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2015-06-08 哲学者=山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』
沖縄には「独立」の可能性がある。チベットやスコットランド、カタルニア、クリミア・・・に独立の可能性があるなら沖縄にも独立の可能性がある。沖縄は、明治維新の頃までは、台湾や朝鮮と同様に、「異国」であった。つまり「琉球王国」という独立国だった。「琉球処分」という薩摩藩や日本国による軍事侵略と日本併合、同化政策によって「沖縄県=日本国民」になったのである。
「沖縄独立」は、もちろん、日本の終焉の時、つまり日本沈没の時である。安倍首相や安倍政権の関係者たちは、「沖縄独立」など夢想だにしていないだろう。そこに、安倍政権の「安全保障問題」の大きな無知と弱点がある。
安倍首相も、安倍政権を支える保守論壇の言論人たちも、たとえば櫻井よしこや中西輝政等・・・も、「沖縄独立論から日本沈没論へ」という可能性に思考が及んでいない。沖縄問題は沖縄固有の問題ではない。沖縄問題は、日本の運命を左右する日本政治そのものである。
おそらく安倍政権が、この問題に本気で取り組めば、問題は自然に解決する。しかし、安倍政権は、本気で、日本の運命を左右する、この沖縄問題に取り組むことはない。沖縄に独立の可能性があると思っていないからだ。
安倍政権や日本国民の中には、「沖縄蔑視論」や「沖縄同情論」や「沖縄援助論」しかない。沖縄県民は「カネ」を欲しがっているから「カネ」で解決できると思っている。沖縄の怒り、沖縄独立への野望に火をつけているのは、日本政府と日本国民である。
安倍首相は、「ポツダム宣言」を読んでいないと言ったらしいが、沖縄=琉球の歴史も知らないのかもしれない。あるいは、昭和天皇による「沖縄メッセージ」や「サンフランシスコ講和=日米安保条約」による「沖縄切り捨て」の歴史も知らないのかもしれない。
沖縄問題の原点に昭和天皇問題がある。昭和天皇には、敗戦国=日本が生き延び、復活していくために、「沖縄切り捨て」を実行したというトラウマがあった。「沖縄切り捨て」と「沖縄米軍基地化」の決断は、昭和天皇にとって「苦渋の政治的決断」だったろう。それ故に、昭和天皇には、沖縄への「痛切な深い悔恨と反省の思い」があった。
戦後の自民党の政治家たちも、その思いを共有していた。沖縄県民が、一時的とはいえ、「辺野古への米軍基地移設」を受け入れようとしたのは、橋本龍太郎を筆頭とする政治家たちの「痛切な思い」が、沖縄県民に伝わったからだろう。今、安倍首相にも、安倍政権にも、保守論壇にも、それはない。
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