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2015-06-18 09:55:31
松野頼久・維新の党代表は昨日6月17日の党首討論で、安倍首相を真正面に見据え、「修正協議に応じる考えは絶対にありません」と宣言しました。カッコいい!
ところがこれが、とんだ食わせ物。「我々は対案を出します。これを呑んで下さい」と付け加えました。つまり、維新の党の「対案」なるものを呑めば、めでたく安保関連法案は成立です。
そこで「対案」ですが、例えばホルムズ海峡での機雷掃海を念頭に「経済的な理由のみによる集団的自衛権は行使しない」と書くそうです。また、後方支援のあり方について、「アメリカ軍以外の外国軍隊への支援や弾薬の供給は認めない」などです。
「経済的理由のみで集団的自衛権は行使しない」は、自民党自体がもともとそう言っているのだから、問題になりようがない。また、アメリカ軍以外への支援については、「小さく生んで大きく育てる」方式だから、受け入れても一向に差し支えない。
だから、「対案」とは名ばかり。自民党案の表現を少し変えただけで、中身は実質的に同じと言っても言い過ぎではありません。カッコいい大見得もひと皮めくってみると、ありゃ、うり二つ!。維新は、「貴方がたが望む法案を『対案』と称して出すのだから、呑めるでしょ」という茶番なのです。
この茶番の前段として、安倍・橋下3時間会食がありました。そして、維新の党の東京組と大阪組の打ち合わせがありました。この過程でひねり出されたのが、修正案もどきの「対案」だったのでしょう。有権者をおちょくるのもいい加減にしろ!
かくして会期延長はそれほど大幅なものは不要になったといえます。あとは、世論の気分が「仕方がないな」というあきらめに落ち着くのをどう読むか、だけかな。場合によっては、8月15日の敗戦の日の前、安倍談話を出す前に片づけるかもしれない。
安保法案が「違憲」であることが明確であるにもかかわらず、安倍論法を突き崩せずないひ弱な野党。せっかく、憲法学者が根本のテーマを提起したにもかかわらず、それを有効に生かせない無能力な野党。自民党のレトリックに振り回されるぶざまな面々の野党。
明白に違憲の法案が成立させられようとしています。私たちは違憲の法案にしばられることになるかもしれません。それとも、成立してから「違憲」と訴訟に持ち込みますか。しかし、砂川判決で、最高裁は「統治行為論」なるものを持ち出しています。つまり、最高裁は、「高度に政治的な問題」については判断しないという前例を出しています。
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