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身内に足を引っ張られてしまう
まさに「好事魔多し」 不退転の決意で 国会延長を決めた安倍首相 支持率はどこまで下がるか
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43943
2015年06月29日(月) 田崎 史郎「ニュースの深層」 現代ビジネス
好事魔多し、とは、このことだろう。今国会の会期を戦後最長の95日間も延長したことによって、首相・安倍晋三は安全保障関連法案の成立、審議を尽くしたという「努力賞」、9月の自民党総裁選での再選という、3枚のカードを一挙に手にした。ところが、その3日後の25日、自民党の有志議員でつくる「文化芸術懇話会」で報道機関に圧力を加える発言が相次いだことが発覚。自民党は27日、会の代表である党青年局長・木原稔を役職停止1年、発言した衆院議員3人に厳重注意という処分を下さざるを得なかった。
何が起こったのか−−。
■総裁選も視野に入れた国会会期延長
9月27日までの延長幅を決めたのは、安倍本人である。自民党幹事長・谷垣禎一と官房長官・菅義偉が協議して安倍に提出した案は9月16日か同19日で閉じる案だった。
今年の秋は9月20日から23日まで4日連続の祝・休日があり、同19日の土曜日を含めると、5日間の休みが取れる「秋の大型連休」になる。維新の党の取り込みに失敗したことによって、大幅な会期延長を決断せざるを得なくなった時点で、この大型連休の前とするか、後にするかが焦点だった。
また、自民党総裁選との絡みもあった。安倍の党総裁任期は9月30日まで。自民党の総裁選規定は、次期総裁を決める国会議員による投票を「総裁の任期満了日前10日以内」、総裁選の告示を「投票日の12日前まで」と、それぞれ定めている。大型連休の後まで会期を延長するならば、総裁選が会期中に行われることになる。
安倍「総裁選が国会中となりますが、よろしいでしょうか」
谷垣「大丈夫です。お任せください」
安倍の手元には戦後の会期延長一覧の資料が置かれていた。安倍は超大幅延長によって、安保法案の成立を確実にするとともに、十二分な会期を確保することで「審議を尽くした」という大義名分も得て、「努力賞」をもらえる可能性も出てきた。
会期幅を決めた22日、安倍の再選支持を固めている谷垣は、即座に了承した。会期を決める自民党役員会で、安倍が延長幅を示すと、間髪を入れずに総務会長・二階敏博が「いいじゃないですか」と賛同した。
会期延長幅は、安倍の再選を確固としたものにする政局でもあった。国会開会中、自民党議員は党総裁でもある首相に弓を引くことはよほどのことがない限り、許されない。もし、総裁選に立候補するなら、野党を利する「利敵行為」という非難をあびることになるだろう。
■不支持率が上回る事態も覚悟していたが……
こう考えると、大幅な延長は「一石三鳥」の策だった。しかし、首相の足を引っ張るようなことを、安倍に近い文化人や議員が引き起こした。
安倍を側面支援する目的もあって結成された文化芸術懇話会で、自民党の若手衆院議員3人が「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番。経団連に働き掛けてほしい」「沖縄の世論がゆがんでおり、何とかしなければいけない」などと発言。作家の百田尚樹氏が「沖縄の新聞社はつぶさなあかん」と同調した。
いずれも、報道・言論の自由をないがしろにした発言で許されるはずがない。しかし、政権側の反応は当初鈍く、26日の段階で、安倍は衆院平和安全保障法制特別委員会で「私は存じ上げないが、それが事実であるとすれば大変遺憾」と述べるにとどまり、谷垣は記者会見で頬を緩め、「クールマインドでやっていただきたい」と自制を促した程度だった。
27日の朝刊各紙の報道やテレビ番組で政権が厳しく非難されたことから、一気に危機感が強まった。谷垣が同日夜、緊急記者会見して、「与党の政治家は自分の思ったことを言えばいいというものではない。自覚に持ってもらいたい」と一転して険しい表情で語り、早期の幕引きを図った。
安倍は安保法案の成立に不退転の決意で臨んでおり、不支持率が支持率が上回ることも覚悟している。だから、成立は確実だ。しかし、自民議員の発言のようなことが今後も起こるならば、安倍は法案成立時点で相当な痛手を負っていることになるだろう。(敬称略)
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