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衆院平安特で有識者応酬 民主の「矛盾」浮上 元法制局長官も見解割れ
http://www.sankei.com/politics/news/150622/plt1506220056-n1.html
衆院平和安全法制特別委員会は22日、安全保障関連法案に関する参考人質疑を行い、5人の有識者から意見聴取した。法案への賛否をめぐる応酬では、違憲論で政府を追及する民主党の「矛盾」が浮上。野党が呼んだ元内閣法制局長官の間でも法案への評価は必ずしも「違憲」で一致せず、法案に一定の理解を示す指摘もあった。
合憲派を代表する憲法学者、西修・駒沢大名誉教授は自民党推薦で意見を表明した。「集団的自衛権と個別的自衛権を(概念的に)分けるのは無意味だ」と指摘。民主党の枝野幸男幹事長が『文芸春秋』平成25年10月号に寄せた論文を取り上げ、枝野氏も同意見だと紹介した。
「個別的か集団的かという二元論で語ること自体、おかしな話だ。そんな議論をしているのは日本の政治家や学者くらいだ」
論文にはそう記されている。西氏があえて取り上げたのは、民主党が「集団的自衛権は不要で、個別的自衛権で対応できる」と、2概念を区別して法案を批判している「矛盾」があるからだった。
批判が自身を直撃した枝野氏は「つまみ食いされている。論文は『憲法の条文を作るなら』という文脈で書いたものだ」と記者団に語り、西氏に反論した。ただ、政府を批判するときだけ2つの概念を区別する理由の説明はなかった。
民主、維新、共産の野党3党は合同で、慶応大名誉教授の小林節、ともに元内閣法制局長官の阪田雅裕、宮崎礼壹の各氏を招いた。結束して政府を追い込む狙いだったが、必ずしも思惑通りにはいかなかった。
宮崎氏は「集団的自衛権の行使容認は限定的と称するものを含め、従来の政府見解とは相いれない」と主張。一方、阪田氏は中東・ホルムズ海峡での機雷掃海は枠外だとしつつ「限定的行使が従来の憲法解釈と論理的に全く整合していないものではない」と述べ、法案に一定の理解を示した。
憲法学者の小林氏は「戦争法案は憲法違反だ」と断言。「われわれは条文の意味はこうだという神学論争を言い伝える立場だ」とも語り、憲法学の議論は「必要優先」の議論とは別だとも強調した。
その「必要優先」の立場から公明党推薦で森本敏元防衛相が意見表明。「現実の国の安全が法理解釈通り対応できているとは思わない」と述べ、現実的な法整備の必要性を強調した。(千葉倫之)
[産経ニュース 2015/6/22]
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