4. 2015年6月20日 11:46:46
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大企業覇権としてのTPP 2015年6月18日 田中 宇-------------------------------------------------------------------------------- 米国で、米日豪ASEANチリなど12カ国で交渉中のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に対する反対運動が、交渉開始以来、最大の盛り上がりをみせている。TPPは、米国などの大企業が米政府を動かして交渉させており、交渉が非公開・秘密裏に行われ、交渉中の条約文案は機密文書で、条約文案を各国の議員が見ることすらほとんど許されていない。大企業(財界)の影響を受ける国会議員やマスコミの反対も少ない。秘密裏の交渉なので問題点が見えにくく、反対運動も盛り上がりにくかった。(TPP is in trouble, thanks to public interest)(Slow it down! Don't fast track the TPP) 米国は、アジア太平洋諸国と締結しようとしているTPPと、欧州と締結しようとしているTTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ)という、本質的に同一な2つの貿易圏を並行して交渉中で、早ければ今年中に締結される見通しだった。両方が締結されると、世界の米国の同盟諸国の全域をおおう「自由貿易圏」ができあがる。「自由貿易圏」と呼ばれているものの、実体は、国際的に影響力を持つ大企業が、加盟諸国の政府の政策に介入したり楯突いたりできる「大企業覇権体制」が構築される。(Stop Calling the TPP a Trade Agreement - It Isn't)(Someone Finally Read Obama's Secret Trade Deal And Admits The TPP "Will Damage This Nation")(貿易協定と国家統合) TPPとTTIPをめぐる問題点はいくつかある。最大のものは、加盟国の政府の政策が国際的な標準と合致せず、これによって、外国企業が不利益を被った場合、企業は特別な国際法廷(仲裁機関)にこの件を提訴して政府に賠償金を払わせたり、政策を無効にすることができるというISDS(投資家対国家間の紛争解決)だ。TPPとTTIPの国際法廷は、ワシントンDCの世銀本部に設置される構想だ。この国際法廷は、国家主権より上位に位置する。国家主権を最も上位の権力と(建前的に)みなしてきた近現代の国際法の根幹をくつがえすものだ。欧州では、TTIPを締結すると遺伝子組み替え種子を開発する米国のモンサントがEUの規制を打ち破る提訴をすると予測されている。(What's holding up an EU-US free trade deal?)(ISDS: The New Supreme Court)(国権を剥奪するTPP) このほか、かつて米国で「SOPA」などとして検討された、動画など著作権違反のコンテンツを掲載するウェブサイトを(DNSの変換対象から除外し)インターネット上から抹殺することを可能にする条項も、TPPやTTIPに含まれている。著作権違反の取り締まりと称して、ネット上の言論抑圧を大っぴらにやれるようになる。(米ネット著作権法の阻止とメディアの主役交代)(How The Leaked TPP ISDS Chapter Threatens Intellectual Property Limitations and Exceptions)(◆覇権過激派にとりつかれたグーグル) これまで弱かった米国でのTPPの反対運動が、交渉がまとまりそうな土壇場の今ごろになって急に盛り上がった一因は、欧州でTTIPに対する反対運動が盛り上がったことからの影響だ。EUでは今年初めから、TTIPのISDS条項などが国家主権や民主主義を無視していることが問題視され、反対運動が盛り上がった。(The trans-Atlantic scramble for free trade deals)(Two Leaks Reveal How TAFTA/TTIP's Regulatory Co-operation Body Will Undermine Sovereignty And Democracy) 3月末にウィキリークスが、交渉中のTPPの条文案の一部を入手して公開した。このことも、米欧での反対運動の激化につながっている。ウィキリークスは、TPPの条文が29章からなり、そのうち5章しか貿易に関連していないことも暴露した。残りの章は、大企業の国際活動を有利にするためのものだ。(WikiLeaks ; TPP Intellectual Property Chapter)(Leak of Secret Trade Document Reveals Sovereignty-destroying Courts)(America's Biggest Secret: Wikileaks Is Raising A $100,000 Reward For Leaks Of The TPP) 米国では今年3月ごろから、米国の労働組合がTPP締結によってアジア企業に雇用を奪われるなどとして反対を強め、労組との結びつきが強い米民主党内でTPP反対運動が強まった。民主党の大統領であるオバマは、党内の反対を鎮めようとしたが逆効果だった。(What's Going On In Obama's Trade Meeting With Democrats? That's Classified)(House Democrats angry over Obama's classified trade meeting) オバマはおそらく当選前にTPPとTTIPの締結に向けて努力することを条件に大企業の支持を得ており、TPPなどを積極的に推進している。米2大政党の中では、大企業(財界、金融界)の代理勢力である共和党がTPP・TTIPの推進派だ。対照的に、労組や市民運動を支持基盤とする民主党は反対派だ。オバマは、自分の政党の支持を得られず、野党である共和党と組んでTPPを推進するという、ねじれ現象になっている(A Fast Track to Disaster)(Five reasons to fret about Obama's trade agenda) TPPの前身(同質)の多国間貿易協定として、米国の民主党クリントン政権が1998年にカナダ、メキシコと締結したNAFTA(北米自由貿易協定)がある。NAFTAの時も、今回と同様、与党だった米民主党が反対し、クリントン大統領は共和党と組んでNAFTAを可決した。その後、米国の雇用市場は縮小し、賃金上昇も抑制された。労組などは、これをNAFTAのせいだと批判し、今回NAFTAの時の失敗を繰り返したくないとして、TPPに反対している。(Why Does Obama Want This Trade Deal So Badly?)(The TPP Must Be Defeated) 4月末に日本から安倍首相が訪米して米議会で演説したが、これはオバマ政権がTPPに積極的な日本の首相を呼んで演説させることで、TPPに反対する米議会の民主党に影響を与えようとしたものだ。日米は、安倍訪問時に日米間のTPP交渉を妥結することを狙ったがうまくいかず、米国のTPP反対運動はむしろその後加速した。(Ahead of Abe Visit, Pressure Builds For Obama on TPP)(安倍訪米とTPP) オバマ政権は、米議会が、TPPの交渉をオバマに一任する交渉の「ファストトラック」化を求めている。これが実現すると、議会は交渉に参加できず、一任されたオバマが交渉に成功した場合、交渉結果としてのTPPの協定条文を一括して可決するか否決するかの選択肢しか与えられず、条文の一部改定が許されなくなる。オバマ政権は、夏休み前の6月中に、議会にファストトラック法案を可決させようとした。財界(大金持ち)との結びつきが強い上院は、5月にファストトラック法案を可決した。しかし、下院は審議がもめている。(US Senate backs `fast-track' trade push)(Senate Passes Obama's TPP Fast-Track Trade Proposal) TPPは、大企業が国家主権をくつがえせる国際法廷ISDSなど、国家主権を発動する組織である議会が猛反対しそうな要素を含んでいる。有権者(国家の主権者)より献金者(企業)を重視する議員が多い中、うまくやれば、国家主権を制限して企業に権限を移譲するTPPの実現が可能だが、それには国民やその代表である議員がTPPの本質を知らないままであることが必要だ。そのためTPPの条文案は米国で国家機密とされ、議員が希望すれば条文案を閲覧できるが、閲覧した内容を他人に伝えることを禁じられている。議会の特別な地下室で、当局の職員が同席する中の閲覧で、メモをとることも許されない。(Dinosaur media tells Americans they shouldn't know about TPP because it's "Too Difficult to Understand.") 議員は閲覧の際、機密保持の要件(セキュリティクリアランス)を満たした側近を連れていけるが、機密保持要件を満たす側近は軍事や安全保障の専門家が多く、貿易協定の専門家が少ない。専門家の側近を連れずに議員一人で閲覧しても、協定の条文案は専門用語が多く、意味を把握しきれないことが多い。TPPなど貿易協定の条文は、細部や脚注が重要なことが多く、何人もの専門家が数日がかりで検討しないと問題点を指摘できない。米議員は、TPP条文の吟味を事実上禁止されている。(Ultra-Secrecy Surrounds Barack Obama's New Global Economic Treaty) 米当局は通常、機密保持のため、誰がいつ機密文書を閲覧したか一覧表(ログ)を残すが、当局はTPP条文案の閲覧ログの公開を拒否している。米民主党幹部が聞き回ったところによると、米議会上下院の合計500人以上の連邦議員の中で、条文案を閲覧したのは10人未満だという。総勢54人の上院共和党議員の中で、条文案を閲覧したことを認めているのは2人だけだ。下院の219人、上院の62人がTPPのファストトラック法案に賛成したが、彼らのほとんどは、条文案も見ずに法案に賛成したことになる。(You Can't Read the TPP and You Can't Find Out Who in Congress Has)(Only Two Republicans Admit They Actually Read Secret Obama Trade Deal) オーストラリアでも、国会議員にTPP条文案を閲覧させることになったが、閲覧から4年間は、その内容を他人に話すことを禁止されている。日本では、国会議員に条文案を閲覧させることが検討されたが、機密保持の法律を整備していないため、閲覧した情報を漏洩した議員を処罰できないとわかり、閲覧させないことにした。日本の国会は、条文案を全く閲覧せずにTPPを議論している。(Australian MPs allowed to see top-secret trade deal text but can't reveal contents for four years) 他国との交渉で、議会が交渉内容を吟味せず、大統領に交渉を一任することは、米国で昔から行われていた。ファストトラック関係の法律は米国で1970年代からある。しかし今回は議会に対する軽視があまりにひどかった。TPPが、ISDS条項など、国家主権つまり議会の立法を超越する超国家的な国際権限(つまり覇権)を持つがゆえに、議員に条文も見せずに交渉を大統領に一任しろと言ってくるやり方に、各方面から反発が出た。(Stop Calling the TPP a Trade Agreement - It Isn't)(Rule By The Corporations - Paul Craig Roberts) 5月後半、FT紙は「米政府はTPPの交渉を公開でやるべきだ」とするハーバード大の学者の主張を掲載した。民主党系の著名な経済学者ジョセフ・スティグリッツは同時期に「TPPは、企業が秘密裏に国家主権を乗っ取る構造を隠し持っている」と酷評した。200万人の反対署名が集まり、米政府に提出された。(US should not negotiate free trade behind closed doors)(Stiglitz: The secret corporate takeover hidden in the TPP)(WE THE PEOPLE: 2 MILLION PETITIONS DELIVERED TO CONGRESS TO STOP TPP) 反対運動が盛り上がる中、6月12日に米議会下院でTPPに関する票決が行われた。TPPのファストトラック化の法案と、TPP(など貿易協定全般)による米国民の失業増を見込んだ雇用支援策の法案を抱き合わせにして票決した。ファストトラックは共和党が賛成、民主党が反対する傾向で、雇用支援策は民主党が賛成、共和党が反対する傾向だったので、抱き合わせて一つの法案にすることで可決の可能性を高める策略だったが、ファストトラックを可決したくない民主党の議員たちは、雇用支援策にあえて反対することで、抱き合わせ法案を否決に追い込んだ。(Obama Fights to Save Trade Bill)(Obama quest for fast-track trade bill on ice in House) 2つの法案を別々に票決していたらファストトラック法案は可決されていたはずなので、共和党はファストトラックのみの再票決を求めたが、民主党の反対で実現しなかった。オバマは民主党議員団と話し合い、議会が夏休みに入る直前の7月末までファストトラックに関する議論を6週間続けることを決めた。(Obama wins more time over trade fight)(U.S. House Votes To Buy Time For Obama's Trade Agenda) 春以降、時期が経つほど米国内でTPPへの反対論が強まっている。今後の6週間で、TPPの交渉を大統領府(ホワイトハウス)による非公開の国際協議に一任(ファストトラック化)することに反対する米国民の世論がさらに強まり、ファストトラック化が否決されるかもしれない。そうなると米政府は、貿易協定からほど遠く、米大企業の覇権強化策である、とんでもない内容のTPPの条文を機密解除して米議会で公開審議せざるを得なくなる。米国がTPPの署名や批准を拒否する可能性が増す。(TPP defeat: Why labor movement's war against fast track may not be over)(Fast Track Down) 米国のマスコミの一部は、米国がTPPを否決するとアジアの貿易を無法な中国に乗っ取られ、法治や民主主義や環境を守る主導役である米国がアジアから追い出されてしまう、TPPが創設できれば中国を弱体化させられる、と喧伝している。しかしFT紙は最近「TPPを作っても中国を弱体化できない」「米政府は最近まで、中国は経済の市場化が不十分なのでTPPに入れないと言っており、TPPを中国封じ込め策だと言っていなかった」と指摘する記事を出している。(Obama's Pacific trade deal will not tame China) 同じFTでも別の記事は「TPPの否決は(第二次大戦の遠因となった)米議会の国際連盟加盟批准否決と同じぐらい世界にとって悪いことで、オバマの残りの19カ月の任期が無意味なものになる」と仰々しく書いている。マスコミ内部も分裂している。(Global trade agreements have a new role) 一貫してTPPに反対してきたハフィントンポストは、中国脅威論に絡めてTPPを売り込む冷戦型の扇動報道を非難し「中国の脅威と無理矢理に結びつけないとTPPの必要性を説明できないこと自体、TPPがいかに不必要なものであるかを示している」と書いている。(TPP Panic: Playing the China Card)(WTOの希望とTPPの絶望) TPPの兄弟分である米欧間のTTIPに関しても、ここにきて欧州での反対運動が急に盛り上がっている。欧州議会は6月10日、TTIPについての議論を計画したが、超国家法廷ISDSの設置を定めた条文の削除を求めるものなど、200件以上の修正動議が出され、否決されそうな流れになったので、欧州議会の2大会派(保守派と中道左派)が談合し、予定されていた議論を無期延期した。(TTIP vote postponed as European Parliament descends into panic over trade deal) 欧州議会ではこれまで、2大会派が談合し、TTIPをろくに審議しないで可決してしまおうとする動きが続いてきた。TTIPに反対していたのは、英国の反EU政党UKIP(イギリス独立党)など、保守とリベラル(左派)の2大会派に属さない少数派だけだった。ところが今年2月ぐらいから、左派の間で、TTIPが大企業覇権の拡大策であることに気づいて反対する動きが強まった。(TTIP: Ukip lead dramatic EU revolt against trade deal that could force NHS privatisation)(France's Socialists say 'non', 'no', 'nein'! to TTIP) 5月に入って欧州各国の左派勢力が賛成から反対に転換し、6月3日、TTIPをろくに審議せず可決するという2大会派間の談合を左派が破棄し、欧州議会での談合体制が崩れた。6月10日に審議しても大荒れになり、否決される見通しになったため延期された。米国同様、欧州でもTTIPに対する反対運動が強まる一方なので、欧州議会がTTIPを可決する可能性は低くなっている。(Parliament's TTIP vote in limbo)(EU Chiefs Attempt to Stop TTIP Debate, `Crack in Corporatist Stitch-Up' Proclaims Farage) TPPとTTIPに反対する人々が最も強く批判しているのは、超国家法廷ISDSの設置に関してだ。ISDS自体は、目新しいものでない。1980年代から、各国間の貿易協定にISDSがつけられる傾向だ。これまでISDSは、貿易協定を結ぼうとする2国(多国)のうち強い方の国が、自国の企業を有利にし、相手国の政策を無効にできる内政干渉的な道具として使っていた。(Secret trials no help to trade and highlight risks of TPP) たとえばオーストラリアの場合、82年の対ニュージーランドと、03年の対米の貿易協定には、豪州の反対でISDS条項が入っていない。だが、シンガポール、タイ、韓国、ASEAN、香港、アルゼンチン、インド、ハンガリー、ベトナムなど、他の諸国との貿易協定には、すべてISDSが入っている。豪州は、自国より立場が強い(または対等)な国々との貿易協定にはISDSを入れたがらず、自国より弱い国々との貿易協定にはISDSを入れている。ISDSは、自国より弱い国々との貿易戦争において、相手国の市場をこじ開ける武器であり、自国より強い国との貿易協定にISDSを入れてしまうと、それは自国を攻撃する相手国の武器になってしまうので、ISDSを入れることを拒否する。それが豪州の貿易戦略だった。豪州は、TPPの秘密交渉でも唯一ISDSを入れることに反対してきたことが、ウィキリークスの条文暴露によって明らかになっている。(Australia's conflicting approach to ISDS: where to from here?) つまりISDSはこれまで、国家(政府)が自国企業に力をつけさせてやるための道具だった。この延長で考えると、TPPとTTIPにISDSがついていることは、2つの貿易協定の参加国で最も強い国、つまり米国の企業が、他の参加国の政府の政策を無効化して市場をこじ開けるための道具としてISDSが使われることを意味する。これだけなら「米国がまた覇権を乱用している」という、昔ながらの話で終わる。 しかし今、米国の覇権は衰退期に入っている。今後、米覇権はさらに衰退するだろう。そのような中で今、米国の大企業がオバマ政権や議会に強い圧力をかけてTPPとTTIPという、西側世界を網羅する「貿易協定」(という名の企業覇権体制)を創設しようと急いでいるのは、米国の覇権が衰退した後も、米国企業が、西側諸国の政府の政策に介入し、市場をこじ開けるISDSという道具を持ち続けるためだろう。米国覇権が衰退していないなら、米財界は急いでTPPやTTIPを作る必要がない。(Trojan Horse: The Trans Pacific Partnership (TPP) Has Already Bought Off Washington) 大企業は従来、米政府や議会にロビー活動(献金や圧力)を行って、米国の国際戦略や国内政策を企業好みのものに変質させてきたが、米国の覇権が衰退すると、この手のロビー戦略が有効でなくなる。だから、ロビー活動で政府をあやつるのでなく、大企業が政策立案者を政府内に送り込み、TPPやTTIPの機密の条文を非公開で作成し、それを欧州やアジアの米同盟諸国に押しつけようとしている。米覇権衰退を受けた、米大企業による「米国覇権の乗っ取り」「米政府の乗っ取り」が、TPPやTTIPの本質だ。("The corporations don't have to lobby the government anymore. They are the government.") 今のところTPPやTTIP(ISDS)で得をするのは米国の大企業だが、今後米国覇権が衰退していくと、米国以外の大企業がISDSを武器に使い、米国の政策を無効化する場合があり得る。前述の豪州の場合、自国より弱いはずの香港との貿易協定に盛り込まれたISDSを使い、タバコ会社のフィリップモリスが豪政府のタバコの箱のデザイン規制の法律を無効化(賠償請求)すべく、提訴してきた。TPPやTTIPは、米国の下に各国政府があった現代の覇権体制を崩し、大企業が覇権を奪い合う新世界秩序に転換させる。(TPP: Australia pushes against ISDS in trade agreement, WikiLeaks reveals) 米国の民主主義(議会と政府)の力を自ら削いで大企業に差し出すTPPやTTIPを、なぜオバマ政権は推進するのか。選挙の時に献金などと引き替えに財界に約束させられたので仕方がない、ということなのだろう。オバマが喜んでTPPを推進しているとは考えにくい。私はさらに一歩進んで「実のところオバマは、米欧国民の反対運動が強まって、TPPやTTIPが否決される事態を、ひそかに誘導しているのでないか」「TPP条文の機密化や審議拒否を異常なまでに過激にやって人々をわざと怒らせ、TPP反対運動を強めているのでないか」と勘ぐっている。 ◐http://tanakanews.com/150618tpp.htm
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