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「自衛隊の海外活動拡大を図る安全保障関連法案」および「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」に関する声明
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2015-06-30 八木啓代のひとりごと
私が代表を務めさせている「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」から、「自衛隊の海外活動拡大を図る安全保障関連法案」および「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」に関する声明を発表いたしました。
「自衛隊の海外活動拡大を図る安全保障関連法案」および
「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」に関する声明
法治国家が法治国家であるための最低必要な条件とは、立憲主義であることです。
その時の政府や権力者の都合で、法律の解釈がいくらでも都合良く変えられる状態というものは、とうてい、法治国家とは言えません。ましてや、憲法は、その法の中枢にあるべきものであり、まさに権力の暴走を抑制するためのものです。
現在の日本国憲法については、戦後の占領下において押しつけられたという批判をする人があることは事実です。
しかしながら、日本国憲法が時流に合わないのであれば、憲法改正はあり得ることかもしれませんが、それには、歴史を踏まえた慎重かつ十分な国民的議論を尽くすことが必要であることは明らかです。
にもかかわらず、安倍政権においては、閣僚から憲法を軽視する発言が相次ぐのみならず、すでに施行されている特定秘密保護法のもとで、政府にとって都合の悪いことを機密情報としていくらでも保護してしまうことができるようになりました。
さらに、現在提出されている刑事訴訟法の改正案によって、本来、司法改革となるはずであったものが換骨奪胎され、盗聴や司法取引の合法化がなされるなど、警察・検察の権力が事実上拡大されようとしています。
このような状況のもと、さらに、自衛隊の海外活動拡大を図る安全保障関連法案が国会提出され、圧倒的多数の憲法学者が違憲と断言し、国民の多くが反対しているにもかかわらず、強行採決の可能性すら出てきております。
この戦争法案とも呼ばれている「自衛隊の海外活動拡大を図る安全保障関連法案」の最大の問題点とは、ご存じのように、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認です。
万一、日本が他国から攻撃を受けた場合、従来の憲法解釈でも、個別的自衛権で十分対処できる問題ですが、この法案においては、「自衛」を拡大解釈し、集団的自衛権を理由に、憲法が禁じてきた海外での武力行使を認める内容となっています。この動きは現政府がすでにおこなった、武器輸出三原則の事実上の破棄である、防衛装備移転三原則の制定に基づく、国際兵器市場への参入とも密接に関連しているといっていいでしょう。
しかし、そのような国際兵器市場への進出や集団的自衛権に基づく海外派兵が、本当に日本と日本国民のためになるのか。
ましてや、これらの一連の戦争法案(この呼び方を敢えて使います)が、違憲との指摘をものともせず、憲法の理念を踏みにじり、憲法を形骸化するかたちで制定・施行されるのであれば、それは、文字通り、憲法がなし崩しにされることであり、これを容認してしまえば、憲法に定められた基本的人権も、政府が法案によって、今後、いくらでも空文化してしまえるということになります。
当「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」は、強大な検察権力の暴走に対して声をあげ、これに対する蟷螂の斧として活動してまいりましたが、現下の看過できない状況に際し、以下の二点について反対の声をあげたいと思います。
1.2015年5月15日提出の「自衛隊の海外活動拡大を図る安全保障関連法案」における集団的自衛権は、明らかに違憲であるという認識のもと、反対を表明する。
2.2015年3月13日提出の「刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」に対して、反対であることを表明する。
2015年6月29日
健全な法治国家のために声をあげる市民の会
会長 八木啓代
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