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「危険の外側は安全だというのは間違いです。:深草 徹氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/17785.html
2015/7/7 晴耕雨読
従来の周辺事態法による後方地域支援、テロ対策特措法・イラク特措法による支援活動の実施場所は、法文上「そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」と限定されていました。
重要影響事態法、国際平和支援法では、そこが大きく変えられようとしています。
重要影響事態法による後方支援活動、国際平和支援法による協力支援活動は、法文上「現に戦闘行為が行われている現場」では実施しないとないとされているだけですから、周辺事態法、テロ対策特措法・イラク特措法と違い、戦闘行為が行われる可能性のある危険な地域においても実施できることになります。
政府・与党は、いずれの場合も法文上はどうあれ、実際に防衛大臣が定める実施要綱において、「そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」を指定することになるから、従来と変わらないと説明しています。
しかし、詭弁、その場しのぎの言い逃れに過ぎません。
イラク特措法で派遣された空自は、法文上「そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」でしか支援活動ができなかった筈ですが、実際には、現に戦闘行為が発生していたバクダッドへ武装米兵の空輸活動を行い、迫撃砲の砲撃も受けたりする危険に遭遇しています。
法文上の歯止めがあったのにそれを無視して戦闘現場ともいうべき場所での活動を命じていた過去の事実に照らせば、法文上歯止めがはずされながら、なおかつ防衛大臣が指定するのは「そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」だけだと強弁するのは厚顔無恥。
土曜日のNHKスペシャル「自衛隊はリスクが高まるのか」でも、高村正彦氏、北側一雄氏は、防衛大臣が実際に実施場所を定めるのは「そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」だと言っていました。
弁護士を三百代言と呼んだ昔に引き戻して欲しくないですね。
ジュリスト7月号で、周辺事態法制定に関与した元内閣法制局長官大森政輔氏が語っています。
自衛隊が活動できる場所を、「そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」と定めたのは、戦闘現場との間にバッファーゾーン(緩衝地域)を置く枠組みであったと。
危険の外側は安全だというのは間違いです。
危険のまわりに十分なバッファゾーンをとることが必要。
その外側においてはじめて安全が確保されます。
周辺事態法で「そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」との定めはそのような安全思想に基づいていたのです。
テロ対策特措法、イラク特措法も周辺事態法と同じく、戦闘現場との間にバッファゾーンを置く枠組みが法定されました。
それでもイラクでは、空自は戦闘現場にまで入り、総計23000人を超える武装米兵を輸送しました。
その大半は第一次安倍政権時代のこと。
安倍首相はそのことを今も隠しています。
戦闘現場との間にバッファゾーンを置く枠組みを取っ払ってしまおうとするのが、今回の重要影響事態法案、国際平和支援法です。
そこで、イラクにおける実情を隠しとおす安倍首相が、実施時には、安全を十分確保できる場所にしか派遣しないと言えば言うほど、しらじらしく、ウソっぽく聞こえてきます。
大森氏は自衛隊の活動メニューについても重要な証言をしています。
武器・弾薬の供給と発進準備中の航空機への給油・整備をわざわざ備考欄において除外したが、それは、内閣法制局がそれらは武力行使と一体化する類型だと疑義を呈したからであり、ニーズがないというのは表向きの理由だと言うのです。
「武器・弾薬の供給と発進準備中の航空機への給油・整備」を行わないことにしたのは、武力行使と一体化することになり、武力による威嚇、武力行使をしないとする法律の原則に反するからでした。
重要影響事態法、国際平和支援法では武器の供給以外は復活させました。
今度はニーズがあるからとの理由で。
政府・自民党は自衛隊員のリスクは高まることはないと言い続けています。
公明党の方はリスクはあるが、法案ではそれを最小限にする仕組みを作っていると言い張っています。
どちらも不真面目、その場しのぎの言い逃れをしているに過ぎないことは、これまで縷々述べたことでおわかり頂けたことでしょう。
最後に大森元長官の警告と批判です。
安倍政権が「戦闘現場」でなければよいとすることについて「余裕がなくなるから、戦闘地域の中で立ち往生したら大変な事態になる」。
さらに自衛隊による弾薬提供や戦闘発進中の戦闘機への給油など支援内容を拡大することは「とんでもない」。
これでこそ法律家です。
もう一つおまけ。
自衛隊員のリスクが臨界を超えることを重要影響事態法、国際平和支援法に即して述べましたが、それは、それらに限らず今回の安保法案全てにあてはまります。
自衛隊員が戦闘に巻き込まれれば日本の危機になります。
同時に世界を睨み付ける法制と態勢づくりは日本脅威論につながります。
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