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国家消滅を招く憲法違反の「集団的自衛権」 歴史が教える怖い真実:本当に必要なら正々堂々と憲法改正を
http://www.asyura2.com/15/senkyo187/msg/453.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 26 日 00:35:06: igsppGRN/E9PQ
 

赤い服を着て横断幕などを掲げながら、安全保障関連法案に抗議する国会周辺のデモ参加者ら(2015年6月20日)〔AFPBB News〕


国家消滅を招く憲法違反の「集団的自衛権」 歴史が教える怖い真実:本当に必要なら正々堂々と憲法改正を
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44124
2015.6.26  伊東 乾 JBpress


 安全保障関連法案で大きく揺れる国会審議ですが、インターネットの匿名サイトはもとより、大手のメディアでも「違憲」「違憲でない」といった言葉だけが実体を欠いて空転して見えるような嫌いがあります。

 そこで今回は、多くの人が「常識」と誤解している憲法の「源流」を、落ち着いて探訪してみることにしたいと思います。

 まず、今回の経緯を振り返ってみましょう。物事が大きく動き始めたのは6月4日のことでした。衆議院憲法審査会において、与野党各党が推薦する3人の憲法の専門家が、全員揃って「安保法案は憲法違反」と明言したことで、物事の流れが大きく変わってきました。

 今回の安保法案のポイントは、煎じ詰めれば「『集団的自衛権の行使』が合憲か違憲か?」の判断にかかってきます。賛否の別と無関係に、

1 従来の政府見解とは異なっている

 ことは間違いないでしょう。これに異を唱える人はいないと思います。また、

2 従来なら違憲とされた範疇に踏み込んでいる

 ことも、誰も否定しないと思います。問題は、

3-A 従来は違憲だったが、情勢が変わってきたから政策判断で合憲ということにしよう

 という人と、

3-B 従来も違憲だし、現在も、今後も、違憲であることに一切揺るぎはない

 という人に意見が分かれるという点でしょう。で、まともに法律を学んだ人で3-Aを言う人がいれば、何か背景があるのだと思ってみるのが適切と思います。普通に落第しない程度に法律を学べば3-B以外の答えが出てくるわけがないからです。

■違憲とは何か?

 では、そもそも「違憲」とは何なのでしょう?

 憲法に違反している状態が「違憲」にほかなりません。

 では「憲法違反」とは何か。そもそも「憲法」とは何なのか?

 一部の政治家の発言や、ネット上の多くの書き込みを見ていると、学校で習って社会に出るべき一の一を理解していないケースを非常に多く目にします。

 まことに無知ほど強いものはないのかもしれません。

 将棋で詰んでいるのに、それが理解できず盤面をひっくり返して暴れていれば、一見将棋に負けないように見えるかもしれません。しかし、そんなことを一度してしまったら、まともに将棋を指す人は、二度と真面目に相手にしなくなるでしょう。

 ではまず、憲法とは何なのか?

 たまたまウィキペディアに出ていたカール・シュミットによる「憲法概念」を引用しておきましょう。

 カール・シュミットはナチス・ドイツの法的基盤を擁護したことで知られる憲法学者です。のちにナチス体制のもとで失脚し、そのおかげで戦後も生きながらえることができた人ですので、以下は、右派か左派かと敢て問われれば、極めて明確な右派の憲法学者の定義と言うことができるでしょう。

 カール・シュミットは憲法には「絶対的な意味」「相対的な意味」「実定的な意味」の3つの基本概念があると言います。この3つを持つから憲法であり、これらがなければ憲法ではないという、いわば「憲法の条件」です。

 その第1番目、「絶対的な意味」とは憲法そのものが持つ内容の意味で、法の条文自体がどのような内容をもつか、を指すものでしょう。シュミットは以下の4つを挙げています。

1 公共体の秩序=私たちの社会秩序はいかに守られるべきか(表現・信教・結社の自由等)

2 国家の政治体制=国の政治はどのようなルールに従うべきか(二院制・三権分立など)

3 国家統合のあり方=国は何を中心に統一されるか(国家元首、主権など)

4 根本的な規範=私たちの国はどのような理想やルールに即すべきか(戦争を放棄するか?などなど)

 カッコ内は法には素人の私が補ったものですので、間違いがあればぜひご指摘頂きたいと思います。1〜3は「事実的な意味」とされ、実際に国の仕組みの根本を示し、4は国はこうあるべきであるという「べき論」的な倫理を規定する内容になるでしょう。

 ちなみにシュミットが是認してしまったナチスの改訂憲法では以下のような形となり、

1 公共体の秩序=ナチスの一党独裁:ほかを認めない

2 国家の政治体制=全権委任法:ナチス=ヒトラーが随意に立法できる

3 国家統合のあり方=独裁者は憲法を越える存在:ヒトラーは憲法に縛られない

(4 根本的な規範=拡張主義・アーリア民族の優越性:必ずしも明文化されず、ヒトラーの演説などが1〜3で事実化)

 特にこの2と3で、憲法が憲法の役割を果たさなくなってしまったことから、国が壊れてしまいました。

 「国が壊れる」とは具体的に、破滅的な侵略戦争と、公共事業として進められたユダヤ人の絶滅政策などを指す考えです。この憲法には「穴」が開いているわけで、憲法の形をしながら実質的に憲法になっていない。

 また、よく知られるように日本の旧憲法、つまり欽定の大日本帝国憲法では「統帥権の独立」が「穴」を開けてしまいました。やはり憲法の皮を被っているものの、実質的には憲法になっていない。

 ではその「憲法である」とは何かを、ナチス法制を指示したシュミットは以下のように規定しています。

■最高法規と違憲立法審査

 念のため補足しておきますが、これ は「左翼」の議論ではなく、ナチス体制を擁護した右派の憲法学者カール・シュミットが規定する「憲法の3つの基本概念」ですので、誤読のないようにお願いします。

 シュミットの「憲法基本概念」残り2つは「憲法の相対的な意味」と「実定的な意味」で、これらが揃って「憲法は憲法」になるとされています。ナチス体制ですら、建前上はそうであったという憲法の条件を確認してみましょう。

 「憲法の相対的な意味」とは、ほかの法律に対して憲法が明らかに優位に立つことが明文化され、はっきり表記されていることを指します。

 日本国憲法では第十章 最高法規がこれに相当します。短いものなので、以下に九十八条と九十九条全文を引用しておきましょう。

第十章 最高法規

第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

○2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 九十八条は「憲法の条規に反する法律、命令、詔勅、国務に関する行為」は「全部」「効力を有しない」ことになります。憲法に反して国の予算を執行できないし、憲法に反する形で自衛隊は戦地に派遣されてはならないことになるはずです。

 また九十九条は「天皇」(国の象徴)や「国務大臣」(行政権)「国会議員」(立法権)「裁判官」(司法権、ここまでが三権分立)「その他の公務員」(つまるところ国権のすべて)が「この憲法」を「遵守」し「擁護」する義務を負うとしています。

 大切なことは、「国務大臣の寄り合い」である閣議で「解釈改憲」などしてしまっては、憲法の「遵守」にも「擁護」にもならないのが第1点。

 また九十九条のどこを見ても国民を縛る憲法という規定がないことも確認しておきましょう。憲法は国の基本法典であり、その主たる規制対象は国権、つまりまずは象徴天皇であり、また三権が分立した国の各権力であり、これら「国の持つパワー」が絶対的に守らねばならないルールであることが明記されています。

 カール・シュミットの言う「憲法の条件」最後の1つは実定的な概念、つまり憲法制定権力(憲法改正権力)の根本決定に関するものです。

 憲法を制定したスーパーパワーよって作られた国権は憲法の根本決定に反することができません。

 例えば日本国憲法は第四章「国会」で衆参両議院を定義し、第五章「内閣」で内閣総理大臣が定義されている。つまり総理大臣や内閣は、憲法によって権利を与えられた存在で、憲法を否定してはそもそも成立しない作り物の権力にほかなりません。

 「憲法によって権利を与えられている」に過ぎない大臣や内閣は、決して憲法に反してはならない、というのが憲法の実定的な概念で、ヒトラーや統帥権はここに穴を開けてしまったわけです。

 ちなみに日本国憲法九十七条は、

第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

 と明記しており、この九十七条と上記の九十八、九十九条の三か条で、日本国憲法第十章のすべてを引用したことになります。

 現実問題として、憲法に反する法律が出てきてはいないか?

 あるいは閣議が決定して憲法解釈を変え、従来なら明らかに違憲とされる内容で法改正などを行っていないか、をチェックするものとして「違憲立法審査」のプロセスがあります。日本国憲法では第六章 司法の第八十一条に、

第八十一条 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

 として明記されています。カール・シュミットの言う「憲法の実定的意味」にはもう1つ「改正禁止条項」の概念があります。

 例えば「過半数を超える賛成を要する」とか「直接投票を要する」といった決定は堅固に保護された条項とされ、みだりに改めてはならないことになっています。日本国憲法で言うなら、

第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

 の「三文の二」とか「特別の国民投票」「国会の定める選挙の際行はれる投票」などを、みだりに「閣議」などに改めることは絶対にしてはならないことになる。私が言っているのではなく、ナチス体制を擁護したカール・シュミットの所説を、ここまで引用・解釈してみました。さて、問題はここから先だと思うのです。

■もし通してしまったら、その後どうするの?

 現在「違憲だ」「いや合憲」などとメディア上であれこれ議論がなされている、それ自体が実は非常に問題で、実態は明らかに現状では憲法に違反していて、これはもう疑う余地も何もありません。

 与野党双方の招致した参考人の専門家が揃って「違憲」と言い、歴代の内閣法制局長官・・・戦後長年の自民党体制下で国の法律体系を支えてきた人たちですが・・・が全員揃って「違憲」と言っているのは意見とか違憲論ではなく、正確に法の条文を読んで解釈しているのに過ぎず、合憲と強硬に主張している状態が、率直におかしなものと言わざるをを得ません。

 本当に当該の安保法案を通したいのであれば、正々堂々と憲法を改正し、国として「穴の開いた」形にならぬよう、国家を壊さずに物事を進めるべきでしょう。

 しかし(本来は日本国憲法が定義して権利を授与しているはずの)国会で、数を背景にこうした法律が採決されてしまい、実際に予算が執行され、ものごとが動き始めたとして、そこから先が問題と思うのです。

■飛行船ヒンデンブルク号と「国家の墜落」

 ナチス・ドイツの例を考えましょう。ナチス政権は成立直後から、よく知られた人類史上初の高速道路「アウトバーン」の建設を始めます。

 大型の公共事業で、強制労働なども用いて人件費を安く抑え(!)しかし原材料費などはかかりますから、企業は大いに潤い、産業界からは当初大いに歓迎されたわけです。戦争も開戦当初は大いに儲かります。ヒト・モノ・カネが動き出すと、もうその勢いには勝てなくなります。

 人間社会とはそういう生き物で、儲かるとなれば「時流に乗り遅れるな」となって、結局マイナーに見える「儲からない」正論は<奇特なヒトがやっていること>と見られることになるでしょう。

 それをそうしないために「憲法」があるわけで、今回参考人として出席した憲法学者や歴代法制局長官の方々は、国の未来を考え、勇気ある行動を取っておられると思います(改めて見直した面があります)。

 一方で、ヤクザに雇用された弁護士が実質的に反社勢力のブレイン〜反社勢力そのものになってしまうように、法律家・法律学者と言っても法を濫用したり不法行為を繰り返したりする者もいます。

 いろいろな「意見」が出るのは当然でしょう。「違憲な意見」は単に「違憲」に過ぎませんが・・・。

 むしろ日本が問われることになるのは、もしこの法案が通ってしまったらそのあと、とりわけ特需などでビジネスが回るようになってしまったあと、どのように対処し「国に開いた穴」を修繕するかにかかっていると思います。

 気球に開いた小さな穴も、圧力差で大量の空気が流れれば、瞬時に大きな裂け目に広がって爆発・墜落してしまいます。

 第2次世界大戦直前、ドイツが国家の威信を懸けて世界で飛ばしていた「飛行船ヒンデンブルク号」は、米国ニュージャージー州レイクハースト空軍基地で爆発、炎上してしまいました。

 1937年5月6日、航行を終え米国に着陸しようとしたヒンデンブルク号でしたが突然船尾から発火して爆発炎上、墜落事故を起こしたものです。

 事故の本当の原因は、飛行中の機体にたまった静電気が着陸時に地面にロープを投げてアースしたために躯体の継ぎ目の緩んだ場所に電位差を発生し、外皮の塗料に用いられた酸化鉄とアルミニウムの混合物が「テルミット反応」同様の還元爆発を起こしたものでした。

 しかし事故直後から<機体を浮かせていた水素ガスが危険>という別の理由が喧伝され、本当の事故原因は60年以上伏せられてしまいました。

 現実にはツェッペリン社の技術陣がすぐに原因を把握していましたが、ナチス・ドイツが国家の威信を懸けていた航空技術であり、賠償金の問題もあり、厳密に伏せられ続けたというのが実情で、この隠蔽にも「ナチス憲法の穴」がはっきり一役を果たしています。

 ヒンデンブルク号の墜落は、ベルリン・オリンピックやニュルンベルク党大会を大成功させたナチス・ドイツにとって、明確な転機となりました。

 その後オーストリア併合、ズデーテン進駐、ポーランド侵攻から1939年9月3日に英仏がドイツに宣戦を布告して第2次世界大戦が勃発、たった6年間の戦争でしたが、いったい何がどうなったかは、いまさらここに記す必要はないでしょう。

 確かに開戦前後の一時は大いに儲かったはずです。そしてほどなく、ドイツは国家が爆発・炎上・墜落してしまいました。

 国の権力圧で流れ込むのは「ヒト・モノ」そして「カネ」で、それらが一挙に押し寄せてしまうと爆発・炎上、国が墜落しかねません。

 ビジネス・チャンスはそれとして重要なものですが、そんな渦中にあっても、ものごとの本当のメカニズムを冷静に見つめ続ける理性と知性が重要であると思います。

 経済成長に長期政権は重要と思いますが、本稿入稿時、政権支持率の急落が報じられるのを目にしました。


 

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コメント
 
1. 罵愚 2015年6月26日 05:49:12 : /bmsqcIot4voM : fFuZjuQMHM
 安倍政権の安全保障政策の強化によって、否応なくサヨク連中もこの論争に引きずり込まれているんだが、あるとき突然気づいたのは、それがいつの間にか、かれらが自衛隊や自衛権を容認していた事実だ。
 60年安保、70年安保、あさま山荘事件のころ、共産党も社会党も自衛隊や自衛権を全否定していたと思う。それどころか、民主党の三バカ時代だって、官房長官だった仙谷由人が自衛隊は「暴力装置」と発言して、物議をかもした。
 先日、TBSの時事放談に出てきたかれは、もちろん内心、真実のところでは、いまでも全否定だろうが、口先では自衛隊も自衛権も容認していた。そういえば、民主党って、結党以来ずうっと全党一致して自衛隊や自衛権を容認してたのだろうか? たとえば辻本清美は社民党から民主党に移籍したんだが、そのとき彼女の信条と民主党の防衛政策は一致していたのだろうか?
 そう考えながら、いま話題の安保法制論議のなかで、民主党は批判ばかりで対案を出せないのは、党内でこの問題が未解決だからだろうが、このタテマエとホンネの使い分け、党と議員個人の使い分けを時系列を追って整理できてるんだろうかとおもった。
 はっきりしてるのは、2015年のいま現在、自衛隊と自衛権を公式に全否定するサヨクはいないことかなぁ?

2. 2015年6月26日 05:49:48 : RQRFqSCHBA

> 1 公共体の秩序=ナチスの一党独裁:ほかを認めない

間違っている。

ナチ党は、一度たりとも、選挙で単独過半数を取ったことはない。



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