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老人の老人による老人のための政治
大阪都構想をめぐる住民投票の結果からにわかに巻き起こった「シルバーデモクラシー」論争。将来に責任を持つ有権者層の意見を政治に反映できないと言われて久しいが、高齢者の発言力が強すぎるのか、それとも若者があまりに政治に無関心すぎるだけなのか。
選挙 iRONNA編集部
143票 賛成 53票 反対 14票 どちらでもない
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負担と給付の格差解消は
民主主義を通じた問題解決は「臭いものに蓋」では進まない
一般に、民主主義における高齢者の影響力が過剰であることを指す問題として理解されている「シルバーデモクラシー」。三浦瑠麗がいくつかの要素が複合的に影響する原因を分析する。
三浦瑠麗
「シルバーデモクラシー」論考
5月17日、橋下徹大阪市長の看板政策「大阪都構想」が否決された住民投票。「シルバーデモクラシー」論がにわかに起こったのは50代以下の有権者が賛成が5割を超えたものの、60代、70代が反対多数だったという出口調査の結果がきっかけとなった。現役世代よりも高齢者の意見が政治に過剰に反映されるという問題提起に対してインターネット上で様々な反響があがった。
次世代の意見がより政治に反映されやすくするにはどうしたらよいのか。6月18日、改正公職選挙法の成立による選挙権年齢を「18歳以上」への引き下げ効果も期待されているが、早くから年齢構成による「一票の格差是正」解決策を主張する識者もいる。人口統計学者のポール・ドメイン氏は投票権を有していない未成年に投票権を与え、親が代理投票するという「ドメイン投票法」を提唱する。また「年齢別選挙区」の導入を主張するのは井堀利宏東大大学院教授だ。青年・中年・老年の3つのグループに分け、ぞれぞれのグループから有権者の数に比例した定数の議員を選ぶというものだ。
■「ドメイン投票法」の衝撃(総合研究開発機構、2011.04)
■井堀利宏氏「年齢階層別選挙区制の導入を」(日本経済研究センター『斎藤主幹が聞く 暴論?正論?』、2015.03.23)
■「年金受給者に、選挙権は与えるべきではない」の合理的な論拠とは?(おときた駿、2015.04.18)
若者たちの焦燥
民主主義の“当たり前”を変えられないことがシルバーデモクラシーだ
大阪都構想の結果をきっかけに起こった「シルバーデモクラシー」考。若者と政治をつなぐ活動を続ける、NPO法人・YouthCreate代表の原田謙介はどう考えているのか。
原田謙介
若者の政治離れ 顕著に
総務省が衆院選実施後に公表している「年齢別投票状況」によると、若者の関心低下と高齢者の投票率の高さが顕著に表れている。73.31%の投票率を記録した平成2(1990)年の第39回総選挙では一番低い20〜24歳でも52.85%と2人に1人が投票した計算になるが、戦後最低(52.66%)を記録した直近の第49回(平成26年)では29.72%まで低下。10人に7人が棄権したことになった。
若年層とは対象的に、第39回で最も投票率の高かった年齢層は60〜64歳の87.40%で、65〜69歳も86.96%と60歳台が最も関心が高かった。14年が経った昨年の総選挙でも70〜74歳(72.16%)、65〜69歳(70.11%)の順で高かった。
■国政選挙における年代別投票率について(総務省、2015.03.06)
大胆な提言
若者に一人5票の選挙権を与えよう
現行社会保障制度の厳しい将来見通しと若年世代を待ち受ける苛酷な未来。高齢者世代は『我々は冷遇されている。』と主張するが、果たして正しいのだろうか。ニッセイ基礎研究所の中村昭の分析は。
高齢者に手厚い社会保障費
2014年11月、国立社会保障・人口問題研究所は平成24年度の「社会保障費用統計」を公表。2011年度におけるOECD(経済協力開発機構)基準に基づく社会支出の国際比較統計によると、日本と諸外国(米国、英国、ドイツ、フランス、スウェーデン)の政策分野別社会支出の割合を比較すると日本の高齢・遺族分野での支出は52.6%と、他の5カ国の平均を15%以上も上回った。
一方で家族分野の支出割合は5カ国平均では10%を超えているが、日本は約半分の5.7%どまりで、社会保障費の分配に関して日本の高齢者優遇が見て取れる。
■社会保障費用統計(平成24年度)(国立社会保障・人口問題研究所、2014.11.11)
真の敗因は
橋下市長の敗因は「シルバーデモクラシー」ではない
大阪都構想に関する住民投票で反対派多数となったのは「シルバーデモクラシー」によってのものだという指摘されていた。これは感覚ではなく実際の数字、つまり大阪市に住む人の年齢構成を見るべきだろう。
中嶋よしふみ
若者よ、とにかく選挙に行け!
老人の老人による老人のための政治。19世紀、奴隷解放宣言で知られる米大統領、リンカーンが民主政治の原則を大衆の前で訴えた演説をもじり、最近こんな言葉をよく耳にする。高齢者の意見が過剰に政治に反映される「シルバーデモクラシー」とも揶揄されるが、先の大阪都構想をめぐる住民投票の結果を受けて、このフレーズがメディアでも頻繁に使われるようになった。
65歳以上の高齢者が総人口に占める割合が25%となり、「超高齢化社会」の進行著しいわが国にあって、全有権者に占める高齢者の割合が高くなるのは当然だ。多数意見が政治を動かす民主主義国家であればなおのこと、高齢者を優遇する政策が政治に反映されやすくなるのも自然な流れと言えるだろう。
国立社会保障・人口問題研究所が昨年11月に公表した社会保障費用統計によると、2012年度の政策分野別の社会支出(OECD基準)のうち高齢者政策の割合は、全分野の中で最も高い47・6%、金額にして53兆6272億円に上る。他の先進国と比較しても群を抜いて高く、この数字だけをみればわが国の高齢者政策の優遇ぶりがうかがえる。大阪都構想の否決をめぐっても、敬老パスの廃止がクローズアップされたが、こうしたお年寄りへの優遇策を「老害」と批判する声は決して少なくない。
ただ、社会支出が高齢者に偏っていることと、「老害」批判をごちゃ混ぜにする議論はいささか的外れである。政治の方向性を決定するのは、あくまで有権者の意思であり、その意思を表明する場として投票という機会が与えられているからに他ならない。
この手の議論でいつも引っ掛かるのは、「政治に関心がない」とか「投票しても何も変わらない」といった無関心、無気力の若者による「選挙離れ」の原因をすべて政治不信に擦り付けてしまう風潮である。
確かに、日々政局ばかりに明け暮れる政治家の言動や、最初は「若者目線だ」と調子の良いことを言いながら、いつしか長老議員の意見に流されていく体たらくをみせられると、一票を投じる行為自体、バカバカしくなることもある。だからといって、選挙で「白紙委任」してしまえば、ますますお年寄りの政策を優遇することになることも肝に銘じるべきだろう。
衆院選、大阪市内の投票所で投票をする人たち=2014年12月14日午前
我々は一票を投じることでしか政治を変えることができない。投票しないことは現状を受け入れたに等しい。選挙にも行かず、ただ「老害」ばかりをあげつらうのは、それこそただのわがままに過ぎない。無責任に駄々をこねるのは子供だけでいい。現状を憂い、自分の生活やこの国の未来を少しでも案じているならば、やはり選挙に行くしかない。
くしくもつい先日、選挙年齢が18歳以上に引き下げられる法案が成立した。これをチャンスに変えるのも変えないのも、彼ら若者たちの意欲次第である。むろん、お年寄りがもっと将来世代に配慮すべきだという意見も忘れてはならない。だが、他人任せで甘えていても結局は同じことの繰り返しだ。いま必要なのは、自分たちの意識改革しかない。
「せっかく選挙権を与えても…」とお年寄りたちに「バカ者」扱いされないためにも、投票できる権利を目いっぱい行使しよう。すぐにはダメでも、近い将来、君たちの選択がきっと大きなうねりとなる日が来る。(iRONNA編集長、白岩賢太)
井堀利宏氏が提唱する「年齢別選挙区」の導入についてどう思いますか?
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返信の多いコメント
geshigeshi
2060年には人口の4人に一人が75歳以上になるという日本。65歳って年齢より75歳以上って年齢の方が重要で、要介護の確率が格段に高くなるんです。そのときの働き手人口は50%くらいと言われていて、まさに現役世代1人で高齢者1人を支える社会。そのことを若者はどれくらい知っているか? 社会はあえて教えないのか? 投票に行く高齢者の意見ばかりが重視される社会で良いのか? 若者の無知につけこんで高齢者福祉に手厚い政治家ばかりが増えているようにも感じる。最終的には若者の中に「自分たちの世代にとんでもないつけがまわってくる」と、その具体的なイメージと数値化されたデータをもとに闘う若い政治家が出てこない限り、今世代間で起こっている不公平を日本の若者は気づかないかもしれない。でも自分も長生きすれば後期高齢者として若者たちの負担だもんね。あんまり長生きするのも考えモンかな……。
7時間前返信支持する (5)
神谷隆行
二十歳までに共産主義に染まらない者は情熱が足りない
二十歳過ぎても共産主義に染まっている者は知能が足りない
とチャーチルが言ったというのはデマのようだが、それでも自分自身の若い頃の政治への考えを振り反ってみるとやはり左翼っぽいものに毒されていたなと感じます。その意味では、若者が政治に期待を持たないのは、それだけ左翼に魅力が無くなっているのだなと考えます。左翼の言うことを殆ど鵜呑みにしていた当時でさえなんとなく胡散臭いモノを感じていた私の二十歳前後、ネット時代の今の若者はどう考えているのだろうか?新聞等で取り上げられるのは相変わらず左翼がかった若者ばかりのようですが。
左翼に毒されない為に必要なことは実業経験を積むこと。大人になっても大学やマスコミなど言論、虚業で暮らしていると毒がなかなか抜けない。その意味では社会人経験の浅い若者の政治参加の少なさは、そう悪いとは思いません。
9時間前返信支持する (4)
そうそう
白岩さんへ
「超高齢化社会」ではなく、「超高齢社会」です。
揚げ足取るようですいません。
でもマスメディア関係者は、言葉は正しく使用してくださいm(_ _)m
10時間前返信支持する (1)
TJ
世代間による考え方、生活観など確かに差はありますが、それよりもっと大事な、政治が面白くない、言い換えれば誰が政治家になろうが余り差はない。ということが一番の政治離れになっているのではないかと思います。魅力ある政治家、個性あふれる政治家、政治をちゃんとしている政治家などが非常に少なくなっていると思います。自分が所属する問うとか派閥、また自分に有利になる様に政治を振り回したり、ただただ与党が出す政策に反対しているだけの野党とか、メディアで報道されている国会や、その他の政治活動などで見たり、聞いたり、読んだりするそんな政治では、若者などは関心も示さないと思います。
良い例では大阪の都構想の市民投票では、投票率は確か60%を超えていたと思います。これまでの選挙では地方議員選や国会議員の選挙でも30%台がせいぜいだったと記憶しています(私の記憶違いもありえます)。
前にも書きましたけれど、国会議員でも、地方議員でも同じ選挙区からは二度と立候補できないようにすれば、国のために働いていない議員や地方のために働いていない議員は淘汰されていくと思います。そうすればお年寄りの「おらが町の議員様」ばかりの一票が減ってくることになるのではないでしょうか。そこで若者の一票が強くなってくるのではないでしょうか?選挙年齢の引き下げにより、現役の高校生なども投票が可能になれば、年代間の格差も少しはましになるのではないでしょうか?
まあたぶん、議員たちは自分たちが不利になるような案は絶対に考えないし呑まないだろうとは思いますが、このようなことを若い議員たちが積極的に考えてくれたらいいなと思います。若者が政治に関心を示してくれるようにするには、解り易く政治を伝えること、自分の一票がもしかしたら日本を変えるかもしれないという重みを持っていることを知ってもらうことなど、いろいろ目を向けてもらえるような方法を大人がしっかり考えていかないとならないと思います。
17時間前返信支持する (8)
Katsuhiro Tateno
世代間対立を演出する意図は何でしょうか。
世代間だけではありません。右と左、男と女、大人と子供、都市部と地方etc。
最近「対立」が溢れかえっていささか食傷気味なのですが、本当にそんなものあるんですかね。
むしろそんな対立軸が存在するほど若者に気概があるなら、投票率が低いわけが無いと思うのですが。
19時間前返信支持する (7)
kuma kitano
国家とは、国民とは、この国の歴史は、天皇陛下とは、国を守るとは?
こうしたことを教育に取り入れないで、政治に関心を持てと言う方がどうかしていると言える。
日本の領域、換言するのなら国境すらまともに教えていないのだ。
そんなことで、内政、外交に関心を持てと言うほうがおかしいのだ。
子育てが終わる五十代からいくらか余裕が出てきて政治に関心が出てくる。
だから老人による老人のための政治になる。
そして、今さえよければそれでいい、ということが当たり前になっていてこの国の将来と国民の未來を描こうとする政治家が少ない。あまりにも刹那的ではないのか。
何を守るのか?
憲法をまもるのか。国を守るのか。国民を守るのか。この国と国民の未來を守るのか。
それとも現在只今の自分の命だけを守ればそれでいいのか?
だから安保法制が戦争に導く法案だと批判することになるのである。
与党は近未来を論じる。
野党は今を論じる。
話がかみあうはずがない。
戦うことを放棄したから主権が侵害されているのだ。
戦後は平和などではない。
不当に拉致された同胞が存在するのにも関わらず平和だと言う。
あまりにも無責任ではないか。
不当に略奪された島がある。
領土を侵略されているのにも関わらず平和だと言う。
戦うことを放棄すると言うことは、邪な相手にはお好きにどうぞと言っているのと同じなのだ。
個人でも同じだ。自己の権利が侵されれば誰でも怒るだろう。
その怒りを放棄することは、未來永劫日本はお好きにどうぞ、と宣言することであり我々の子孫にはその姿がどのように見えるのか、無責任と言われても仕方がないだろう。
19時間前返信支持する (28)
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