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国会の混乱?
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52715002.html
2015年06月12日 在野のアナリスト
国会が混乱している、と報じられます。民主、共産などが衆院厚労委員会の派遣法改正の採決に反発して委員会を欠席、また安保法制の審議も拒否しています。谷垣自民幹事長が野党の対応を「旧態依然」としますが、数に頼って強引な議会運営をされるようなケースでは、審議拒否や欠席がもっともアピール性のある対応でもあるのは、今も昔も変わりません。逆に言えば、それ以外の手もないのです。維新は「反対のための反対」として採決、審議に応じていますが、これは維新の『終わりの始まり』です。与党とほどよく仲良く付き合って勢力を拡大した野党は一つもない。これも、今も昔も変わらない事実です。公明のように与党と一体化するか、与党と対立して存在感を示す以外では、選挙になると存在感も示せなくなるのです。
渡辺衆院厚労委員長が、頚椎捻挫としてコルセット姿で記者会見をうけていますが、手元に目を落としたり、記者の呼びかけに応じて振り向いたりと、ふつうに頚椎捻挫していたら、コルセットをしてもあれほど動かせるはずがありません。自民としては、国会混乱の映像がくり返しつかわれることが分かっているため、ダメージコントロールとしてあの映像を差し入れたかったのでしょうが、逆効果です。診断書もあるとしますが、政治家の都合が悪くなると、病気をでっち上げてくれる医師は、山ほどいます。まさにダメージをコントロールしてしまったのでしょう。
安保法制に関して、かつて自民党で要職をつとめた重鎮、4名が反対の意を表明しました。憲法審査会で3名の憲法学者が「違憲」としてから潮目が変わり、堂々と反対を表明できる空気が生まれてきており、自民党内からも反対の声がでています。菅官房長官が「合憲という学者はたくさんいる」と述べたものの、2名しか名前をだせず、今日になって平沢議員が10人の名前を列挙し、「合憲と思うが名前はだせない」人がたくさんいる、とも述べています。
政府と見解を同じくするのに「名前はだせない」とは、法学会への配慮? しかし10名は名前をだしているので、だせないとする理由が不明です。しかも、自民内からは「法の番人は最高裁」「自衛のための責務をはたすのは憲法学者ではなく政治家」といった意見も出ていますが、安倍政権でまた矛盾がでています。つまり原発再稼動に関しては、専門家の判断に委ねるとしながら、憲法では政治家の判断を優先する、という。ならば最低でも、原発再稼動も政治家の責務において判断する、といわなければなりません。なぜなら「国民の命と平和な暮らし」に関して、安保法制も原発再稼動も、その本質において何ら違いがないからです。
さらに海外では「法の支配」を訴え、中国批判を展開する安倍氏が「憲法を支配する」と言っているのですから、笑えない矛盾です。それこそ中国が、国際法の解釈を我々はこう考える、として国際法学者の意見を無視したとき、安倍政権は反論もできなくなるでしょう。それこそ言葉の解釈など、様々にできますし、何より訳すだけでも意味が多少は変化してしまいます。
何より、立場や態度をその時々でつかい別けている安倍政権が、いくら約束しても確信がもてない、というのが最大の問題です。同一労働、同一賃金の大原則を外す、派遣法改正をすすめる安倍政権が、集団的自衛権の行使に対しても『自衛』という大原則を外してしまう恐れは、常にあるということにもなるのでしょう。野党が『旧態依然』なら、与党は『及第以前』の話であって、洩れた年金情報の話にしても、赤点レベルです。安倍政権の『終わりの始まり』も見えてきたのかもしれませんね。
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