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自民と維新の事情
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52715600.html
2015年06月20日 在野のアナリスト
経団連が発表した、大手企業の定昇とベアを合計した今春の賃上げ率は、2.52%でした。しかし毎月勤労統計で示された実質賃金は、0.1%減。それもこれも非正規雇用の増加と、高齢者の再雇用による契約形態の見直しがあるためです。そんな中で、衆院で労働者派遣法改正案が可決されました。これ以上、非正規や派遣労働を増やしても、日本全体が成長するわけがありません。企業が円安で大幅に業績をあげても、昨年はマイナス成長だったことに違いがないのです。
民主、生活、社民は採決前に退席し、維新は派遣法成立と引き換えに、同一労働同一賃金法案を成立させましたが、骨抜き法という代物で、維新が何をしたいのか分かりません。法案成立が最終目標でなく、国民生活がそれでどう変わるか、法律が施行された時点でどう評価されるか、が大事ははずなのに、維新はそれすら忘れてしまい、政局に明け暮れるだけの存在に見えます。
その印象を強くするのは、安倍、菅―橋下、松井会談です。あくまで憶測ですが、安倍首相が橋下氏に維新が野党を主導するよう、要請したフシがあります。その晩から橋下氏がツイッターによる発信で、維新の存在感をアピールしだしたのもそんな事情からなのでしょう。しかし安倍氏がやたら維新にポイントをつけようと、民主の質問には露骨にイヤそうな態度を示し、維新には「いい質問をしていただいた…」などとおべんちゃらをいうのは、明らかに逆効果です。安倍氏自身が国民に不人気であり、しかも与党に近づく野党は、確実に政党支持率を落としますので、二重の意味で維新にとって安倍氏の態度は逆風でしかありません。
安倍氏にそれが分かっているのか? 分からず行っているのか? 前者っぽい点が残念ですが、実は維新と自民の事情は極めて似通っているのです。維新では安保法制の対案について橋下氏が批判し、勉強会が開かれ、橋下氏の指摘に基づき修正する方向です。それに関して、橋下氏の『影響力』や『存在感』と報じられますが、維新内で橋下シンパは20人にも満たない、少数勢力です。それでも、維新としては分裂を回避したいので、橋下氏の意向を無視できません。つまり、少数が多数を振り回す構図なのです。これは自民も同じなのです。そもそも改憲が党是なのに、その党是を変更して今、安保法制を憲法の解釈変更で済ませようとしている。そのため、以前の発言や閣議決定してきたことにも大きく反した行動、言動を今、自民党員はとらざるを得なくなっています。安倍シンパは少数であるにも関わらず、安倍氏がやろうとしていることに従わざるを得ず、党自体の存在すら揺らぐ自体になっている、とも言えるのです。
安倍氏、橋下氏、ともにその勢力は党内で少ない。それでも党分裂を回避したい、相手の意見を聞いてあげよう、という大人の対応を周りがするので、今があります。少数の子供な意見を聞くばかりに、周りは迷惑をかけられている、という状況がとてもよく似ているのです。そのせいで、高村副総裁や他の閣僚も、過去の発言をほじくり返され、説明に窮してしまっています。
大人なのに、子供っぽいと好かれる。それは安倍氏や橋下氏に対する、メディア側の反応がそうです。なので取り上げられる機会も多く、そのために『影響力』や『存在感』があると誤解されますが、それらが多数になることはない。もしそんな子供っぽい面々が多数になったら、もうそうした組織は危ないのですから、実は自民も、維新もそれで均衡している、ともいえます。ただ間違えてはいけないのは、それが『影響力』や『存在感』がある、ということは、その子どもっぽい発想が多数を支配してしまう、ということであり、そんな組織を国民の大多数が支持できるのか? ということです。国会が大人の議論にならないのは、こうした事情もあるのかもしれませんね。
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