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2015年7月13日
無駄な競技場を作るのに2500億円もの巨大な費用を投入できる財力があるなら、消費税の更なる増税は必要がない。
こんな無駄満載の利権事業を放置しておいて、国民に過重負担を強制することはまったく正当化されない。
そもそも、オリンピックを日本に誘致する必然性はない。
政治に対する不満、政治に対する関心をそらすうえでオリンピック誘致は有効だろう。
また、スポーツは新しい巨大利権産業である。
この視点で、利益拡大のためにオリンピックが熱望されていることも事実だ。
スポーツそのものを否定する考えはないし、アスリートを批判する考えもない。
しかし、オリンピックを喰いものにしようとする利権集団、シロアリ集団は百害あって一利なしの存在だ。
そもそも、日本のメディアは、日本の財政事情がギリシャ並みだと宣伝し続ける存在である。
本当に日本財政が崩壊寸前というなら、とてもオリンピックなどにうつつを抜かしている状況ではないだろう。
財政事情も厳しいから、
「コンパクトな大会」
にすると言うなら、既存の施設を有効活用して、費用をかけずに、国民に負担をかけずに開催するのが筋である。
現に、オリンピック招致活動では、
「都市の中心で開催するコンパクトな大会」
と銘打っていたのではないか。
ところが、オリンピック招致が決まると、様相がまったく変わった。
国立競技場を解体して、新しい国立競技場を作るという。
その費用に2500億円もの金を注ぎ込むことが推進されている。
しかも、そのデザインについては、惨憺たる悪評がつきまとっているのである。
コンペでデザインが決定されたと言うが、そのコンペ自体が疑惑まみれの代物である。
『月刊FACTA』2014年9月号は、
「新国立競技場に森・石原「密約」」
と題する記事の冒頭に、次のように記述した。
「ベチャッとつぶれたカブトガニに似て、誰が見ても醜い。余計な尾剣とビラビラの鰭を切りとった見直し案でも、窮屈そうでおよそ建築の美とはほど遠い。2020年東京オリンピックのメーン会場となる新国立競技場の基本設計案のことである。」
このデザインを絶賛する専門家はほとんどいない。
FACTA記事は
「「出来レース」? 安藤コンペ」
の見出しを付けて、次のように記述した。
「コンペ自体が問題だった。審査委員会は委員長の安藤ら10人だが、46応募作品からザハ案に絞っていく過程が、東京新聞の情報公開請求で明らかになった。
最後はザハ案とアラステル・リチャードソン案と妹島和世案の三つに絞られ、安藤がまず妹島案を落とした。
二次選考で最終判断を委ねられた安藤は「日本の技術力のチャレンジになる」という理由でザハ案に決めたが、関係筋は「出来レース」と解説する。」
大きな問題になっている新国立競技場は、デザイン選定の過程から、疑惑が渦巻く問題案件だったのである。
安倍政権は野田政権時代に決定されたと自己弁護するが、野田政権も安倍政権も利権まみれ、利権複合体政権である点において、まったく相違はない。
目くそ鼻くその類いである。
安倍晋三氏は、新しいデザインを決定して新競技場を差し替えることは時間的に難しいと言うが、そんなことで、血税を無駄な施設に投入することが許されるわけがない。
建設が無理なら、大会開催を返上する決定を急げばよいだけのことだ。
日本の主権者の多数が、新国立競技場建設の現状案に反対している。
この声を無視することは許されない。
財政事情が逼迫していると政府が喧伝するなかで、2500億円、恐らくはそれ以上に膨らむであろう箱もの建設への無駄遣いを放置してよいわけがない。
直ちに建設計画全体を見直し、差し替えるべきである。
「時間が足りない」
は無駄な建設事業強の理由になり得ない。
夏休みを遊びほうけた子供が、8月末になって「時間が足りない」と言っているようなものだ。
安倍政権が発足して2年半以上の時間が経過していることを忘れてはいけない。
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