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どうなる派遣労働者:「消費税」制度が企業の派遣労働者利用拡大に拍車
http://www.asyura2.com/15/senkyo186/msg/823.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 6 月 17 日 02:41:47: Mo7ApAlflbQ6s
 


 派遣労働者が消費税とどういう関係があるの?と疑問に感じる人は、すでに政府の“消費税詐欺”に引っかかっていると言える。

 まず、派遣労働者の利用は、従業員として直接雇用するよりも賃金ベースで20〜30%安上がりになると言われているが、それに加え、健康保険・厚生年金・労働保険など法定福利厚生費(企業負担分)がゼロになることでも企業の利益増大に貢献する。

 この二つは消費税制度がなくても企業が享受できる派遣労働者制度の“メリット”だが、消費税制度は、派遣労働者の利用から別のかたちの利益を生み出す。

 名称そのものが詐欺だとも言えるが、消費税は付加価値税である。そして、付加価値のおよそ60%は人件費の原資である。
 消費税は、その負担を消費者や取引先にできるだけ転嫁しようとするにしても、人件費が60%ほどを占めている付加価値に課される税なのである。

 仮に、人件費総額が100億円の企業があり、直接雇用者の人件費が50億円、派遣労働者の経費が50億円だとすれば、直接雇用者人件費50億円については消費税がそのまま課され、派遣労働者経費50億円についてはその8/108(約7.4%)が売上に係わる消費税から控除できる。

ある企業の付加価値(売上−仕入)総額が165億円だとすると、人件費に充当される付加価値に課される消費税額は、(※この段階の仕入からは派遣労働者充当分を除外)

●ケースA:人件費100億円すべてが直接雇用

消費税:165億円×8/108=12.2億円


●ケースB:人件費100億円のうち直接雇用と派遣労働者で各50億円

消費税:165億円×8/108−50億円×8/108=8.5億円


同じ100億円の人件費を使っていても、半分を派遣労働者にすることで、手元に残る付加価値を3.7億円も増加させることができる。(経営に及ぼす中長期的な影響は無視する)

 計算式からわかるように、経費として計上できる派遣労働者の比率を増やせば増やすほど、控除できる消費税額が増大するので、手元に残る付加価値も増加していく。仮に、100億円分の人件費をすべてハケンにすると、納付すべき消費税額は4.8億円まで減少する。

 他の経費は無視しているが、ケースAでは手元に残せる付加価値は人件費を差し引いて52.8億円で、人件費をすべてハケンにすると付加価値は60.2億円も残るようになる。

 派遣労働者を利用できる業務を限定することが、現実の生活を困難にしているのみならず老後を含む将来を不安なものにしている派遣労働者問題を緩和する第一義的対策である。
 その絞り込みがどうしても難しいというのなら、派遣労働者の利用が収益源になる消費税制度を廃止すべきである。

 消費税制度は、労働者にとって不安定な雇用形態である派遣労働者の利用拡大を企業に促すインセンティブだからである。

 恐いことに、消費税税率が高くなればなるほど、直接雇用を減らし派遣労働者の利用を拡大することで得られる利益が大きくなる(税負担という損失が小さくなる)。そして、その損得勘定が、直接雇用の労働者をさらに減少させ、派遣労働者を増大させる誘因になる。
 これは、付加価値税(消費税)の税率が20%前後まで引き上げられてきた欧州諸国の歴史的経緯を顧みればわかる。

 民主党などが主張している「同一労働・同一賃金」は、建前として法律化するのはいいとしても、直接雇用の賃金が引き下げられることでも実現できる話なので、労働条件の改善にそれほど寄与しないと考えている。

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2015年06月16日 (火) 午前0:00〜[NHK総合放送]
時論公論 「どうなる派遣労働者」
村田 英明 解説委員

後半国会の焦点の1つとなっている労働者派遣法の改正案。
与党側は今週中に衆議院の通過を図る方針で山場を迎えています。

改正案が成立すれば、企業にとっては同じ職場で何年でも派遣労働者を受け入れられるようになり使い勝手が良くなりますが、通訳や秘書などの専門業務は派遣期間が最長3年に制限されることになり仕事を続けられなくなるのではないかと不安が広がっています。

法律の改正で、派遣労働者はどのような影響を受けるのか。
雇用を守るためには何が必要か。
今夜の時論公論は派遣法改正の影響と課題について考えます。

国会では先週、労働者派遣法の改正案を審議している衆議院の厚生労働委員会で廃案を目指す民主党と共産党が抗議する中、自民党の渡辺委員長が質疑の終局を宣言し与野党が激しく対立しました。

国会の会期末が今月24日に迫る中、与党側は「審議は尽くされた」として今週中に衆議院の通過を図る方針です。これに対し、民主党などの野党は「審議は尽くされていない」として質疑を続けるよう求めています。

意見が対立する大きな理由は派遣労働者の「雇用の安定」です。

与党側は今回の法改正によって派遣労働者の雇用は安定するとしています。
これに対し、民主党など改正案に反対する野党は雇用が不安定になるとしています。実際はどうなのか。

ポイントは「専門26業務」です。

派遣の仕事には「専門26業務」と「一般業務」がありますが、「専門26業務」は専門性が高いとされ、外国語の通訳や翻訳、秘書、ソフトウエア開発など26の業務あります。
派遣期間に制限がなく、同じ職場で何年でも働くことが認められています。
これに対し、専門業務以外の「一般業務」は同じ職場に原則1年、最長でも3年までしか派遣できません。

その違いを簡単に言えば「社員にできる仕事かどうか」ということです。

今から30年前に派遣法ができた当時は13の専門業務に限って派遣労働が認められました。正社員の仕事が、一時的、臨時的な仕事の派遣労働に取って代わられないようにするためです。
社員に真似できないような専門的な業務であれば仕事が奪われるおそれはないだろうということで、専門業務の派遣期間には制限が設けられませんでした。

これに対し、「一般業務」は後から規制緩和で認められるようになったもので、一般的な事務や工場での組み立て作業など社員にもできる仕事です。
繁忙期など一時的に人手を増やしたい場合を想定しているため派遣期間が制限されているのです。

ところが、改正案は、この「専門26業務」を廃止するとしています。
これが、今回の改正の重要なポイントです。

パソコンを使った会議資料の作成など今では社員にもできる仕事が専門業務の中で増えたことや、複雑な制度をわかりやすくしたいというのが廃止の理由ですが、ただ、困った問題が起きています。
「専門26業務」の間で派遣契約が打ち切られるのではないかという不安が広がっているのです。

どういうことかといいますと、改正案では「専門26業務」と「一般業務」の区分をなくし、すべての派遣業務で派遣期間を原則3年までにするとしています。

ただし、派遣する人を3年ごとに替えれば同じ職場で何年でも派遣の受け入れを認める新たなルールを設けます。
この新しいルールは企業の側からみれば、あらゆる仕事を、ずっと、賃金が低い派遣に任せることが出来るようになるといったメリットがあります。

しかし、「専門26業務」の人たちにとっては3年ごとに契約が打ち切られ、その都度、新たな派遣先を探さなければならなくなります。

「専門26業務」で働く人は全国でおよそ50万人。
10年、20年同じ職場で働いている人も少なくありません。
そうした人たちが派遣先の企業から「改正案が成立したら派遣契約を打ち切る」と言い渡されるケースが相次いでいます。

取材した50代の女性は、同じ職場で15年間、パソコンで資料を作成する仕事を続けてきましたが、先月、派遣先の会社から「3年後に辞めてもらう」と雇い止めを一方的に通告されました。
残り3年、18年間、同じ会社で勤め上げても退職金はありません。

女性は「自分の人生を踏みにじられたような気がします」と悔しさを訴えるとともに、「年齢的に次の派遣先が見つかるかどうか不安です」と将来への不安を語っていました。
このように、転職が難しい中高年の派遣労働者を中心に法律の改正によって仕事を失うことへの不安が高まっているのです。

では、なぜ、政府・与党は雇用が安定するというのでしょうか。
その理由は改正案に盛り込まれた「雇用安定措置」です。

その仕組みです。派遣期間が3年に達した場合、派遣会社は、まず派遣先の企業に「直接雇用」を依頼します。
そして、拒否された場合は、新たな派遣先を紹介するか、派遣労働者と「無期雇用」の契約を結ばなければなりません。
こうした取り組みを派遣会社に義務付けることで雇用を安定させようというのですが、果たして、そうなるでしょうか。

私は、この安定措置の中では、派遣会社と結ぶ「無期雇用」の契約が雇用安定のカギを握ると思います。
今は派遣で働く人たちの8割以上がパートやアルバイトと同じように雇用期間が限られる「有期雇用」の契約を派遣会社と結んでいます。

改正案では、これを派遣会社が「無期雇用」、雇用期間に定めがない契約に切り替えた場合は、今の「専門26業務」と同じように同じ職場に何年でも派遣できるようにするからです。

ただ、派遣会社の側からみれば、「無期雇用」の契約を結ぶと解雇しにくくなります。
また、派遣先が見つからない間は、派遣会社が「休業補償」を支払わなければなりません。
このため、派遣業界では負担やリスクが大きくなるとして「無期雇用」への切り替えには消極的な声が聞かれます。
 

ですから改正案の「雇用安定措置」だけでは対策は不十分で、派遣労働者の雇用を守る対策については、国会で、さらに議論が必要だと思います。

そうした雇用の安定とともに考えなければならない重要な課題は、派遣労働者の処遇の改善です。
その実現のため注目されているのが「同一労働・同一賃金」です。
仕事の内容が同じであれば同じ賃金が保証されるヨーロッパで普及している制度です。

この「同一労働・同一賃金」を日本でも推進するための法案が民主党と維新の党などの野党が共同で、派遣法の改正案の対案として先月、国会に提出されました。
しかし、与党側との協議で維新の党が修正に合意し、修正された案は、野党側が提出した当初案に比べると内容が大きく後退しています。

同じ仕事であれば正社員と同じ賃金が得られる均等待遇の実現を図るよう政府に求めていた規定に、「均衡のとれた待遇の実現を図る」という文言が付け加えられたからです。
つまり、賃金を正社員と同等にしなくても教育訓練や福利厚生を充実させることで待遇を改善すればよくなり、当初案は、いわば骨抜きにされた形です。
また、政府が必要な措置を講じる期間についても法律の施行後「1年以内」としていたのが「3年以内」に修正されました。
これでは賃金が改善されるのかどうか見通しは立ちません。

安倍政権は成長戦略の一環で多様な働き方を広げるために派遣労働の規制を大幅に緩和しようとしています。
しかし、今回の見直しでは、とくに「専門26業務」の雇用に与える影響が大きいことから、何らかの「激変緩和措置」が必要だと思います。
そして、広がる正社員と非正規労働者の賃金の格差を是正し、所得の低い人たちを、これ以上増やさないためには「同一労働・同一賃金」の導入について正面から議論すべきです。

そうした課題を先送りせずに国会で議論を尽くしてほしいと思います。

(村田英明 解説委員)

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/220843.html

 

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コメント
 
1. 2015年6月17日 08:30:07 : NNHQF4oi2I
派遣労働者   ブラック労働


 これでも 自民党応援するか

 自民党は 日本国の敵だ


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