http://www.asyura2.com/15/senkyo188/msg/165.html
Tweet |
安倍的“壊憲”を論破する 無敵の憲法学者 小林節
http://diamond.jp/articles/-/74364
2015年7月6日 佐高 信 [評論家] ダイヤモンド・オンライン
6月4日の衆議院憲法審査会で、早大教授の長谷部恭男らと共に特別委員会で審議中の安保法案は憲法違反だと断じた慶大名誉教授の小林節の発言が波紋を呼んだのは、その卓抜な比喩のせいもあった。たとえば、戦争への協力を銀行強盗を手伝うことになぞらえて、小林はこう皮肉ったのである。
「(他国との武力行使は)一体化そのもの。長谷部先生が銀行強盗して、僕が車で送迎すれば、一緒に強盗したことになる」
その前に小林は、安保法案の本質について「国際法上の戦争に参加することになる以上は戦争法だ」と批判し、平和安全法制と名づけた安倍晋三首相や政府の姿勢を「平和だ、安全だ、レッテル貼りだ、失礼だと言う方が失礼だ」と斬り捨てた。
● 憲法のイロハも知らない自民党の御用評論家
小林は改憲論者であり、私は護憲論者だが、安倍的“壊憲”論に危機感を深くしていることでは一致しており、最近とくに交友を深めている。
6月12日には神田駿河台の連合会館で「安倍“壊憲”政治をストップする! 」という集会を開き、私と対談してもらった。
名うての改憲派の山崎拓(自民党元副総裁)と小林が、それぞれ、早野透(桜美林大教授)と私を相手に「安倍晋三の大暴走に猛抗議する」というキャッチフレーズの下にである。
主催は土井たか子や落合恵子と共に私がつくった「憲法行脚の会」。
ここに小林の「自民党改憲草案集中講義」というパンフレットがある。『日刊ゲンダイ』の連載をまとめたもので、かつて小林は自民党のブレーンだっただけに非常に説得力がある。
まず、自民党の改憲案は、要するに明治憲法に戻ろうとする「時代錯誤」の一語に尽きると批判する小林は、そもそも権力担当者を縛るのが憲法なのに、国民全体を縛ろうとする憲法観が大間違いだとし、まさに「大日本帝国の復活」を望む自民党の憲法マニア議員たちには「自分たち権力者が憲法を使って民衆をしつける」という姿勢が見え隠れすると指摘する。
小林はさらに、高名な「自民党の御用評論家」が次のような発言をしている場に少なくとも3回同席した、と語る。
「日本国憲法には『権利』という言葉が20回以上も出てくるのに『義務』という言葉はたった3つしかない。この権利偏重の憲法が今の利己的な社会をつくった……」
商工会議所や青年会議所でも同じような発言を聞いたが、これは大きな間違いである。
だいたい、憲法は国家権力の濫用から国民各人による幸福追求を守るためのものであって、そこに「権利」の規定が多く、国家に従う「義務」の規定が少ないことは当然だと説く小林の試験を受けたなら、自民党などの改憲派ならぬ壊憲派はすべて落第ということになる。
これは憲法観の違いなどではなく、憲法のイロハさえ知らぬということなのである。
法と道徳を混同している落第生たちは改憲案で「家族は互いに助け合わなければならない」と命ずる。
しかし、これはまったく余計なお世話で、憲法でこう規定したら、離婚は明白に憲法違反になってしまう。イロハさえ理解していないから、珍妙なことを大真面目に強調してしまう。
彼らは、わが国の憲法改正条件が特別に厳しいなどと言うが、これについても小林は次のように一蹴する。
「わが国の改憲手続き条件は他国と比較して特に厳しくはない。現にアメリカ合衆国憲法では、上下各院の3分の2以上による提案に加えて、全米50州の4分の3以上の州の承認を個別に得ることを条件としている。これは明らかに日本より厳しい」
一時、安倍首相は条件の引き下げに動いたが、小林はそれを“裏口入学”を図るものと断罪した。
● 「じじいたち」の時代錯誤と世襲議員の傲慢さ
私がホストの『俳句界』の対談でも小林節(ぶし)はクリアーだった。発売中の7月号掲載である。
小林は慶大助教授の時、自民党の勉強会に来て、彼らが「押しつけ憲法」に憤慨し、「明治憲法に戻ろう」と強調するのに対して、「押しつけられたのは、世界史の中で日本がクレイジーな振る舞いをしたからだ」と反論し、「愚かな戦をして負けることによって、いい憲法をもらった」と付け加えたら、彼らは逆上して、小林を「戦後教育の徒花」と非難したという。
彼らはよく、「アジアを侵略したのではない、アジアを欧米の植民地から解放したのだと主張するが、民族自決の時代になってアジアは独立したのであって、日本が独立させたわけではない」と小林は却下する。
「新しい侵略者として失敗しただけ。もし本当に彼らを独立させる気だったら、西洋人が横文字の言語とバイブルを持って行ったように、何で日本語と鳥居を持って行ったんだ。おかしいじゃないですか」
続けてこうまで論難したので、小林によれば「じじいたち興奮して」血圧が上がったという。
この間の百田尚樹を呼んだ自民党若手の勉強会を見れば、アタマに血がのぼっているのは「じじいたち」ばかりではないらしい。
世襲議員たちは、意見が合うと、「さすが一流大学の先生はいいこと言う」と同調し、合わないと、「小林さん、政治は現実なんだよ。あんたは現実知らないんだよ」と若造の代議士までが決めつけた。
本当に荷物をまとめて席を立ちたくなったが、そこで帰ったら負けだから、そこでは言わせておいた。
彼らの傲慢さは特権意識から出てくる、と小林は指摘する。
「彼らの育ちを想像したらわかるじゃないですか。塀に屋根がついているようなすごい屋敷に住んでいて、黒塗りの車がいつも止まっている。代議士(である父親)はほとんど東京に出ていて、選挙区には奥さんと子どもがいて、子どもが小学校に行こうとして遅れたら、秘書に『空いてる車で送って』ですよ。小学生から黒塗りの車で送迎されたら、感覚がずれちゃう。それから、母が命令調で使っているから、同じように成人の秘書や運転手をああだこうだと使うでしょう。人は背後の父親におじぎしているのに自分が偉いかのように錯覚しておかしくなっちゃう」
何も恐れずズバズバと指摘しているように見える小林だが、ひとり娘だけにはちょっと怯むという。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK188掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。