http://www.asyura2.com/15/senkyo187/msg/256.html
Tweet |
『日本のエリート リーダー不在の淵源を探る』(朝日新書)橘木俊詔著定価:821円(税込み)
安倍晋三、鳩山由紀夫、小泉純一郎… 世襲議員の問題とは?〈dot.〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150622-00000001-sasahi-pol
dot. 6月22日(月)7時10分配信
「世襲政治家」は批難されるべきか、そうではないか。
一般的に、両親や祖父母などの親族から選挙区を受け継いだ者が世襲政治家と言われる。いわゆる「ジバン」「カンバン」「カバン(選挙資金)」といった選挙で有利となる「三バン」を引き継ぐため、選挙に圧倒的に強い。
なかでも首相経験者における世襲の優位性は際立っている。戦後の首相経験者、吉田茂氏から海部俊樹氏まで17名のうち、鳩山一郎氏以外の16名の父親は国会議員ではなかったが、宮沢内閣から現在の第3次安倍内閣までの首相経験者14名のうち、国会議員を父に持つ人は実に9名(宮沢喜一氏、羽田孜氏、橋本龍太郎氏、小渕恵三氏、小泉純一郎氏、安倍晋三氏、福田康夫氏、麻生太郎氏、鳩山由紀夫氏)。
こうした世襲政治家の問題について、京都女子大客員教授の橘木俊詔氏は自著、『日本のエリート リーダー不在の深淵を探る』の中で、自身が過去に実施した世襲国会議員の分析を紹介している。
「第1に、政党別に世襲議員の比率を見ると、52%が自民党であった。(中略)第2に、卒業した大学名を調べると、25%は慶応大学の出身者であった。いわゆる坊ちゃん・嬢ちゃん大学として有名な慶応大学には、政治家、実業家の子弟が入学する比率が高いことの反映である。(中略)第3に、大学卒業後は一時期、民間企業やマスコミで働いてから父親の秘書を経験して、選挙区の地盤を受け継いでから出馬するというパターンである」(同書より)
もっとも、2世・3世の政治家は日本に限った話ではなく、アメリカのジョージ・ブッシュ父子や韓国の朴正煕(パクチョンヒ)・槿恵(クネ)父娘、さらに最近なにかと話題のフランスの極右政党「国民戦線」のジャン=マリー・ル・ペンとマリーヌ・ル・ペン父娘など、海外でもよくあることだ。
橘木教授も、親族が政治家であれば子どものころから政治が身近な存在であり、さらに実際に世襲した際には周囲の支持者が「うまく守り立ててくれて、良い政治家に育ててくれる可能性に期待できる」(同書より)といった世襲の“メリット”を指摘する。
しかし、冒頭に述べたように、ほかの候補者より圧倒的に選挙に有利な状況であるため、「意欲が高くて有能な人を議員から排除していること」にもつながってしまうと橘木教授は言う。また、政治以外の世界がわからない、素養や適性がない、などといった「無能のエリート」が世襲してしまう可能性も高い。
こうした問題点に対して世襲議員を完全に排除すべきとの声もあるが、憲法14条(法の下の平等)に反する可能性もある。
この点で橘木教授は、次のような海外の選挙制度を紹介する。
「民主主義創設の国であるイギリスでは、世襲の人が国会議員選挙に出るときは選挙区を別の区にしなければならない、という規則がある。これは明らかに世襲の人が有利になることを排しているし、その地域の政治が特定の一族で支配されることを排している制度であり、日本も導入してよい案と思われる」(同書より)
なにかと頭ごなしに批判されがちな世襲問題。しかし、“世襲”そのものを問題視するのではなく、現状の日本の政治制度における世襲問題をどう改善するかを考える必要があるのかもしれない。第2次安倍内閣では閣僚の半数が世襲議員だったことが話題となったが、安倍政権には、こうした政治制度改革も「粛々と」進めてもらいたいものである。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK187掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。