12. 2015年6月12日 09:25:15
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2015/06/09 衆院での強行採決直前! 労働者「切り捨て」を許す派遣法“改悪”案で「派遣労働者は一生涯、派遣のままで働き続けなければならない」!? 〜派遣労働者・弁護士らが厚労省で会見 ツイート ※公共性、緊急性に鑑み一定期間、非会員の方も動画・記事全編を特別に無料でご覧になれます ※6月11日テキストを追加しました! 「正社員ゼロ法案」とも批判される労働者派遣法改正案が、明日6月12日に衆議院厚生労働委員会で採決される見通しとなった。来週にも衆院を通過する見込みだ。 これまで2度も廃案となった派遣法改正案。現行法は、企業が無期限に派遣社員を受け入れられる仕事を通訳や秘書など「専門26業務」に限定し、それ以外は最長3年に制限しているが、改正案では、どの業務も一律で、同じ職場で働ける期間を原則3年とする。 一方で企業は、労働組合などの意見を聞くことを条件に、労働者を代えれば業務内容に関係なく、派遣社員を受け入れ続けることができる。つまり事実上、人を入れ替えれば企業が派遣社員をずっと使える仕組みに変わる。派遣が増え,不安定雇用がさらに広がるのは必至だ。 派遣法改正案の成立に反対する「非正規労働者の権利実現全国会議」は6月9日、厚労省で「派遣労働者の声を国会議員へぶつけるアクション〜派遣法改正案についての記者会見」を開いた。
同会議は、派遣労働者から改正案に関するアンケートを募り、当事者の声を集めた。事務局の中西基(なかにし かなめ)弁護士は会見で、「『年齢が高くなるにつれ、3年ごとに就職活動をしなければならず、生活は不安定になる』という悲痛な声や、『ようやく派遣でも長く働ける職場をようやく見つけたのに』といった声など、多くの不安が寄せられている」と紹介した。 非正規労働者の権利実現全国会議HP 中西弁護士は以前からIWJへの寄稿の中で、「派遣労働者から正社員への登用はほとんどなく、多くの派遣労働者は一生涯、派遣のままで働き続けなければならない。しかも、同じ職場は3年までなので、3年ごとにクビを切られながら・・・」と警告していた。 さらに、「将来設計は立てられず、結婚も、出産も、持ち家も、自家用車すらも諦めざるをえない。日本は『世界で一番働きにくい国』になるであろう」と警鐘を鳴らしていた。 〖IWJブログ・特別寄稿〗3年でクビ!? 正社員ゼロに!? 密かに進む労働者派遣法改正の策動を突く(中西基弁護士・非正規労働者の権利実現全国会議事務局) http://iwj.co.jp/wj/open/archives/248581 職場の実態「3年で人が変わるというのは、労働環境全体に関わる」 この日の会見には、アンケートに答えた派遣労働者らも参加した。派遣労働者として専門26業務の「放送機器操作」業務で17年間、勤務している女性(40代)は次のように語った。 「派遣元の会社は、数年前からすでに『どの職種も例外なく、同じ職場での労働は3年を上限とする』と規定した。私の場合は組合に戦ってもらい、その制限を外してもらったが、意味もわからず判子を押してしまった人は、3年で切られている。今回、法で定めたれたら『切られる』という実感はすでにある」 さらに「私たちの中では『新しく入った人を育てない』という環境ができてきていて、新しく入った人の機材トラブルも増えている」と明かし、「私たちは長年使う機材だから大事に扱おうとしているが、『どうせ自分たちは3年しか使わない』と考えると、機材を扱う意識もどうしても低くなると思う。3年で人が変わるというのは、労働環境全体に関わる」と指摘。「派遣法の改悪はやめてほしい」と語った。 定年退職するまで高校で教員をしていたという派遣労働者の男性(60代)は、「私のような年金生活者はいいが、生活のかかっている人もいる。現場では、仕事の責任者自体も派遣で、私の賃金のたった1.5倍しかもらっていない。これではまともな生活は難しい」と語り、「派遣法の改正にも反対だが、一番大切なことは『正規雇用促進法』を進めること」と訴えた。 日本年金機構が募集する“受信業務”は「☆未経験者でも大歓迎☆」 会見には、日本年金機構の「受信業務」の仕事案内メールを、派遣会社から受け取った女性・Aさんも参加した。現在、機構には、125万人の年金情報を流出させたことで問い合わせが殺到している。機構は電話回線を従来の約10倍に増やし、通常は100人規模の電話オペレーターも現在は1000人にまで増員しているという。 日刊ゲンダイ 2015年6月7日 許されるのか 年金情報流出の“後始末”に国民負担「年50億円」 Aさんは「事情を知らない人であれば、普通のコールセンターの受信業務と勘違いするほど軽いノリで書かれていて、一瞬、頭が真っ白になった。『☆未経験者でも大歓迎☆』と、星マークまでついていた」とメールの中身を紹介した。 そのうえで、「今回の年金問題は国民の関心も高く、人生設計、個人情報に関わる問題なので、皆さんピリピリしている。なのに、未経験者の派遣労働者に任せるべきだろうか」と指摘。自身の経験もまじえ、コールセンターのクレーム対応は「精神的に負担が大きい仕事」であると訴えた。 さらにAさんは、「案内のメールには『2時間の研修がある』と書かれていたが、たった2時間でいいのか、と思う」と指摘し、「年金情報の流出は世間的に大変な問題だが、今回の派遣法改正とも相まって、気持ちが震えている」と語った。 わずか2時間の研修で、未経験者が国民の不安や怒りを受け止められるだろうか。ちなみに塩崎恭久厚生労働相は6月8日の衆院決算行政監視委員会で、情報が悪用されて年金をだまし取られた場合について「補償を行う考えはいま持っていない」とも語っている。 (取材:松井信篤、記事:原佑介、記事構成:佐々木隼也)
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