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最初から最後までノラリクラリ(C)日刊ゲンダイ
「安保」討論で答弁拒否…安倍首相に政治家としての資質なし
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160908
2015年6月18日 日刊ゲンダイ
議論のスリ替え、ゴマカシの揚げ句、答弁拒否……。テレビ中継を見ていた人は「違憲」を実感したに違いない。集団的自衛権の行使を認める安保法案をテーマに17日行われた党首討論。憲法学者を中心に「違憲」の大合唱が増す中で、安倍首相の反論が注目されたが、結局、ナ〜ンも説明できなかった。
「我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容したのか」
野党のトップバッターに立った民主党の岡田克也代表がこうただしたのに対し、何をトチ狂ったのか、突然、改正派遣法の審議をめぐる衆院厚労委の混乱を持ち出し、「言論の府を抹殺する行為」などと野党批判を始めた安倍首相。岡田代表が「質問に答えていない」と迫っても知らん顔で、そのクセ、「実のある討論にしようではないか」「見識を示し合おう」なんて言い出す始末だった。
「必要な自衛措置を考えるのは政治家だ」とタンカを切っている政権だ。それなら国民の前で堂々と反論すればいい。党首討論は格好の場だ。それなのに最初から最後までノラリクラリ。真正面から答えようとしない。「実のある討論」を避けたのは安倍首相本人だろう。
アングリしたのは「存立危機事態」や「重要影響事態」を認定する政府の判断基準を問われた際の答弁だ。まさに安保法案の「キモ」で、国民が最も知りたい内容だ。ところが、安倍首相は「ここで申し上げるのはいかがなものか。政策的な中身をさらすことになる」と答弁を拒否したのである。
戦後70年間守ってきた「不戦の誓い」を大転換し、国民の生命にもかかわる重要な判断基準だ。それが国会で示せないなんて、国民主権を否定したのも同然だ。「『必要な自衛の措置』がどこまで含まれるのかは、常に国際状況を見ながら判断しなければいけない」なんてエラソーに言っていたが、てんで理屈になっていない。
「党首討論は、議題について簡単な事前通告で行うガチンコ勝負。やりとりを通じて政治家としての素養や識見が如実に表れます。討論を見る限り、安倍首相には政治家としての資質が欠けていると感じます。それに『申し上げられない』なんて答弁が許されたら、国会そのものがいらなくなりますよ」(政治評論家の山口朝雄氏)
党首討論するたびにボロを出す安倍首相の“本性”に国民も気付いたはずだ。
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