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逆風が吹き荒れるが・・・ photo Getty Images
それでも安全保障法案は今国会で成立へ。安倍首相と橋下徹・維新最高顧問との会談で形勢は明らかに
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43738
2015年06月15日(月) 田崎 史郎「ニュースの深層」 現代ビジネス
今国会の最大の焦点である安全保障関連法案に逆風が吹き荒れ、同法案の今月中の衆院通過が危うくなっている。首相・安倍晋三のやじ、自民党推薦の参考人までが衆院憲法審査会で「同法案は憲法違反」と断じたことが集中砲火を浴び、加えて年金情報の流出が国民の政府不信を招いている。
このため、法案審議が滞り、成立させるためには今月24日で切れる今国会の大幅な会期延長は必至だ。しかし、だからといって、安保法案が今国会で成立しないことはあり得るのだろうか?
■法案、難解でも…
安保法案の最大の弱点は分かりづらさにある。法案は抽象的な概念の羅列で、自分の身に引き寄せて考えるのが非常に難しい。具体的事例を挙げて説明しようとすると、中国を仮想敵国とすることになり、政府は中国を例にして説明することができない。
南シナ海の南沙諸島における中国の岩礁埋め立てを見れば、中国の脅威が高まり、この脅威に米国一国だけで対処できなくなっている。だから、日本が「一国平和主義」にとどまらず、国際的役割を果たさなければならなくなっていることは、なんとかのみ込むことができる。
しかし、自衛隊が出動できる状況を定義している5つの事態のうち、とくに「存立危機事態」、「重要影響事態」の区分けが分からない。
前者は「他国に対する武力攻撃によって日本の存立を脅かす事態」。後者は「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」となっている。だが、「存立を脅かす」ことは「平和と安全に重要な影響を与える」のと、どこがどう違うのだろう。
このため、賛否を問われたなら、にわかに賛成するとは言い難い。だが、法案の成否を問われたならば、以下の理由から成立する可能性が高いと見ている。
■数、景気、安倍の決意が強み
まず、「数の力」だ。国会の攻防では民主党などが押しているように見えても、最後にものを言うのは各党の議席数だ。自民党は290、公明党の35を含めると325で、与党は参院で否決されても衆院で再可決できる3分の2の議席を持つ。これに対し、民主党は72、共産党の21を含めても93にすぎない。
参院でも与党が過半数を持っている。にもかかわらず、衆院での再議決をすることになったら、2013年の参院選で有権者はなぜ自民党に多数を与え、「衆参ねじれ」を解消したのかということになる。
次に、報道機関による世論調査で、「政府の説明は不十分」「今国会での成立反対」との声が8割に達しても、6月の内閣支持率は3~5ポイント程度下がっただけだ。支持率は依然として、不支持率を10ポイント以上上回っている。つまり、安保法案への批判が内閣支持率低下には直結していない。有権者は安倍内閣の経済政策に一定程度、満足しているためとみられる。
加えて、安倍の強い意志だ。安倍は4月末、米議会上下両院合同会議で安保法制についてこう言明した。
「戦後初めての大改革です。この夏までに成就させます」「必要な法案の成立を、この夏までに必ず実現します」
このように約束したのに、できませんでしたということになれば、安倍政権の信任が揺らぐ。
これに対し、野党陣営では、民主党は今月1日に次期衆院選小選挙区の第1次公認候補53人を決定した。この中には維新の党の現職とバッティングする選挙区が含まれ、維新の神経を逆なでした。
また、民主党は国会で維新とは別行動を取り、12日、衆院厚生労働委員会の開催を実力で阻止し、衆院平和安全法制特別委員会の審議を拒否した。民主党が頑なな姿勢を取れば取るほど、世論の支持を失い、維新も離れていく。
民主、維新両党間に生じたきしみを突くように、安倍と官房長官・菅義偉は14日夜、都内のホテルで、維新の党最高顧問の橋下徹(大阪市長)と顧問の松井一郎(大阪府知事)と3時間にわたって会談した。維新は安全保障法案の修正案を準備している。
安全保障法案がどのような形で衆院を通過するか、会期の延長幅がどの程度かはまだ分からない。しかし、攻防の形勢はしだいにはっきりしてきたのではないか。(敬称略)
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