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じじい4人組、魂の叫び 首相よ、強行すれば自滅だ
http://mainichibooks.com/sundaymainichi/column/2015/07/05/post-152.html
サンデー毎日 2015年7月 5日号
倉重篤郎のサンデー時評 60
皆戦争体験を持っている。安倍晋三首相をはじめ若い者に、もうこれ以上任せておけぬと立ちあがった。しかるべきところで発言したいとの要望が寄せられ、日本記者クラブに来ていただくことにした(6月12日の緊急会見は、クラブのHPからユーチューブで視聴可https://www.youtube.com/watch?v=2DNuKWye7I0)。
まず吠(ほ)えたのは亀井静香氏だった。元警察官僚。血気盛んな頃は国家基本問題同志会の中核メンバーとして右寄りの活動をしていた。その頃の人脈が残っており、石原慎太郎氏とは昵懇(じつこん)だし、安倍首相にもサシで意見する立場だ。
その右だったはずの亀井氏が時代状況を以下の言葉でまとめ、警鐘を鳴らした。「日本は今、戦争に負けて以来、ある意味では最大の危機に直面をしている」
「日本は戦後、(憲法9条下)いわゆる普通の国ではない国として生きる道を選んできた。それを一内閣だけで変える、ルビコン川を渡る、という。当然ながら、ワニが出るか、サメが出てくるか。リスクのあるなしという生易しいものではない。戦闘行為をやって、戦死者が出るのは当たり前だ」
「それを国会議員だけで決めようとしている。こういう基本問題は、国民の意思を問うのが当たり前。子どもでも分かる常識だ」
亀井氏は、抑止力を高めるという新法制の根幹にも疑義を呈した。日本が集団的自衛権を一部容認しただけでは中国の軍事台頭意欲を押しとどめるものにはならないし、何よりも米国は自らの国益を優先する国であることが理解されていない、との主張である。広島出身で姉が被爆、その時に駐留米軍が被爆者の治療よりデータ取得を優先したことがいまだに忘れられない。地元のダム建設に徴用された朝鮮人労働者のことも覚えている。差別も残虐行為もあった。加害者は忘れても被害者が忘れることはない、とも強調し、戦後70年の首相談話にも注文をつけた。
山崎拓氏は旧満州の大連生まれ。その後地元福岡に戻り、小学校3年生の時空襲を受けた。天井を突き抜けた焼夷(しようい)弾が枕元に落下、たまたま不発弾で助かったが、街中には体の一部が欠けている遺体がゴロゴロしているのを目撃した。
それが山崎氏の政治家としての原点ともなった。防衛庁長官、自民党国防族のボスとしてつい最近まで戦後日本の安保政策の中枢を担ってきた。誰よりもその経緯、内情には詳しいつもりだ。
◇「軍事」と「経済」 安倍政権が肩代わりする米国の二つの重荷
氏は三つのことを語った。第一に安倍氏が好んで使う「積極的平和主義」の「積極的」の意味は軍事力の活用にあり、これは従来の日本の軍事力に頼らない平和主義とは真逆の路線である。第二に、新法制で大幅に解禁することになる「後方支援」とは、これまで日本が戦闘行為と一体化しないよう慎重に使ってきた「後方地域支援」とは別物で、「重装備で、武力行使、戦闘行為を惹起(じやつき)するものになる」と断定、第三に、国際軍事情勢の変化とされる中国の軍事力の膨張と海洋進出、北朝鮮の核戦力強化に対しては、個別的自衛権の行使と現行法で十分対応可能だと、プロとしての見解を述べた。
藤井裕久氏は歴史の語り部である。近現代史への造詣のみならず、大蔵官僚、官房長官秘書官、政治家として日本政治史をインサイダーとしてウオッチングしてきた。
だから勘が鋭い。安倍政権は現在米国によって二つの大事業を肩代わりさせられようとしている、と喝破した。一つは、軍事的役割の肩代わりである。世界の警察官としてふるまってきた米軍がその力の衰えを補佐するため「おい、少し日本がやれよ」とばかりに割り振ってきたものである。
もう一つは、経済面での肩代わりだという。米国は現在リーマン・ショック以来過剰に緩めてきた金融政策を転換、この秋以降は金利引き上げなど引き締めに転じる構えである。藤井氏によると、その政策転換で世界経済が冷えないように、米国はその肩代わりを日本に求めているというのである。日本の異次元緩和の出口不在を見るにその可能性十分ありと考える。
武村正義氏は、琵琶湖のほとりでのんびり過ごしていたが、政界の現況に黙っていられなくなった。もともと、小沢一郎、細川護熙両氏と共に55年体制を打倒した立役者の1人だ。時代の節目に敏感だ。安倍氏の日本が、氏の信奉する石橋湛山(たんざん)的小日本主義からかけ離れていく姿に危機感を感じた。
「国の基本的な形を変える大きな政策が、論議が未成熟なまま、何もかも一挙にケリをつけられようとしている感じがする」として、(1)個別的自衛権では本当に対応できないか検証する(2)安保環境の変化には日本自身の防衛力強化で対応する(3)どうしてもそれで無理というのであれば正々堂々国民投票を経て改憲する、と提起した。
先達のそれぞれに貴重な証言、提言と思うが、官邸には馬耳東風か。「(国会議員の)バッジを外されている方で、それぞれ個人の意見表明だ。(国会審議への)影響は全くない」(菅義偉官房長官)と素っ気ない。国会の超長期延長と維新の党の抱き込みによって、最後は強行採決する構えを捨てていないように見える。
この点の亀井氏の解説はこうだ。「最終的に無茶(むちや)なことはしないと思う。世論に反してやれば自滅状態になる。なぜなら、安倍政権は派閥が作ったわけではない。右バネの風に乗っかってできた。本人もなれると思っていなかった」
安倍政権の権力基盤は、実は意外に脆(もろ)い、との指摘だ。永田町の有為転変を長年ウオッチしてきたベテランの言を軽んじるべきではない。ただ、国家の自滅よりは一政権の自滅の方がベターである。
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■人物略歴
◇倉重篤郎(くらしげ・あつろう)
1953年7月東京生まれ。78年東京大教育学部卒、毎日新聞入社、水戸、青森支局。政治部、経済部。2004年政治部長、11年論説委員長、13年専門編集委員
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