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「首相は憲法9条と戦後体制の問題に返答できない」小沢代表
http://www.seikatsu1.jp/activity/press/20150615.html
2015年6月15日 生活の党と山本太郎となかまたち
安保法案、多数での無理やりの可決は不可能、小沢代表
http://www.seikatsu1.jp/activity/videos/20150609.html
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小沢一郎代表と山本太郎代表は6月9日、国会内で定例記者会見を行い、憲法学者の違憲判断、安保関連法案、刑事訴訟法等改正案、労働者派遣法改正案、マイナンバー法案、参院統一会派、野党共闘などに関する質問に答えました。
小沢一郎代表・山本太郎代表 定例記者会見(2015年6月9日)
6月9日午後、国会内で小沢一郎代表と山本太郎代表が定例記者会見を行いました。会見概要は以下の通りです。
【質疑要旨】
•安全保障関連法案について
•刑事訴訟法改正案について
•労働者派遣法改正案について
•参院統一会派について
•2009年総選挙民主党マニフェストについて
•翁長沖縄県知事の訪米について
•マイナンバー法改正案について
•野党連携について
•原発事故自主避難者への住宅援助打ち切り問題等について
•小沢代表の自立と共生政策について
■安全保障関連法案について
Q.衆院憲法審査会で3人の憲法学者が安保法案に違憲との見解を示したことについて、小沢代表の感想をお伺いしたい。3人の憲法学者と小沢代表の意見はほぼ一致していると思いますが。
小沢一郎 代表
A.今回、各党推薦の3人の憲法学者の方々が今の政府提案の安保関連の法案は憲法違反だというお話しをなさったということであります。これは私、かねてから申し上げていたことでありまして、何でこの件を国会もメディアも取り上げないのかと、この会見でも度々言っていると思います。
まさにほとんどというか、まったくその点は考え方が一緒でありまして、私としては当然のことではありますけれども、「我が意を得たり」という気が致しております。いずれにしても3人の第三者的な立場、しかも憲法の専門家の人がそういう考え方を持っていた。自民党推薦の大学教授がそういう意見を申し述べたということで初めて、各党とも元気づいて「憲法、憲法」と言い始めたようであります。
まずこの安全保障、とくに日本においては、日本国憲法第9条についてきちんと解釈し判断してからでないと論議は進まないわけであります。それがまた戦後体制、極東軍事裁判からポツダム宣言からサンフランシスコ平和条約から、そういったものまでさかのぼっての論議にもなることであります。
私が言っても誰も耳を貸さなかったですけれども、3人の学者が言うことによって初めて、政治家も、また国民皆さんもその点に気がついたようでございます。ぜひその根本から論議を国会でもしていただいたら、必ず安倍さん自身がこのことの論戦では明確にまた答えることができず、行き詰まってしまうだろうと思います。ぜひ各党の奮戦を期待します。
Q.先週の特別委で民主党議員が憲法学者の違憲発言を受け、政府に安保法案を撤回すべきと主張しました。法案の撤回についてと法案を成立させない方法についてお考えを伺いたい。
小沢一郎 代表
A.学者が言ったからこうだということは、国会議員として、政治家としては情けないです。 自分たち自身の考えを議論する場ですから。そこに憲法学者の第三者の方までそういう考えでいるということが、いわゆる自分たちの意見の正当性を補完する材料であるということだろうと私は思います。
今言ったように日本国憲法とくに9条と、その背景である戦後体制のことについての安倍さんの考え方、これを各党が厳しく追及すれば、多分彼は返答をすることはできなくなるのではないでしょうか。こういうことに返答できなければ、安保関連法案を論議することは、論理的には不可能なわけです。それがあって初めてのことですから。
私が言っているように、安倍さんが本当に戦後体制を、彼流から言えば、矛盾と指摘し、「自分はこう思う」、「こうしたい」と、「集団的自衛権も一般的、普遍的に行使できるように海外派兵ができるようにしたい」と言うのならば、憲法9条の見直しの提案、国会での発議を求めるべきであって、そうすればまだ法案との整合性はできます。
自民党案では憲法9条1項は、そのままになっているわけです。それでいて法案だけが自衛権を集団的だけではなく個別的自衛権も、日本が直接攻撃を受けた場合でない国際紛争に派兵できるというような法律を作るというのは、全くの論理矛盾、自己矛盾です。このことを野党が揃って追及すれば、私はこの法案を無理やり多数でもって可決するということは事実上不可能になると思います。
そういう意味で、撤回しろと言ったって、出したものをすぐ撤回するわけはないのです。だから事実上おかしい、全く安倍さんの論理がおかしい、筋道が違っているということを国会の場で基本を論ずることによって明らかにする。それが事実上の撤回と同じように、法案の通過を阻止する唯一のやり方だと思います。
■刑事訴訟法改正案について
Q.今国会で戦争法案と並ぶ重要法案である刑事訴訟法改正案には、通信傍受の範囲拡大、取調べの一部可視化、司法取引が盛り込まれています。元々いわゆる「村木事件」に対する反省から始まった法改正の動きだと思いますが、なぜか司法官僚、警察官僚の焼け太り的な結論になっています。両代表はどのようにお考えかを伺いたい。
小沢一郎 代表
A.これは一方的に権力の濫用と言うか、権力の執行を便利にするために色んな制度的なものを作り上げるという欲求としては権力の側にはあるでしょう。一方でやはり犯罪も高度化し、あるいは国際化していますから、その意味で色々それに対抗する仕組みを作ることも大事だという要請もあると思います。
いずれにしろ個人の基本的人権を侵すような形の権力の執行は、許されるべきではないわけです。悪質な犯罪を防ぐという理由だけで、基本的人権の侵害になる可能性のあるやり方を新しく作る、あるいは引き続き行うということが、私はよろしくないと思います。
一定の対策を講ずることは必要ですが、そのためには基本的な情報をきちんと国民に開示し、そして国民の基本的人権が侵されることのないような仕組みを同時に作っていくということが絶対の条件だと私は思います。
我々ずっと前から取調べの可視化の問題とか色んなこと言ってきましたし、細かいこと言うと代用監獄から何から色んなことがいっぱいあります。基本的には対策は必要かも知れないけれども、あくまでも国民の基本的人権をきちんと守るだけの情報開示という手立てでなければならないと思います。
山本太郎 代表
A.今回の刑事訴訟法改正案は、無理やりいろんなものを詰め合わせセットにしたという話です。表の一番の看板が取調べの可視化ですが、(対象は全ての刑事裁判の)たった3%です。一部可視化、取調べの始まりから終わりまで、入口から入って出口から出るまでは可視化されない。どこを撮るか、可視化するのを決めるのは現場です。こんな無茶苦茶な話があるかってことです。
出発点は何だったのか。冤罪をこれ以上増やさないと。長期拘留というか人質司法と言われるぐらいの捜査手法がずっとあって、今までも沢山冤罪事件があった。それをなくすためにという入り口だったのに、いつの間にか今回の法案は、警察権限の拡大法案だと。誰が得しているかと言えば結局警察です。警察が自分たちにフリーハンドを与えてもらえるような内容になっています。
中でも怖いのは、盗聴法とかありますけれども、嫌だなと思うのが司法取引。お前の罪を軽くするために誰か売れ。売る人間に対しては、拘束されている本件以外でもいいという無茶苦茶なことを言っています。結局、村木さんの事件を考えても、10人取り調べに呼ばれた厚生労働省関係者の5人が、村木さんがやったと言っています。2012年のパソコン遠隔操作事件というのがあり、あれでも4人のうち、真犯人でない2人が自白しました。これは明らかに「お前がやったのだろう」という長期にわたる取り調べの結果、そのような嘘の自白をしてしまうと。
世界的に有名な話らしいのですけれども、ノースウエスタン大学の研究によると、死刑冤罪事件の45.9%の冤罪原因が誤った情報提供者の証言であったという研究も出ています。今やろうとしていることはかなり際どいことと言いますか、片っ端から都合の悪い人たちをしょっ引いて、声を上げられないようにしてしまえるものです。
どこまでも権限が拡大していき、盗聴だって、それぞれの警察署でできる可能性ができる。本当にやろうとしていることは無茶苦茶です。「ばらしてやれ」というのが筋なのです。もう審議が始まっている中で、すごく難しいところですが、火事場泥棒的にこのようなものが沢山ちりばめられているのが今国会の特徴でもあると思います。
小沢一郎 代表
A.それに関してもう1つは、警察、検察の十手持ちの連中だけの話しではなくて彼らは自分で十手振りかざして何だかんだ、私もその犠牲者の1人だけれども、やるのです。
もう一つ大事なのは司法、裁判所です。日本では、刑事事件のほぼ九分九厘が有罪です。外国から見ると、それなら裁判所は要らない、検察だけでいいではないかという話しになってしまう。これは本当にやっぱり裁判、司法の独立と言っていますが、事実上、(司法と検察間の)人事交流などと言いながらツーカーの状況になっていて、今言ったように検察の訴えはほとんど有罪になっています。外国では、少なくても先進国ではあり得ないのが、日本の裁判の現状なのです。
だからもう少し裁判官ももっと権威と見識をもってやらないと。裁判官が命令すれば、警察、検察のかなりの資料は提出させられるのですから。そこをしっかりしないといつまで経っても同じことです。それでもう勝手なことを、太郎さんが今言ったようなことをやるということになります。本当の意味での司法の独立。警察、検察は司法ではなく行政ですから、だから司法官にもう少ししっかりしてもらわないといけないと私は思います。
■労働者派遣法改正案について
Q.労働者派遣法の改悪で、維新が自民党と同調しそうになっていることにより、法案が通過しそうになっていることについてお考えを伺いたい。
小沢一郎 代表
A.なんかそういう噂を聞きますけれども、そんなことはないのではないかと私は思います。別に公式に維新で発表したわけではないでしょう。
Q.新聞報道だけですが、労働問題についての弁護団が法案を通さないと緊急集会をやるとか、かなり深いところから出ているのだと思います。
小沢一郎 代表
A.新聞報道は往々にして間違いますから。私はそういうことはちょっと考えられないような気がします。それを詳しく聞いていません。
山本太郎 代表
A.私も噂の範囲でしか聞いていません。歯切れが悪くて申し訳ありません。
玉城デニー 幹事長
A.両代表の歯切れが悪くなるのも、実は維新の国対の方から私の方に連絡がまだ正式にありません。ですから党内では一応まだその確認が取れてないということもありますのでこのようなコメントをさせていただいている次第でございます。
■参院統一会派について
Q.維新の党が参議院で元気会と生活に対して、参院で統一会派を組みたいというような考えを示されていることについてのお考えを伺いたい。
小沢一郎 代表
A.それも噂の話ししか聞いていません。それ維新の方からの話しですか?
Q.片山虎之助議員が昨日の会見で、そういうお考えを示されました。
小沢一郎 代表
A.それはまだ聞いておりません。したがって正確にお答えすることは現段階ではできません。その事実についてはまだ良く分かりません。
■2009年総選挙主党マニフェストについて
Q.2009年の衆議院選挙での民主党のマニフェストについて、今このタイミングで改めて小沢代表自身でどういう評価をされますか。
小沢一郎 代表
A.あのときのマニフェストについては、私は非常に良くできたマニフェストだと思っています。だからこそ国民は、あのとき民主党を支持したのではないでしょうか。政権をいただいて、その結果自分たちではなかなかできないから、マニフェストが悪いと言うのは、ちょっと論理の逆転の話しです。
もちろんマニフェストだからと言って、その1期の政権で必ずしも全部できるということではないのです。できない点があったっていいわけです。それを国民が良しと言って判断してくれたものなのですから。それを少しでも多く実現しようというのが選挙で選ばれた政権、政党の役目だと私は思っております。そしていまだ良いマニフェストだったと思っています。
■翁長沖縄県知事の訪米について
Q.翁長知事が訪米されたことに玉城議員はどのような感想をお持ちですか。帰国した空港でのぶら下がり会見で糸数議員が外務省の姿勢を追及していくとコメントされたことについての考えをお伺いしたい。
玉城デニー 幹事長
A.糸数議員のコメントについては詳しく聞いていませんが、恐らく議員個人として、国会でも外務省などの政府の姿勢をしっかり追及していくということに関しては、私もそれはしっかりやるべきだろうと思います。
翁長知事が今回アメリカに行かれたのは、ワシントンDCに沖縄事務所を開設して、これからは積極的に沖縄の現状を広くアメリカ国民にも伝えていきたいということも視野においての活動であると思っております。そのことに関しては、やはり一定スタートラインに立ったということだと思います。
しかしアメリカの反応は、普天間の辺野古移設に関しては、両方の国で決めてあることだからという姿勢での返事が返ってきたということです。それも翁長知事としては、そういう返事であろうことは想定をしていたので、我々が沖縄の問題をしっかり直に伝えるということに重きをおいて、今回行ってきたのは非常に良かったと思います。
■マイナンバー法改正案について
Q.日本年金機構の大幹部と話したのですが、情報が抜かれるようになっていることに気づいていないのです。抜かれるべくして抜かれています。これがマイナンバーで起こったら、もっと大きな範囲で起こります。山本代表は内閣委員会でこの問題に取り組んでいますが、今後どうやって追及していきますか?
山本太郎 代表
A.(委員会の)現状をお話しすると、マイナンバーの審議は止まっています。風営法を先にやろうという空気観になっています。年金問題がもう少し落ち着いたところで、やろうとしているのではないかという感じです。民主党のスタンスも少しずつ変わってきています。衆議院で通ったけれども、話は変わってきたと。参議院での動き方は変わってくるという雰囲気を言われています。
システムの問題や現場のセキュリティーの問題があると思います。現場のセキュリティーの問題がある部分に行き着くと思います。それは何かと言うと、働かせ方、働き方だと思います。官製ワーキングプアと言われるものが非常に多い。いろんな役所の個人情報を扱っているような人たちが、官製ワーキングプアと呼ばれるような働き方をさせられています。長時間労働、低賃金で、生活保護の窓口で相談を受けている人たちが、生活保護を受けに来ている人たちよりも実は実入りが少ないような状況に陥っています。
マイナンバーが実際に始まったとして、全国の役所などで個人情報に触れる人たちの働き方というのが、やはり人間らしい憲法に書かれているような生き方、働き方ができなければ、おそらくこんな情報流出がどんどん出てくるだろうと思います。そこを突いていきたいなと思っています。
とにかくセキュリティーレベルは相当低いということだと思います。100%安全はないわけだからイタチごっこ。漏れることを前提でやらなければいけない。漏れることが前提だったら、100%の安全がないのだったら、統一番号を止めるべきです。共通番号をやる必要はなく、個別番号でいいだろうと思います。
■野党連携について
Q.小沢代表は先日の会見で参院選に向けての野党協力について「オリーヴの木」のような協力関係を言及されました。先ほど維新の統一会派構想をまだお話しがないということでしたが、参院の野党の中で野党が統一会派を組んでいくという方向性自体について小沢代表はどのようにお考えですか。
小沢一郎 代表
A.それは参議院に限ったことではなくて、衆議院でもそういう機運ができてやろうかということであれば、それはそれで大いに結構だと思います。いずれにしろ参議院選挙まで1年しかないのですから、その間に衆参の選挙制度も修正しておかなければならないし、何やかんや実際的な作業というのは、選挙戦そのものの作業も一定の時間がかかります。ですから各党が協力してやらなければならないという思いが強くなったとすれば、それはもうできるだけ早く実現するようにそれぞれ努力しなきゃいけないと思います。
Q.いずれ統一会派をということなのですか。
小沢一郎 代表
A.1つのステップとしての統一会派ということもあり得るわけですが、別に統一会派でなくてもいいのです。ただ、選挙の俗に言う「オリーヴの木」的な大同団結の連合体ができるという方向に向けばいいと思います。
Q.先日、小沢代表は各党の代表と面会されて、岩手県知事選の連携、応援について協力を仰って回られました。現在の岩手県知事選、その野党の連携はどのような状況で臨めるのか。今後、知事選、来年参院選以降に野党の連携がもしくは合流が行われるとしたらどういった形での合流、連携が望ましいのか。そういう青写真があればお伺いしたい。
小沢一郎 代表
A.別に私が主体的に旗振る立場ではないので、絵を描いてやるわけではありません。参議院選挙後の話しは、今から言ったってしょうがない。まず、参議院選挙を大同団結して、野党が勝つということを目標にやるべきだと思います。
岩手県の場合は今、民主の県連でも支持していただいていますし、維新の場合は、県連が岩手にはありませんが、支援し推薦してくださっております。社民党は自主投票と地元で決めましたけれども事実上の平和研、自治労、岩教組も推薦してくれています。
そういう意味で各党がほぼ足並みが揃ったのではないかと思っています。まずこれで大勝利を上げて、そして次の(参院)補選も同じように皆で力を合わせてやり、来年の参議院選挙の1つのステップになればいいなと思っています。
■原発事故自主避難者への住宅援助打ち切り問題等について
Q.福島県から非難されている被災者の集会に出席しての感想を山本代表にお聞きしたい。自宅支援についてのコメントもお願いします。
山本太郎 代表
A.みなし仮設、住宅の援助についてのお話だと思います。16年度にそれが打ち切られることが濃厚で、18年度には精神的賠償も打ち切られます。18年度に精神的賠償が打ち切られるなら、16年度に住宅援助が打ち切られてもおかしくない話です。
政府は何と言っているかというと、「自立しろ」と言っています。「自立しろ。自立しろ」と言いますが、皆さんはもともと自立されていた方々です。その自立を奪ったのが原発事故であり、いったい何を言っているのだと。
自立を奪った電力会社、それを国策として後押しした国が加害者として、被害者に対して責任を取らなければいけない。しかし今やろうとしていることは、加害者だけで話を決めてしまって、被害者側はその話し合いには入れず、(国は)一方的に線引きをして「これで終わりです。元の場所に帰ってください」という話をしています。こんな理不尽な話はないでしょう。
安全の基準が大幅に引き上げられています。年間1ミリ(シーベルト)以下に抑えるところから20ミリ(シーベルト)までOKというところまでいっています。20ミリ(シーベルト)の土地に帰れということで、事故被害の矮小化をどんどん進めようとしています。
考えていただきたいのはレベル7の事故が3つ起こった状況の福島東電原発。その周辺に人々を帰す。世界で一番脆弱な危険施設なのです。(事故)収束には何百年かかるか分からない。30年、40年とか言っていますが、それは普通の原発を廃炉にする期間と同じです。やり方さえ分からないところに人々を帰し、学校を建て、そして女子サッカーのキャンプ先にする。そんな状況なのです。やっていることが人間ではないです。常軌を逸しているというのはこういうことだなと。
この状況に対しておかしいではないかという声が起こらないといけないのです。しかし残念ながら、20ミリ(シーベルト)以下の場所に人を帰すことに明確に反対を申し上げているのが我が党だけなのです。本当に優先順位が変わってしまったのです。
みなし仮設として全国に避難されていった区域外避難者、自主避難者の方々が最初に切り捨てられるのは当然だなという状況だと思います。皆さん泣いていらっしゃいます。離婚された方もいらっしゃるし、コミュニティーを捨てて、とにかく子どもを連れて避難して、住宅援助がなければ生活が立ち行かないと。下手したら無理心中にもなりかねない状況の中、どうして加害者が逃げ切れるような状況にあるのかなということだと思います。国会で色々と追及してきたいと思います。
■小沢代表の自立と共生政策について
Q.小沢代表ご自身が新生党から新進党、自由党と当時掲げておられた政策というのは一見、新自由主義的に見えるものも含まれています。当時、自立も共生をどう思われていたのか。転換点がもしあったとしたらどこら辺かお考えを伺います。
小沢一郎 代表
A.自立と共生は、何も全然変わっていません。当然そうならなくてはいけません。ただ、国民が自立していくためには、それなりの経済的あるいは社会的あるいは教育的な色々な中で自立を容易にするような社会に変えていかなくてはなりません。その意味で、単に競争原理だけですべての政策をやっていこうという考え方とは全く違います。私は自由取引を否定するわけではありませんし、規制の撤廃も必要です。
それは官僚支配を打破するためには、かなりの規制の撤廃をしなければなりません。 しかしその一方で、国民の生活を守るための規制は、きちんと制度として維持していかなくてはなりません。それは何かと言えば、1つは大きく言えば社会保障制度であり、あるいは雇用の問題であり、あるいは競争の中で経済的な弱者を保護する規制であり、あるいはとくに今TPPが問題になっていますが、生産性の低い農業、農林漁業というようなもの。とくに農業、食糧の自給の体制を作り上げるためには、それなりの規制をしなくてはなりません。
そういう意味で小泉、安倍内閣は、国民が一定の生活を維持していくために必要な規制さえも、規制改革の名の下にどんどん縮小させようとしております。それは医療でもそうですし、雇用でもそうですし、年金でもそうです。農業についても漁業についてもそうです。これは全く近代の国家への歩みと逆行する考え方だと思います。
これは言わば、トマ・ピケティのベスト・セラー本にも書いてありますけれども、世界的にもリーダーの間にそういう考え方が出てきています。これは非常に以前に逆戻りして、格差を是正するものであり、何とかしなければいけないというお話しです。
とくに日本におきましては、今までずっと自民党自体が本来、配分の公平ということを本質的なバック・ボーンにしてきた政党なのです。自民党が変質したと私は思っています。今の自民党はもう旧来の自民党とは全く違うと思います。
そういう意味で私たちは、自由な社会を作り上げると同時にすべての国民が、どこに住んでいても、どんな職業の人でも一定のレベルの生活を維持していけるシステム、すなわち規制は維持強化していかなくてはならないと思っております。
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