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国交正常化50周年記念のチャンスを活かせなかった安倍首相−(天木直人氏)
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23rd Jun 2015 市村 悦延 · @hellotomhanks
私は6月17日のメルマガ第506号「慰安婦問題で譲歩を模索し始めた安倍首相」で書いた。
安倍首相は、慰安婦問題で何らかの譲歩をするつもりだ、と。
果たしてそれが、朴大統領が飲める譲歩になるのか。けだし見ものであると。
私の予想は見事に外れた。
メディアは日韓外相会談の成果を強調し、日韓首脳会談の道筋が見えたなどと報じているが、事実はその逆である。
成果として喧伝されているのは世界遺産登録についての妥協と、50周年式典記念行事への安倍・朴首脳の相互出席であるが、これは、何の成果もなかったということだ。
世界遺産登録の妥協は、こんな問題で最後まで決裂するのは世界に恥をさらすことになり、日韓双方とも妥協せざるを得なかっただけだ。しかも妥協の中身もはっきりしない。
相互出席に至っては、もともと安倍首相は出席しないと報じられていたのに、何の成果もない50周年式典では格好がつかないと思った安倍首相が急きょ出席すると言い出し、安倍首相が出席するなら自分も出席しないわけにはいかないと朴大統領が応じたに過ぎない。
まるで心がこもっていないのだ。
これを要するに、日韓国交正常化50周年という節目の年に、それを祝うことができなかったのだ。
慰安婦問題にしても、歴史認識問題にしても、何の進展もなく、将来の見通しも立たなかったのだ。
もっとも、私の予想が外れるだろうことは予想できた。
その根拠は、報じられていた谷内正太郎NSC事務局長の訪韓が行われなかったからだ。
私が、何か進展があると思った最大の根拠は、谷内正太郎NSC事務局長の訪韓が検討されていると報じられたからだった。
訪韓して何も成果が無いとなると、鳴り物入りでつくったNSCの無駄と、三顧の礼で迎えた谷内正太郎事務局長の無能さが明らかになる。
だから谷内正太郎NSC事務局長を派遣する時は、なんからの成果を喧伝する時でなければいけないのだ。
その谷内事務局長の訪韓がなく、いつでも使い捨てできる杉山外務審議官の派遣でお茶を濁したのだから、その時点で日韓関係の進展をあきらめ、後は、お互いの世論に対する「格好づけ」の協議に終始したということだ。
それにしても、日韓国交正常化50周年と言う節目の年に、こんな子供だまししか出来なかった安倍首相の対韓外交は、歴史に汚名を残すものである。
それにしても、このような最悪の結果にもかかわらず、成果を強調するメディアの安倍迎合には、あきれ果てるばかりだ。
その中でもNHKの報道は読売新聞以上に安倍迎合が目に余る。
あの読売新聞でさえ、控えめに報じていたというのに、である。
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