣議決定で集団的自衛権が含まれてしまった88条はそのままなんです」
水島氏「安倍総理はニコニコで『今は、スガさんの家に強盗が入って電話で助けを求められても助けられない』と言うが、強盗が入ったらまず110番通報しますよね。つまり国連です。安倍総理の頭の中には国連がない。仲の良い友達、米国なんです」
水島氏「小林節氏は『日本を守りに日本海に来ている米軍の艦船への攻撃は、それは当然在日米軍基地があるから日本に対する攻撃の着手』としているが、まず米軍基地はわが国本土ですが、米艦船は切り離されている。わが国攻撃以外は集団的自衛権、ゆえに違憲です」
岩上「IWJが松野代表に『7.1閣議決定』を認めるのか?と質問」
水島氏「質問にはっきり答えませんでしたね」
岩上「さらに閣議決定は違憲か合憲か?という質問には、『閣議決定が違憲か合憲かという論評をすることはありえない』などと回答」
岩上「なぜ維新は曖昧な姿勢なのか。集団的自衛権賛成の日本維新の会と反対の結いの党の合流時に、集団的自衛権の否定ではない『自衛権の再定義』という玉虫色の合意をした。橋下氏は7月9日の会見で『集団的自衛権の否定は合意破棄だ』と言っています」
岩上「石橋湛山は『わが国の独立と安全を守るために、軍備の拡張という国力を消耗するような考えでいったら、国防を全うすることができないばかりでなく、国を滅ぼす。したがって、そういう考え方をもった政治家に政治を託するわけにはいかない』と述べていますね」
水島氏「国を守ろうとした石橋湛山が失脚しなければ日本は今頃違う風景を見ていましたね。戦後、自民党が専守防衛ラインを守ってきたのは、平和を求める国民や専門家、知識人が守らせてきたものです。今回はそれを打ち破った。だから私は声を上げているんです」
水島氏「安倍総理は『諸国は戦争してきたではないか』と言ったが、『諸国』は信頼できないが『諸国民』を信頼すべき。北朝鮮の高級官僚や軍幹部は戦争を望んでいない。なぜなら特権がすべて消えてしまうから。上海の公害問題対策などでも日中は交流している」
岩上「日本に対する国連憲章の『敵国条項』について」
水島氏「敵国条項は復活するかもしれません。安倍政権は憲法9条を無視。9条はポツダム宣言によって立つ。米国との戦争状態に戻すのか?安倍総理は『再び日本を世界の中心に取り戻す』と」
岩上「ロシアのラブロフ外相は5月20日『敵国条項』に言及し、牽制。今の戦勝国の秩序に日本は入るのか?と問うていますね」
、水島氏「牽制したが、安倍総理は理解しできていないでしょう。子どもの喧嘩に例えたあのチャチな説明に現れています」
以上でインタビュー終了。
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