農業改革なしで産業革命が出来ないことはよく知られている，社会保障・福祉は，産業民主主義が定着していることが条件になる。社会保障・福祉と経済の活性化がなければ，機能低下することは，北欧やイギリスなど見ればわかる。

日本は，元々労使の協力で国家ができない福祉の代役をつとめ，経済に強い社会保障・福祉国家の条件がかなり熟したのも事実である。ところが年金・失業保険・労災に見られるように，使え使えと使い込まれなくなったのも事実である。このように，なかなか，社会保障・福祉づくりが成功していないのが，実情である。

政府は，社会保障制度が殆ど整備されていない我が国は，正社員による年功序列賃金体系は，社会保障制度の代役を，福利厚生などと一緒に，実質的に果たしてきた。正社員による年功序列賃金体系を廃止することは，弱者切り捨てになるので，生活困窮者が増えることになる。しかも派遣社員だと，勤労の喜びや技能を身に付けるチャンスを失うことになる。その点，従来の日本の終身雇用制と年功序列賃金体系は，労働者の定着を可能にさせた。

派遣だと一年に数回も転職しなければならない，しかも働かない時期が生まれる，政治家はその人の能力を，もっと発揮できるできるために終身雇用制と年功序列賃金体系は廃止すべきとしたが，技術力が低下する。確かに一つの企業に，生涯を捧げるということは，必ずしも悪いとは言えないが，産業革命や技術革新すると技術者がいないことになる。しかも社会保障を企業が代役していたが，国家は福祉切り捨てることになるので，少子化により国家は成り立たなくなる。

そしてこの世論調査はバカとしか思えない。景気回復「実感せず」75％　優先政策「社会保障改革」最多なら，経済を活性化させるにはどうすべきか，社会保障・福祉政策は経済と両立するための知恵と工夫とノウハウが必要なので，具体的に何をどうするとどうなるのか，政治・経済の指導者は提案すべきである。平和憲法を反故に核武装化して戦争の出来る国家に社会保障・福祉ができるわけがない。ドロボー国家に景気云々，社会保障云々はできない。