歴史的には、
日本こそ朝鮮半島、満州、中国、東南アジアに、
欧米の植民地主義と一緒になり、競合して、
遅れた植民地主義国として東アジアに侵略していった当事国なのさ。

だから今なおその記憶がある日本人が、
旧大日本帝国と同様の国が周りにあるのではと疑心暗鬼になるのも仕方がない。
日本こそがアジアにおける唯一の侵略国だったからな。

しかしその結果は歴史的に明かで、
大勢の日本国民は大陸や南方で悲惨な戦闘に送り込まれて命を落とし、
あるいは空襲、原爆、敗戦、占領により塗炭の苦しみを味わって、
さらに今なおアメリの隷属国になっている、
これが歴史的に明かな軍事力による解決の成果なのさ。

さらに、
少なくとも戦後連合国の占領を脱し独立したのは軍事力のお陰かい、
防衛力増強のお陰かい。

大ローマ帝国、モンゴル帝国、ペルシャ帝国、大英帝国等、
武力によって他国を支配できた時代もあることは確かだ。
しかし今の国際関係はそうした支配を許しはしない。
唯一の例外は、実は世界の警察国家たるアメリカで、
今なお軍事力で世界の発展途上国の資源や経済に対する支配権を確保しようとしている。
その典型は、
悲惨なことに今やテロと戦乱の真っ直中にある中東だ。
今日一番の危険な大国はアメリカなのだ。
しかしそれと戦うほどの戦力を日本が持てるとでも思っているのか。

今のようなアメリカ一辺倒の安全保障とアメリカの言いなりの外交政策ならば、
いくら日本が軍事力を持とうと、
うかうかしてればTPPに代表されるようにアメリカの支配するグローバル経済の餌食さ。
日本の戦力など、
アメリカの軍需産業にとっては、
言い値で武器を買ってくれるお人好しでお金持ちのお得意様ってとこさ。

そのアメリカとさえ、
対等に対峙しようとするなら、
両国関係を良好に保つだけでなく、
日本の民力、経済力、交渉力を高め、
アメリカ以外の国との関係も良好に保ち、
国際関係の外交的・経済的・文化的なネットワークを張り巡らせるよう努力をすることだ。
つまり今日、戦力で他国を支配するのは最低の愚策で、
外交と経済で攻め支配するのが高等戦術なのさ。
だから、それに抗して他国の支配を受けないようにするためには、
最低限の自衛力は必要だとしても、
最終的には、
政治・経済・外交の力と国民の民力、文化力、技術力を高め、
知恵の限りを尽くすことしかない。