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安倍首相は問題発言の火消しに躍起になっているが・・・
自民党議員「マスコミに圧力を」発言に思う メディア幹部よ、安倍首相と仲良く飯を食ってる場合か!
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43941
2015年06月28日(日) 井上 久男「ニュースの深層」 現代ビジネス
■ここまで舐められているのか
安倍首相に近い自民党の若手議員が立ち上げ、6月25日に開かれた勉強会「文化芸術懇話会」で、日本経団連に依頼して広告主を通じてメディアに圧力をかけようとの発言があったとされることに対し、野党などから「権力を持った者の驕り」などとする批判が出ている。
朝日新聞記者時代からメディアの世界で20年以上飯を食ってきた筆者にとって、権力を持つ政権与党の政治家がそんなことを言い出すこと、あるいは考えることについて、何の驚きもない。権力者だったらそれくらいのことは当然考える。
ただ、メディアも取材に来ている、あるいは発言が外に漏れる可能性のある半ば公式的な場面で、そういう発言が出ること自体に驚いている。どういう意味での驚きかというと、「メディアもここまで舐められているのか」という驚きである。
その懇話会が開かれた前日の24日、朝日新聞の首相動静(25日付朝刊)をみると、安倍首相と記者らメディア関係者が銀座の料理店で食事をしている。メンバーは次の通り。
朝日新聞の曽我豪・編集委員、毎日新聞の山田孝男・特別編集委員、読売新聞の小田尚・論説主幹、日本経済新聞の石川一郎・専務、NHKの島田敏男・解説副委員長、日本テレビの粕谷賢之・メディア戦略局長、時事通信の田崎史郎・解説委員。
首相と食事をすることは取材の一環なのだろうが、メンバーの中には政権中枢の政治家のゴーストライターとして知られた人物もいる。
率直に言ってしまうが、安保法制を巡る国会の議論が揺れ、政権支持率も下がり始めた中で、シンパのメディアを取り込もうとしているのではないか。世間一般にはそう思われても仕方ない。
また、安倍政権の政策に対して唯一と言ってもいいくらい手厳しい東京新聞の関係者がいないのはなぜだろうとも勘繰ってしまう。
■NHKも朝日もダメ
安倍政権の特徴のひとつには、メディア戦略の巧みさがある。巧みさというよりも、「喧嘩上手」と言った方がいいかもしれない。政権に敵対的なメディアは徹底的に揺さぶって潰しにかかる。
その手法は2つある、と筆者は感じている。それは、幅広い人脈や資金力がある経済人と連携を組むことと、メディアの隙や脇の甘さを突いてくることである。
まずNHKは、経済人との連携で封じ込められた。籾井会長人事の背後には、安倍首相と近い大物経済人の影がちらつく。官房副長官周辺にも、新興企業や若手経営者やメディアに影響力を持つ経済人がいて、政権の支援者となっている。
隙や脇の甘さを突かれたのは朝日新聞だろう。OBなので、この新聞社の体質をよく知っているが、とにかく社内での権力闘争や足の引っ張り合いが激しい会社である。
昨年の従軍慰安婦検証報道問題や吉田調書問題で、朝日が「反日」「日本を貶めている」とレッテルを貼られたのも、権力闘争が影響して十分に読者や社会に説明責任が果たせなかったからである。
朝日が従軍慰安婦検証報道に動いたのも、「有名出版社の社長が仲介役となって、木村伊量社長(当時)が政権に近づこうとして、政権側から仲直りの条件として従軍慰安婦報道の検証を求められ、木村社長が拙速に動いて対応を間違った」からだという(朝日新聞幹部)。そして、「『池上コラム問題』で朝日が世間から集中砲火を浴びているときに、政府はそれまで非開示だった吉田調書を公開して、朝日の報道が不十分なところを敵対メディアに攻撃させた」(同)。
NHK、朝日新聞というリベラル勢力の「二大巨頭」は今や完全に政権のメディア戦略の掌中の中にあると言っても過言ではない。
昨年、こうした話を「官邸と吉田調書」というタイトルで反権力雑誌『週刊金曜日』に署名記事を書いたら、ある時期、筆者に「尾行」が付いた。その時に、「言論の自由が脅かされるかもしれない嫌な世の中になったもんだ」と実感した。
■背中からばっさり切る覚悟も必要
国会で絶対的な「数」をもつことと、野党の凋落によって、現政権内には油断や驕りがあることは間違いない。
長期的にみると、安保政策など現政権の考えている政策は、国民の生命と財産に危害を与える可能性を高める流れを作っている、と筆者は感じる。
民主主義国家では、国民の生命や財産に危害を与える可能性がある政権は、民主主義(選挙)によって倒されるはずである。その民主主義のメカニズムが機能するためには、メディア自身が健全でなければならないと思う。
では、メディアの健全性とはなにか。それは一言でいえば、権力者など取材対象との「距離感」である。情報を取るために懐に入ったように見せかけて、時には背中からばっさり切る――。そうしないと、権力者に舐められる。
「文化芸術懇話会」での政治家らの発言に怒るよりも、メディア自身が舐められないように脇を固めるべきではないか。志を同じくする現場の記者たちが連携して、政権を監視する気概が必要な局面にあり、仲良く首相と飯を食っている場合ではないと思う。
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